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コメント

This is really an amazing way to learn Kanji...Enjoying every minute of my study...Thanks for making it so interesting, informative and lively.ありがとうございます

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Hi, Thanks for coming up with a fantastic article.This is really an amazing way to learn Kanji...Enjoying every minute of my study...Thanks for making it so interesting, informative and lively.ありがとうございます

漢字物語を感心しながら学んでおります。 特定の漢字を別枠にて調べられる項目を、組み入れていただけたら非常に助かるのですが。

コモドオオトカゲが世界最大のトカゲと記載されていましたが、正しくはハナブトオオトカゲが最大です。修正を求めます。

本番OKらしいです(ノ゚Д゚)ノシ★ http://www.l7i7.com/

こうすけさんへ
 コメントに気付くのが遅れ、お返事も遅くなりました。すみません。アオリイカの写真、気に入っていただけてよかったです。加茂水族館はクラゲの展示も充実していて、すごく楽しい水族館です。機会がありましたら、ぜひいらして見てください。
 写真を大きくすることができるかどうか、担当の人と相談してみます。

早速直して頂けたようで、ありがとうございます。
端から全部読んでいる途中です♪
関係ないですが、ハシビロコウが好きです。

「生きもの大好き!」で、写真とタイトル・文が違うものがいくつかあるので直してもらいたいです。

「親」について。
日本において位牌が一般的になったのは、せいぜい江戸期と言われています。もともと後漢時代の木簡(官位などを記した)が始まりとも言われています。親という字が、位牌を見ているとするならば、漢字の歴史の中では比較的新しい時代にできた文字と考えてよいのでしょうか。

私たちは万物の頂点にいて、地球上で一番えらいと思っているように見えます。しかし本当でしょうか。かつてぞうさんが、ご先祖の骸骨をいとおしそうに触っていた影像が思い出されます。太郎さんは花子さんを今でも覚えていると思います。新しい恋が実るよう祈っています。

私たちは万物の頂点にいて、地球上で一番えらいと思っているように見えます。しかし本当でしょうか。かつてぞうさんが、ご先祖の骸骨をいとおしそうに触っていた影像が思い出されます。太郎さんは花子さんを今でも覚えていると思います。新しい恋が実るよう祈っています。

「生きもの大好き!」に大きな写真も載せてくれませんか。アオリイカの写真がとてもきれいなので。

毎回、楽しみに拝見しております。漢字物語を拝見してから漢字を楽しく学んでいます。小山さんの解説は大変分かりやすいため、すっかり漢字の勉強にはまっています。「漢字は楽しい」「漢字は怖い」「漢字百熟語」「字統」「常用字解」等を購入して勉強しています。それで今回NO.154の「絶」についてもう少しコメントをいただきたく投稿しました。常用字解には「織機にかけた織りかけの糸を切断する形で、糸をたつ、糸がきれるの意味となる」とあります。内容に違いがあります。どうのように理解したらいいでしょうか。宜しくお願い致します。

漢字物語のシリーズは子どもも大人も楽しめるものだと思います。カラーの漫画が実にユーモラスで一層漢字に親しみを覚えます。大学の教員ですが、時々、学術用語の説明をするとき、白川古代文字を紹介し、理解させております。学生は、古代文字の原初的な意味に非常に驚き、興味を覚えるようです。

