(159)みつを飲み、花粉を運ぶ はでなのに目立たない
羽は緑、顔は赤、頭の後ろからおなかにかけては青、くちばしはだいだい色、頭は黒い。名前にズグロとあるのは、ズと読む「頭」が黒色だからなんだろうな。

東京・江戸川区自然動物園のオトメズグロインコ。かまれたら、いたそうだけど、かんできたりはしないそうだ
インコの仲間ははっきりした原色で目立つのが多いけれど、東京・江戸川区(えどがわく)自然動物園のオトメズグロインコは、色の種類も多い。
担当(たんとう)の長坂拓也(ながさかたくや)さんは、インコがいる熱帯に行ったことがある。でも「上を見上げても見つからなかったんです。声はするんだけれど」。だから長坂さんは「熱帯は日差しが強くて、緑もこい。そういう自然の強い色の一部としてとけこんで、かえって見えないのかもしれない」と言う。
赤道近くのニューギニアにいる。寒さに弱いのかと思ったら「ヒーターなしでも平気です。標高の高いところにいるせいかもしれません」。
インコの多くは、ヒマワリなどのかたい種をがんじょうなくちばしでわって食べるけれど、オトメズグロインコは野生では花や花のみつ、果実を食べている。だから動物園でもリンゴ、バナナ、ブドウなど果物が主だ。
植物の花のみつを飲んでいると、おしべの花粉が頭や顔にくっつく。次の花に行ったとき、その花粉がめしべに付いて受粉し、種ができる。だから植物にとっても役に立っている。「生きものの命はつながっているんです」(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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