(55)生まれてすぐ歩き始める 南米にいるネズミの仲間
埼玉(さいたま)県こども動物自然公園でカピバラの3つ子がうまれた。次の日に行ったら、赤ちゃんたちはもう元気に歩き回っている。ずいぶん早く歩けるようになるんですね?

手前が生まれたばかりのカピバラの赤ちゃん=埼玉県こども動物自然公園
「草食動物は早いんですよ。肉食動物に食べられないように、にげなきゃいけないから」と担当の竹沢加奈(たけざわかな)さん。
あどけなくてかわいい。でも竹沢さんの話だと、子どもの方が目つきはちょっときつい。大きくなるにつれて、やわらかくなってくる。
カピバラは南米にいるネズミの仲間だ。大人は体長1メートルをこえ、体重も60キロぐらいになる。ネズミというよりブタに近い感じもする。
竹沢さんたちはえさをくふうしている。栄養分を固めたペレットというものだとすぐ食べ終わってしまう。野生では長い時間をかけてえさを食べるらしい。
そこで冬場はレッサーパンダが残した竹をやる。葉っぱから枝までせっせと食べる。春から秋は青草や牧草。これも時間をかけて食べる。たいくつな時間が減り、歯や腸もよく働くことになる。
「ネズミにしてはのろまに見えますね」と言うと、竹沢さんが「失礼ね」という顔になった。「走ると意外に早いし、泳ぎも得意。よく見てください。足の指には水かきもあるんです」
「表情が豊かなんで、見ていてあきない」と若い男性。20代の女性は「お母さんじゃなくても子育てするし、お父さんは取りにくい高い所の竹をがんばって取ってやるし。やさしくてすごく好きです」と話してくれた。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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