(76)卵12個、1羽だけかえる 長い足で巣穴ほる
兵庫(ひょうご)県の姫路(ひめじ)市立動物園でアナホリフクロウが産卵した。最初の1個は地面の上。本当は巣の中に産む。担当の橘淳一(たちばなじゅんいち)さんはちょっとあわてた。アナホリフクロウのつがいは去年、姫路に来たばかりで、まさか今年、産卵するとは思っていなかったからだ。

アナホリフクロウの子ども。大きな丸い目が印象的だ=兵庫県姫路市立動物園
急いで産卵用のパイプを地面にうめこんだら、そこに次々に卵を産んだ。全部で12個。メスが卵をだき、オスがえさを運んだり、まわりを見張ったりしていた。無事にかえったヒナはたった1羽だったけれど、元気に育っている。
フクロウにしては長い足。その足で穴をほる。野生ではプレーリードッグなど、ほかの動物がほった穴を使うことが多いそうだ。楽をしているんだね。
砂漠(さばく)や荒(あ)れた草原、農耕地などにすんで、虫やネズミ、カエルなどを食べる。えものは空からねらうほか、地上を走りまわってとらえることもあるそうだ。
姫路では自分で穴をほる。「前の日に見たときには平らだった地面が、翌日はけずられていたり、小さかった穴が大きくなっていたりします」
いつも巣穴にかくれているわけではないらしい。見ている間、親鳥2羽はずっと仲良く並んで枝にとまっていた。「ほかのフクロウと比べると小さくて、かわいいですよ」と橘さん。
ヒナはもう親鳥と同じぐらい大きいけれど、立っている姿も、動きもあどけない感じがする。真ん丸な黒目のまわりはふちどりしたようにくっきりした黄色。その目でじっとこちらを見る。何か返事をしなくちゃいけないような気持ちになった。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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