(61)部屋も食事も特別 「極楽鳥」の別名
どうしてこんなきれいな配色になったんだろう。黄色の頭に、こい緑色の首。尾(お)にはオレンジの大きなかざり羽根がある。きれいなのはオスだけ。メスは茶色っぽくて全然目立たない。

かざり羽根がきれいなアカカザリフウチョウのオス=福岡市動物園
フウチョウの仲間はニューギニアに40種類以上もいて「極楽鳥(ごくらくちょう)」の別名がある。このうちアカカザリフウチョウはパプアニューギニアの国鳥で、国旗にもえがかれている。日本ではここ、福岡(ふくおか)市動物園と東京の上野動物園にしかいない。
「6月になると、かざり羽根がいっぺんに落ちます」と担当の古川善正(ふるかわよしまさ)さん。一晩で半分ぐらいぬけてしまう。だから夏場に見ると、極楽鳥とは思えない。きれいに生えそろうのは秋ごろだ。
ガラス張り、冷暖房(れいだんぼう)完備の部屋で特別あつかい。熱帯の気温に合わせて25度から26度ぐらいにしている。暑くなってきたら、外の運動場とのさかいの窓を開ける。温度調整が一番むずかしい。
密林にいて、果物や虫を食べる。美しいかざり羽根がほしくて、人間がたくさんとってしまい、野生では減っている。
動物園ではパパイアやバナナ、キウイ、卵などを細かくしたもの、牛のひき肉、幼虫などをやっている。食事も豪華(ごうか)で特別あつかいだ。
以前はヒナがかえっていたが、ここ数年はうまくいっていない。産卵はするが、巣箱にうまず、下に落ちて卵が割れてしまう。「破卵(はらん)」というんだそうだ。
古川さんは下に落ちにくいように、ざるのような形の手作りの巣箱もつけてみたが、まだ成功していない。こんな美しい鳥のヒナはどんなふうか見てみたいと思った。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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