初めまして。貝みがき職人です。農。教えてくださってありがとうございます。魁も、大蛤の意味を持っているとさっき知りました。はまぐりって、スゴイです。

V:$OYXTi, www.nukido.net, 無料ヌキ動画, http://www.nukido.net/

西岡真男さま。お返事が遅くなりました。
この「漢字物語」の連載で漢字の成り立ちについて知り、読者の方が最初に考えることは自分の名前の中にある漢字の意味はどのようなものなのかということのようです。
その中で一番、感想が多いのが、「真」(眞)の文字を名前に含む人からのものです。
西岡さんのように、「真」(眞)という文字が「不慮の災難で亡くなった行き倒れの死者」を表す文字であることには、やはりどなたもたいへん驚くようです。私も最初に、その意味を知った時にはとても驚きました。
ですから、この連載で漢字を説明する時には、一方的な価値観での紹介にならないように努めているつもりです。
古代中国の人たちは、この死というものを積極的にとらえて、死者を表す「真」(眞)の文字から、逆に永遠性を見いだそうとしたわけです。死者を表す「真」(眞)から「存在の根源」という意味へ転換したところに中国思想の素晴らしさがあると白川静さんは考えていました。
白川静さんがとても好きだった中国・戦国時代の思想家・荘子が、そのような考え方をした代表者です。
白川静さんの字書『字統』には「真は中国の古代思想が達しえた、最もすぐれた理念の一つである」と記されています。

自分の名前についている 真 という字が
そんな意味を持っているとは知らなかった。
親を恨むしかないのだろうな。

清原正憲さま
新聞に掲載された「漢字物語」の切り抜きをしながら読んでいてくださったようで、この連載の筆者としてたいへんうれしく、感謝しております。
この47NEWSのサイトの掲載は新聞掲載から3カ月ぐらいを経てから、行っております。もとになる企画は新聞に連載されているものですので、新聞のほうが早く掲載されます。できるだけ早く読みたいというかたは新聞をお読みください。
今後「倍」や「任」の漢字の成り立ちについて掲載されるかどうかという問い合わせですが、もちろんこの47NEWSのサイトに掲載されます。少しお待ちください。
47NEWSのトップページから「学び」のタブをクリックすると、「47スクール」というコーナーが出てきますが、「漢字物語」はこのコーナーの企画の1つとしてあります。
その欄に毎回月曜日に新しい漢字がアップされます(月曜日が休日の場合は翌日になる場合もあります)。その際、見出しの欄に、今週は(113)「感」などと連載の回数が記してあります。
また「漢字物語」の「一覧」をクリックすると、これまでに掲載した漢字がすべて一覧表となっています。一覧表から、お好きな漢字をクリックすると、その漢字の連載の回数が見出しの冒頭に表記されていますので、そのようにご利用ください。よろしくお願いいたします。
また一覧表は連載の順番に従って整理されていて、一番新しいものが、一番上の部分に載っていますので、回数なども比較的分かりやすいと思います。ご利用ください。
 

漢字物語の切り抜きをしていましたが、このサイトを発見し必要な文字を活用しています。
 ところで、9/4の倍、9/26の任はこのサイトの文字に
ふくまれていません。今後新たな文字が掲載されるのでしょうか。お訪ねします。新聞の掲載やこの文字に一連番号を付けてください。整理しやすくなります。

橘婦美子さま
『常用字解』の英訳の件。
いろいろ詳しいかたに聞いてみましたが、やはり完全な訳というものはまだ出ていないように思われます。
もう少し、調べて、更にわかったら、またこの欄に報告したいと思います。
とりあえず、現段階での僕の認識では、ここに書いた通りです。
『常用字解』の英訳の件、全訳が出ているのかなどについて、詳しい人がいたら、この欄に書き込みをしていただけたらと思います。

橘婦美子さま
お返事が遅れていて恐縮です。
「『常用字解』がすでに2008年に英訳されていますね」
とのこと、部分訳が出ていることは承知していましたが、全訳が出ているのか、詳しく把握しておりません。
もう少し、調べて、再度この欄に報告いたします。

