(63)声や姿、性格に特徴 2種は国の天然記念物
秋田三鶏(あきたさんけい)は、秋田県北部で飼われてきた3種類のニワトリ。国の天然記念物になっている声良鶏(こえよしどり)、比内鶏(ひないどり)と、県の天然記念物、金八鶏(きんぱどり)だ。秋田市の大森山(おおもりやま)動物園にはこの3種類が並んでいる。

秋田三鶏の一つ、比内鶏のオス。羽根の色が美しい=秋田市大森山動物園
声良は名前の通り、太い声で鳴くのが特徴(とくちょう)だ。鳴き声のコンテストも開かれ、長く鳴くほど評価が高い。いま大森山にいるのは10秒ぐらい。動物園の千葉克己(ちばかつみ)さんによると、もう少し長く鳴かないと入賞できないそうだ。
金八は今から150年ぐらい前に、秋田県大館(おおだて)地方に住んでいた魚屋さんがつくったといわれている。その人の名前が金八。大館では昔から短気な人を「きんぱ」といい、金八鶏も気が短い。「でも人にはよくなつくんですよ」
比内鶏のオスはとてもきれいだ。頭から背中にかけてかがやくようなオレンジ色の羽根でおおわれ、尾やおなかは深い青。昔から肉がおいしいと評判だった。秋田の名物料理、きりたんぽなどに使う有名な比内地鶏(じどり)は、これとアメリカ産のニワトリをかけあわせてつくった。
富山市ファミリーパークで見たニワトリの先祖、セキショクヤケイに姿が似ているので、千葉さんにそう言ったら「近い種類なんです」と説明してくれた。
千葉さんは学生のころ、研究室にいたセキショクヤケイがどのぐらい飛べるか試したことがあったそうだ。長く飼われて筋力が落ちていると思っていたら、遠くへ飛んでいってしまい、さがすのに苦労した。「動物をあなどってはいけないという教訓でした」。とすると比内鶏もかなり飛べるんだろうか。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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