(140)ぎょろ目に太く長いしっぽ ものすごい声でなく
体全体は赤みがかったふさふさの毛。顔やしっぽ、手足は黒く、頭のてっぺんあたりがヘアバンドをしているみたいに白い。こっちを見る目は、おどろいてぎょっとしているように見開いている。

木にぶら下がってこっちを見ている。観察されているような気がした=横浜市野毛山動物園
アカエリマキキツネザルを日本で見られるのは、横浜市の野毛山(のげやま)動物園だけ。10頭の群れでくらしている。動きは活発。足で木にぶらさがると、太く長いしっぽが頭のあたりまでのびる。
キイイー、グアアー...。とつぜん、ものすごい声で鳴きだした。それもいっせいに。担当の飯野雄治(いいのゆうじ)さんの話が聞こえない。しばらくして静かになってから「園内放送に反応してこうして鳴くんです」と飯野さんが説明してくれた。
5分後ぐらいにもう一度、園内放送があったら、さっきより大さわぎになった。「あと、シマウマの声にも反応します」
アフリカの東にあるマダガスカル島の北東部にすんでいる。
ここでやるえさは、くだものや野菜だ。夏に食欲が落ち「午前中にやったえさが夕方になっても残っていることがありました。昼間はぐてーっという感じでした」。夏ばてしたんだ。
動きが速いし、なかなか近くに来ない。もっとよく見たいと思ったら?
「午前と午後の食事のときは、えさをケージのへりに置くのでみんな寄ってきます」

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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