小山さん 

「常用字解」がすでに2008年に英訳されていますね。

Amehuaさま
 感想、ありがとうございます。
 漢字というものが、ちゃんと体系を持って成り立っている文字であることを白川静さんの漢字学を通して、みなさんにお伝えしたいと思い続けているコラムです。
 何で、学校ではこういうふうに教えてくれなかったのだろう。こんなふうに教えてくれれば漢字への興味も出てきて、漢字で苦労しなかったのに…。白川静さんの最晩年、漢字の成り立ちについて、白川静さんご本人から直接教えていただくという幸運に恵まれ、漢字の体系的な成り立ちに驚きました。白川静さんから教えていただいた、その成果をみなさんに伝えたいと思って、連載を書いております。
 今後も読んでいただけたらうれしいです。
 よろしくお願いします。
 漢字の体系的な成り立ちは、子どもも、お父さんお母さんも、さらにお年寄りたちも知らない人がほとんどです。この連載で漢字の成り立ちを知った子どもたちが、両親やお祖父ちゃん、お祖母ちゃんに漢字の体系的な成り立ちを伝えるということも当然あり得ます。もちろん逆もあるでしょうが…。
 漢字は日本語を使う人たちなら、数の多少、字形の記憶の正確さに差があったにしても、基本的にみなさん知っています。つまり、文字は文化の基本ですから。この連載で、家族や友人たちとの会話が弾めばいいなとも思っています。

知らないことまで知れて、勉強になりました!
すごいです。

「法」についてのコメントありがとうございます。英語の翻訳なんでしょうけど、なんで「法」としたのか疑問でした。

「法」について、お答えします。
「法線」は数学上の用語だと思います。曲線上の1点における接線に対して直交する直線のことですよね。
「法」にはもともとは垂直の意味はないと思います。
「法」は古代中国の裁判に関する文字です。
「法」という文字の正字は「法」の「去」の上に「◆=たい」(字形をネットでは表示できません。「慶」の字から「心」を除いた文字と取りあえず理解してください)をのせた字形です。現在の「法」は、この「◆=たい」の部分を省略した文字です。「◆」は神様の裁きである神判に用いる神羊で「かいたい」とよばれる獣の形。「去」は古代文字を見ると「大」の下に「凵」のような字形を合わせた文字です。
「大」は人、「凵」に似たような字形は訴訟の際に、自分が誓う言葉を入れた器の、上のふたの部分をとり去った形です。裁判で敗訴者の誓いの言葉は、虚偽としてふたを取り去って無効とされて、その人(大)と、さらに「かいたい」とともに水に捨てられました。
紹介したように「法」はその「◆」(たい)を省略した字です。「去」は敗訴した者です。この文字は古代中国の裁判の様子、方法を示している文字です。ちなみに勝訴した者は「慶」です。
そこから、「法」は刑法や法律制度の意味となりました。さらに規則になど従うことから「法式・法術」の意味となったのです。
これは私の推測ですが、法律・規則にちゃんと従うことから、数学用語での「まっすぐ」などの意味に使われるようになったのかもしれません。

「法」について、お答えします。
「法線」は数学上の用語だと思います。曲線上の1点における接線に対して直交する直線のことですよね。
「法」にはもともとは垂直の意味はないと思います。
「法」は古代中国の裁判に関する文字です。
「法」という文字の正字は「法」の「去」の上に「◆=たい」(字形をネットでは表示できません。「慶」の字から「心」を除いた文字と取りあえず理解してください)をのせた字形です。現在の「法」は、この「◆=たい」の部分を省略した文字です。「◆」は神様の裁きである神判に用いる神羊で「かいたい」とよばれる獣の形。「去」は古代文字を見ると「大」の下に「凵」のような字形を合わせた文字です。
「大」は人、「凵」に似たような字形は訴訟の際に、自分が誓う言葉を入れた器の、上のふたの部分をとり去った形です。裁判で敗訴者の誓いの言葉は、虚偽としてふたを取り去って無効とされて、その人(大)と、さらに「かいたい」とともに水に捨てられました。
紹介したように「法」はその「◆」(たい)を省略した字です。「去」は敗訴した者です。この文字は古代中国の裁判の様子、方法を示している文字です。ちなみに勝訴した者は「慶」です。
そこから、「法」は刑法や法律制度の意味となりました。さらに規則になど従うことから「法式・法術」の意味となったのです。
これは私の推測ですが、法律・規則にちゃんと従うことから、数学用語での「まっすぐ」などの意味に使われるようになったのかもしれません。

