(48)樹上みたいに動けるように 複雑な形のタワーつくる
名古屋市の東山動植物園は去年、高さ11メートルのチンパンジータワーをつくった。野生のチンパンジーは樹上で暮らす時間が長い。枝を伝ったり、飛び回ったり。そういう動きができるように、タワーにはおどり場みたいな所や、ななめの柱、つきでた棒、ロープもわたしてある。複雑な形だ。

タワーで動き回るチンパンジー=名古屋市の東山動植物園
えさの時間。担当の中山哲男(なかやまてつお)さんがタワーの上や下にえさを置いてまわり、チンパンジーたちを部屋から出した。おおさわぎでえさをさがしている。
「タワーができて、いろんな動きが出てくるようになりました」と中山さん。人間みたいに歩いて階段を上っていく姿も。これは中山さんも予想しなかったそうだ。
「そうじなんかをするための管理用の階段なんです。初めは手すりを足でつかんだりしていたんですが。階段を上り下りするチンパンジーは、たぶんここだけじゃないかな」。でも下りるときは、頭を下にしてきたりする。
「思いがけないところで座っていることもあります。鉄柱の先っぽとか」
先っぽが好きなんですか? 「見晴らしのいい所で、まわりを見ているんでしょう」
タワーができて、そうじが大変になった。障害物が多く、真っすぐ歩けない。ほうきやちりとりを持って、ロープをまたいだり、タワーのてっぺんまで上がったりする。
「でもチンパンジーに生き生き過ごしてほしい。お客さんにもへえーって見てほしい。だからいろいろ考えてます。たとえばハンモックをつったら、そこでねてくれないかなとか」。中山さんの頭の中はチンパンジーのことでいっぱいだ。(文・写真、佐々木央)

佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。共同通信編集委員。社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。著書に若者の生きづらさを取材した「未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。
- お宝映像(いきもの)

- お宝映像(南極)

- ガラパゴスの不思議な生き物

- 九州どうぶつランド
- ともにくらす コウノトリ野生復帰
- トキ便り
- いきもの変動
- 恐竜ワールド2009
- 島の仲間たち2009
- 旭山動物園


