(77)チームワークで狩り 強いあごで骨までくだく
2頭が追いかけっこのようにグルグル回り始めた。そのうち、かみつき合いのけんかみたいになった。だいじょうぶですか?

ブチハイエナの親子。草をくわえているのが子どもの蓮だ=大阪市天王寺動物園
「けんかじゃなくて、子どもが母親にかまってほしくてじゃれてるんです。でも、子どもが大きくなって、力も強いので親がいやがっている」
大阪(おおさか)市天王寺(てんのうじ)動物園でブチハイエナを担当する土谷正道(つちやまさみち)さんが説明してくれた。名前の通り、はんてんがある。茶色っぽくてちょっと大きいのがお母さんの愛(あい)、黒っぽいのが愛の子で2歳(さい)のオス、蓮(れん)だ。
ハイエナは、ライオンやチーターがつかまえたえもののおこぼれをねらったり、死んだ動物の肉を食べたりするというイメージがある。でも本当はちがうんだ。
「ブチハイエナは10~15頭の群れをつくって狩(か)りをする動物です。チームワークで追いつめ、自分よりはるかに大きなキリンやシマウマまでたおすことがあります」
犬に比べると、ずんぐりした体だ。とてもすばしっこそうには見えないけれど。「スポーツにたとえればマラソンランナーです。チーターのように短距離(きょり)走でつかまえるのではありません。ずうっと追いかけて、相手がつかれるのを待つんです」
あごが強い。土谷さんがブタの骨をやると、最初は前足でおさえて肉をはぎ取るように食べるが、最後は骨をバリバリかみくだき、骨髄(こつずい)まで食べてしまう。
動物の骨の分解には、放っておくと長い時間がかかる。ハイエナがかみくだいて小さくするから、動物の死体が早く土にかえり、サバンナが豊かなんだそうだ。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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