橘婦美子さま
お返事がたいへん遅くなってしまいました。
ご質問にお答えしたいと思います。
中国本土での白川静さんの紹介は厦門大学出版部から『漢字』『漢字百話』などを合わせた翻訳書が1冊出ています。でも中国全土での白川文字学の認知はこれからのようです。台湾のほうが認知度は高いと言えると思います。
立命館大学の白川静記念東洋文字文化研究所の久保裕之さんによると、ここ数年の韓国での白川文字学の広がりに勢いがあります。毎年、翻訳書が出ているそうです。
 2007年春に立命館大学を中国の温家宝首相が訪問した際に白川静さんの『字統』『字訓』『字通』の字書3部作が贈呈されたそうですので、中国で白川文字学の研究が始まるかもしれません。期待して待ちたいですね。
 また中国や台湾の研究者との交流では「台湾の屈万里先生、中国の楊樹達先生と文通、時に抜き刷りを交換したが、纏まった著作を頂くことが多かった」と白川静さんは『私の履歴書』に書いています。
 楊樹達(ようじゅたつ)氏=1885年~1956年=は近現代中国を代表する文字学・言語学学者です。屈万里 (くつばんり)氏=1907年~1979年=は元国立台湾大学教授で、専門は経学・文字学・目録学など多岐にわたる研究家です。
 白川静さんの長女・津崎史さんの夫・津崎幸博さんに聞いた話ですが、楊寛(ようかん)氏=1914年~?=とも著作交換が最晩年まで続いていたそうです。楊寛氏は中国古代史を専門とし、上海市博物館長、光華大学。復旦大学教授。文化大革命で難を受け(1986年名誉回復)。アメリカに移住して、旺盛な著作活動をした人です。
 また殷墟の発掘を始め、甲骨学の組織者、権威として名高い中国の考古学者・董作賓(とうさくひん)氏=1895~1963年=の追悼「董作賓氏を懐う」が台湾の「中国文字」に中国語訳が翻訳されています。
 また繁体字、簡体字の問題についても、中国の現状に詳しい記者に聞きましたが、文字を簡略化した中国の簡体字について、元の文字である繁体字に戻そうという動きは、公式な形ではないようです。
 ただお店の名前や自分の名前などを繁体字で表記するという民間レベルでの動きはみられるそうです。日本でも姓名の「沢」を「澤」と記すことにしたりする人がおりますが、そのような動きと考えたらいいのかもしれません。
 台湾は繁体字ですが、中国本土の人は繁体字の文章が完全には読めない人が出てきて、逆に台湾の人には簡体字が完全には読めない人も出てきているようです。
 また繁体字を使ってきて、今も繁体字が中心の香港でも返還後は簡体字も増えているそうです。

法線の「法」には垂直という意味があるのですか?

動物たちの面倒を見ている飼育係りの気持ちがよくわかります。それを伝える記者も、親になりきっておられることが、一行一語に現れています。
先日、堺市大浜公園のおサルの山を数年ぶりに訪問。サル山が改装されていたのとともに、サルがみごとにダイエットしていたのには驚きました。

動物たちの面倒を見ている飼育係りのかたがたの気持ちがよくわかります。それを伝える記者の心も、親になりきっておられることが、一語一語に現れています。
先日、堺市大浜公園のおサルの山を数年ぶりに訪問。サル山が改装されていたのとともに、サルがみごとにダイエットしていたのには驚きました。

動物たちの面倒を見ている飼育係りのかたがたの気持ちがよくわかります。それを伝える記者の心も、親になりきっておられることが、一語一語に現れています。
先日、堺市大浜公園のおサルの山を数年ぶりに訪問。サル山が改装されていたのとともに、サルがみごとにダイエットしていたのには驚きました。

