(5)親子で空中散歩楽しむ 木の上では自然な姿
地上約15メートル、目もくらむ高さだ。お母さんの胸にしがみつく赤ちゃん。こわくないのかな。双眼鏡(そうがんきょう)をのぞくと、お母さんも赤ちゃんも平然とした顔だ。
お母さんはチャッピー、子どもは1歳(さい)のメス、ミンピー。時々こうして親子でスカイウオーク(空中散歩)をする。

高さ約15メートルの空中でロープを伝いスカイウオークするオランウータンの親子=東京都多摩動物公園
東京都多摩(たま)動物公園にスカイウオークの設備ができたのは3年前の春。鉄塔(てっとう)を九基建て、ロープをわたした。長さは150メートルもある。でも、なかなかわたらなかった。
わたりきったのはできてから1カ月後。最初にミンピーのお兄ちゃんのポピーがわたり始め、チャッピーがあわてて追いかけ、おばあちゃんのジプシーも心配したのか後に続いた。結局、親子3代がそろって向こう側に着いた。
オランウータンは樹上で暮らす。木をわたるので握力(あくりょく)がとても強く、もの静かだが、いろんなことに興味を示す。スカイウオークはそれを生かした設備で、野生の生活に近い姿を見てもらおうという動物園の工夫だ。野生の生活に近ければ、動物だって楽しい。
スカイウオークの先に飛び地がある。クヌギやコナラの雑木林がそのままの自然な場所だ。
「春には新芽をばりばり食べてます。秋だとドングリを拾って。楽しいんだと思います」。担当の清水美香(しみず・みか)さんはそう話す。
スカイウオークに目をうばわれがちだが「飛び地では枝をゆらして次の木に移ったり、野生と同じような動きをしますよ」。もう1人の担当、黒鳥英俊(くろとり・ひでとし)さんはそういう姿も見てほしいと話した。(文・佐々木央、写真・有吉叔裕)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
- お宝映像(いきもの)

- お宝映像(南極)

- ガラパゴスの不思議な生き物

- 九州どうぶつランド
- ともにくらす コウノトリ野生復帰
- トキ便り
- いきもの変動
- 恐竜ワールド2009
- 島の仲間たち2009
- 旭山動物園


