(54)オスはおっとりタイプ 北極近くにすむ
板の上に2羽並んでいた。動かないから置物みたいだなと思っていたら、首だけをクルックルッと回した。白い体がとてもきれいだ。

2羽のシロフクロウ。左のメスは笑っているように見える=静岡市の日本平動物園
静岡(しずおか)市の日本平(にほんだいら)動物園でシロフクロウを担当する長谷川裕(はせがわゆたか)さんによると、まだら模様があるのがメス、ほとんど真っ白なのがオスだ。この2羽は2007年生まれでまだ子ども。成長してくると、オスはもっと白くなって、メスとのちがいがはっきりしてくる。
おとなしそうに見えるけれど、肉食の猛禽(もうきん)の仲間だ。小さいネズミなどを食べる。
「シロフクロウは猛禽の中でも気があらいのが多いんですよ」と長谷川さん。えさやそうじのときも、2羽の動きをよく見ていないと、つかみかかられる危険がある。
この2羽ではメスの方が強い。えさをやると、メスがオスの分まで取ってしまうことがある。それでもオスはおこったりしない。「おっとりした性格なんです」
野生では北極に近いこおったツンドラと呼ばれる大地などにすむ。樹木が育たないので、平原の岩、切り株などに止まっている。そのため、日本平でも枝のような止まり木は使っていない。
フクロウの仲間はたいてい夜行性だけど、シロフクロウは昼間も動き回る。北極近くでは、夏は1日中、日がしずまない「白夜(びゃくや)」になるからだそうだ。
でも昼間に見たら、目がぱっちり開かず、ちょっと眠そうだった。
大人になるのは3、4歳(さい)ごろ。あと1、2年して、この2羽が大人になって、子どものシロフクロウが見られるといいな。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
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