何度も失礼します。インターネットで知る限り白川先生の業績を今は中国の大勢の人々が読んでおられるように思うのですがたとえば時代がめぐり100年後に中国がまた自国の文明遺産に気づき昔の文字に戻る、ということを夢見たり。みなさんはそんなことをお考えになったことはありませんか?すごい文明が学べる漢字。中国の簡体字はもったいないなと思います。何か間違っていたら教えてください。

橘婦美子さま
 The Key to Kanji, A vidual History of 1100 CharactersやKanji in Mangalandなど、漢字に関する英語での出版状況をお教えくださりありがとうございます。
 この企画を英訳してアップすることが可能なのか。英語版を作るに際して、このままの「漢字物語」を翻訳するのがいいのか、それとも少し違う形にするのがいいのかなども含めて、英語でニュースを配信しているセクションの者と話してみるつもりです。少しお時間をください。
 それと「ここにお示しの漢字の大半は日本語学習初級者には読めない漢字ばかりで残念です」「簡単な漢字を増やしていただけたらありがたいです」ということについてですが、これは難しい問題をはらんでいます。
 この企画の「アイコン」になっている見出しの文字は、すべて日本の小学6年生までに学ぶ「教育漢字」の中から選んでおります。
 ですから小学生の人たちには見出しとなっている漢字だけでも、その成り立ちが分かればいいと思って書いています。小学6年生ぐらいなら、この「漢字物語」を誰でも読めるように、本文も含めて小学6年生までに学ばない漢字については、すべてルビが振ってある文章になっています。
 その意味で「簡単な漢字」を中心にという部分は、この企画を貫くものです。
 見出しに選んだ漢字には、小学6年生までに学ぶ初級の漢字というもの以外の漢字は1字もありません。この原則を崩していないので、「漢字物語」が広く読まれているのだと思います。
 そしてもう1つは白川静さんの文字学の最大の特徴は、あらゆる文字がすべてつながっているという漢字の体系性にあります。
 1つの漢字の意味がわかると、他の漢字も同様の意味を含んだものとして、いっぺんに理解できるという点です。その体系的な文字学の展開については、教育漢字(初歩的な文字)の中だけで、「なるほど、そういうふうに漢字はつながっているのか!」という納得感が生まれてこないのです。
 毎回漢字を4つ紹介していますが、タイトルの漢字以外の他の3つの漢字については、教育漢字内という制約を離れて紹介しています。
 「基礎的な漢字の成り立ちの紹介」と「あらゆる漢字は物語のようにつながっているという系列文字の展開」という、2つの相反する内容を短いコラムの中で書いています。
 その点が一番難しいことです。でもそのように難しいことに挑んでいるから、この企画をみなさんが読んでいてくれるのだと思って書いております。
 ご要望のあった英語版については、日本のゴールデンウイーク明けにも、担当の者と話してみます。魅力的な提案ですし、共同通信社らしい力が発揮できる提案でもあると思いますので、検討結果をまた、ここに書き込みたいと思います。

小山鉄郎先生

Noriko Kurosawa Williams, Cheng & Tsui Company, Inc. より漢字絵解きThe Key to Kanji, A vidual History of 1100 Charactersがこの春に出版されました。これが現在出版されている中ではもっとも語源に忠実な英語による著書で参考になるのではないかと思われます。またKanji in Mangalandなども出版されているようですが、どちらかと申しますとアメリカ人学習者などにとっては記憶に残りやすい方法(語源とは関係のない絵を用いる)のほうがわかりやすく出版業界(採算重視)でも主流かと思います。確かに英訳は魅力的な考えではありますが100年あってもたりないくらいこれらを翻訳することはたいへんではないかと思ったり。学生にいろいろと反応を聞いていますが本当のもの、本当のものを教えるというのは本当に大変なことだと実感いたします。ここにお示しの漢字の大半は日本語学習初級者には読めない漢字ばかりで残念です。さらに通常rikaiではオンライン辞書の機能が働くのですがそれがこのサイトではできませんから、もったいないと思いました。簡単な漢字を増やしていただけたらありがたいです。

