(47)冬は真っ白、夏は茶色 おくびょうで気をつかう
「一番気をつかう動物です。とにかく飼うのが大変なんです」。札幌(さっぽろ)市の円山(まるやま)動物園でエゾユキウサギを担当する清水道晃(しみずみちあき)さんはそう話す。
とてもおくびょうで、おどろかせると、すごい勢いで走りだして、かべなんかにぶつかって、死んでしまう。

エゾユキウサギ。すみの方でじっとしていることが多い=札幌市の円山動物園
円山にいる2匹(ひき)は生後3日ぐらいで保護された。それからミルクもやったし、えさも手わたしした。
「でも全然なれてくれません」。今も、部屋のすみで2匹が身を寄せ合うようにじっとしている。
人が入って行ったとき、興奮しすぎないように、少しずつ訓練しているそうだ。どうやって訓練するんですか?
「入るときに必ず声をかけます。『入るよー』って。これ以上近づくとパニックになるというラインがあるので、そこはふみこえないように」
近づきすぎると、その人を飛びこえて行くぐらいの大さわぎだ。
今の住まいも工夫している。にげるコースをつくったり、そのコースのとちゅうに木を置いて、真っすぐに走れないようにしたり。曲がるときには、ブレーキをかけることになるからだ。お客さんが見るのも、小さなガラス窓から。
冬は雪の原っぱと同じ真っ白の毛、それが夏は茶色に変身する。北海道の夏の野山の色だ。
この2匹はオスですか、メスですか?
「わからないです。調べるにはつかまえなければならない。でも大けがをしたり、病気にかかったりしたとき以外、つかまえないことにしています。つかまえただけで、ショックで死んでしまうこともあるんです」(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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