(42)毎日、宝探しをさせる 体によい草を食べて
二頭が体を押しつけあって遊んでいる。毛並みが金色に光ってきれいだ。ターキンはウシの仲間。ゴールデンターキンは中国の山地にいて、オスの毛が金色に見えることからこの名前になった。中国ではパンダと同じぐらい大切にされている。

ゴールデンターキンは体が大きく角も立派だ=横浜市旭区の動物園「ズーラシア」
横浜(よこはま)市の動物園、ズーラシアにいるのはメスのターコとオスのキンタツー(キンタ二世)。お客さんが呼んでもちらっと見るぐらいだけど、担当の斎藤愛子(さいとうあいこ)さんが朝「ターコ、キンタおはよう」と声をかけると、フンフンにおいをかぎに来る。
「朝一番にリンゴをやるので期待しているんだと思います」。食べ方・歩き方などを見て、健康状態をチェックする。
キンタは下の歯ぐきがはれているので、薬をリンゴにはさんでいる。だからキンタのリンゴは大きめになりやすい。ターコは自分のが小さいと、おこってさくごしに、がーんとつっかかってくる。
主食は草。ズーラシアでは、イネ科のほし草とヘイキューブというマメ科の草をかためたものをやっている。ほし草よりもヘイキューブの方が好きらしい。「体にいいものと、おいしいものを並べたら、人間でもおいしい方にいくでしょう。でも生息地の高山にあるのは繊維質が多い草だから、ほし草の方がかれらにはいいんだと思う。もっと食べてもらえるように、まぜてやっています」
オスは特に暑さに弱い。夏場にあまり歩かなかったので、キンタはツメがのびた。斎藤さんはあちこち歩いてもらえるように、えさを小さく切って方々にかくす。毎日宝探しをさせて、ツメが少しでもけずれるようにしているんだ。(文・佐々木央、写真・有吉叔裕)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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