 橘婦美子さま
 お返事がたいへん遅くなってしまいました。
 申しわけありません。
 アメリカで、この連載を読んでくださっているとのこと。ありがとうございます。
 海外で、このサイトを使って、漢字を学んでいる外国のかたがいらっしゃることもとてもうれしいですし、連載を書いていく大きな励みになります。
 この連載を英語に翻訳してほしいとのご要望も、魅力的な提案で、なるほどと思いました。
 外国語として日本語を学ぶ人たちが、漢字を容易に、また体系的に、正しく理解できるようになるという意味でも、大切だと思いました。
 先ほど、このサイトの責任者とも話し合いましたが、魅力的な提案なので、どのような形であれば、この連載の内容を英語で伝えていくことが可能なのか、検討してみようということになりました。
 英語でニュースを発信しているセクションの担当者たちとも話し合ってみますので、もう少し時間をいただけたらと思います。
 また、このコーナーで、お返事を書き込みます。
 

海外(アメリカ合衆国)在住で日本語を教えて参りました。最近はイメージやイラストを利用して記憶に残りやすくするための配慮がされている新刊本がたくさん出回るようになりました。私は正しいものを教えたいと思っておりましたので、白川先生を知らない多数の先生や先生の漢字の本が買えない生徒たちがこのサイトを見て学べることを共々深く感謝いたします。願わくば、どんどん追加していただきたいこと、そしてできれば英語に翻訳していただけたらと切に願うものです。

