(65)きばやつめはするどい 夏場の体調に気をつかう
秋田市大森山(おおもりやま)動物園のレッサーパンダの建物のかべにノートがぶら下げてあった。来た人が質問や感想を書き、担当者がていねいに返事している。

好物のササを上手につかんで食べるレッサーパンダ=秋田市大森山動物園
「どこでつかまえたの?」という質問には「つかまえたわけじゃないですよー。ここにいるのはほかの動物園で生まれたり、大森山で生まれた子だったりです」
「習性を三つ教えて」と聞かれ「木登り。大得意! ねるときはほとんど木の上です。敵にねらわれにくいから。二本足立ち。レッサーパンダが立つのはえさを食べたり、敵をおどかしたり、まわりをよく見たりするためです。夜行性。えさを食べているとき以外、日中はあまり動きません」
返事しているのは堀籠麻子(ほりごめあさこ)さん。ノートを書くのは夕方、動物の世話が終わってから。「担当になって2年ちょっとなのでむずかしい質問はすぐには答えられません。そんなときは調べたり、ほかの動物園に聞いたり」
レッサーパンダはどこの動物園でも人気者だ。「でもかわいい外見からは想像できない部分もあります。きばもあるし、つめもするどい。激しい動きをすることもあります」。野生動物だからペットのようになつかせてはいけない。でもある程度、なれさせないと飼育できない。そのバランスがむずかしい。
湿気(しっけ)と暑さに弱い。だから夏は特に気をつかう。体調をくずしていないかよく観察する。
最近、ノートにこんな感想があった。「久しぶりに来たら前とは変わっていてすごく楽しかった。レッサーパンダも元気に動いていた。また来ようと思います」。堀籠さんはすごくうれしかった。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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