yoshimoto様
いつも月曜日に「漢字物語」の新しくアップした文字を読んでくださっているようで、ありがとうございます。
ご質問の「しんにゅう」の字形に点が一つの文字と二つの文字があることについて、説明したいと思います。
「しんにゅう」は、もともと戦前まで使っていた字形は点が二つのあるものでした。これが戦後に文字改革が行われて、敗戦の翌年(1946年)に当用漢字(1850字)が発表された際、この当用漢字に含まれる漢字で「しんにゅう」のついた文字は点を一つにすることになりました。そして当用漢字に含まれていない漢字は従来通り点が二つある「しんにゅう」のままとなりました。
これが点が二つある「しんにゅう」と、点が一つの「しんにゅう」の混在の始まりです。
通称ですが、点が二つある「しんにゅう」のことを「二点しんにゅう」と言い、点が一つの「しんにゅう」を「一点しんにゅう」と言います。
その後、1981年に常用漢字(1945字)が発表されましたが、この常用漢字は当用漢字を受け継いで、字数を増やしたものでしたので、常用漢字に含まれる漢字で「しんにゅう」がついている漢字は「一点しんにゅう」ですし、常用漢字に含まれていない「しんにゅう」がつく漢字は「二点しんにゅう」のままでした。つまり混在は続いていきました。
そして、現在、常用漢字の改定が論議されていて、今年中にも新しい常用漢字(もし現在の審議のままなら2136字)が発表される予定になっています。
今回、新しく加わる予定の漢字には新たに追加する「遜」「遡」「謎」(この書き込みの画面は「一点しんにゅう」ですが、正しい字形は「二点しんにゅう」です)などは、すべて「二点しんにゅう」のまま新しい常用漢字に加わることに現在の論議ではなっています。
つまり学校で教える「しんにゅう」がつく漢字に「一点しんにゅう」の漢字と「二点しんにゅう」の漢字が混在するということになります。
これでは混乱するのではないかと意見もあります。そのため常用漢字に新しく加わる「しんにゅう」がつく漢字は正しくは「二点しんにゅう」だが、これまでの当用漢字や常用漢字の中で流通してきた「一点しんにゅう」で書いても「許容」するということになりました。「許容」するということは、正しいものではないが、間違いではないということですね。
教育現場では、これでもやはり混乱するという考えもあるようです。だから「二点しんにゅう」に戻すか、「一点しんにゅう」に統一したらどうかという考えもあります。
でも長い経過の中で「一点しんにゅう」の漢字も「二点しんにゅう」の漢字も社会に定着していること。さらに情報化時代になって、各漢字にすべて文字コードという番号が振られています。今から、また字形を「二点しんにゅう」→「一点しんにゅう」に変更すると、印刷された辞書から、パソコン、電子辞書、携帯メールの辞書などをすべて新しいものにしなくてはなりません。
これには莫大な費用と労力が必要なので、少しの混乱があることは分かるが、「二点しんにゅう」のまま常用漢字に加わえることになったのです。
以下、私の考えを述べますと、今回の「二点しんにゅう」のまま常用漢字に加える案に賛成です。
これまでも教科書でも、常用漢字以外は「二点しんにゅう」の字形で学んできたわけで、現実には「一点しんにゅう」と「二点しんにゅう」は混在していましたが、それで教育現場がはなはだしく混乱したということはないと思います。ですから、多大な費用と労力を費やして、新たに「一点しんにゅう」の文字を造る必要はないと思っています。
また戦後の当用漢字の文字改革の問題点は「一点しんにゅう」や「二点しんにゅう」の問題だけでなく、むしろそれ以外のところで漢字学上の問題点を含んだ変更もありましたので、現行の常用漢字の字体への単純な統一は間違いを拡大することになりかねないのです。
「しんにゅう」の場合は「二点しんにゅう」を「一点しんにゅう」にしたことが間違いという問題ではありませんが、戦後の文字改革のわかりやすい間違いの例を一つだけ挙げておきましょう。
それは「臭」という字です。
「臭」は戦前は「自」と「犬」を合わせた字形でした。「自」は「鼻」の形です。それに「臭い」に敏感な「犬」を合わせてはじめて「におい」の意味の文字となるのです。
なのに当用漢字を制定する際に、漢字の字形が持っている意味を理解できないまま文字を変更して、「犬」を「大」の字形にしてしまいました。
「大」は人間を正面から見た形です。つまり戦後の文字改革とは、犬も人間も区別できなくしてしまった改革でした。
そして今回の常用漢字の改定で「嗅覚」の「嗅」の字が新しく加わる予定になっています。これはちゃんと旧来の字形のままで加わりますから「犬」の字形になっています。つまり新しい常用漢字が現在の議論のまま決まれば、「臭」と「嗅」が混在することになります。
仮に常用漢字に新しく加わる「二点しんにゅう」の文字を「一点しんにゅう」に統一して変更するという議論を発展させていくと、「嗅」の右側の字形も「臭」に変更するということにもなりかねません。
でもそれは戦後の文字改革の間違いに、さらに間違いを重ねることになるのです。
これらの問題点は当用漢字の改革に発しているのですが、しかし一方で、当用漢字・常用漢字が、私たちの生活に定着していることも事実だと思います。
間違いだから、すぐ直せというのも一つの考え方ですが、多くの人が「この字形はやっぱり間違いだよね」という認識を共有して、「だから直そうよ」と多くの人が考えるようになった時点で、文字を変更するのがいいのではないかと、私は考えています。
そして白川静さんは戦後の文字改革の間違いを正すために、研究をしてきた人です。その戦後の文字改革に問題点があるとしたら、そのことはこの「漢字物語」の中で分かりやすく、なぜ間違っているかを紹介するようにしています。そのような積み重ねが、戦後の文字改革の問題点を考えるきっかけになってほしいと願っているからです。
また「しんにゅう」の点が一つ、二つの問題に戻りますと、中国の古い文献にある字形で点が三つある「しんにゅう」がありました。在日作家の『金達寿小説全集』の背文字の「達」の「しんにゅう」も点が三つだったように記憶しています。図書館などで見つけてみてください。私の記憶ですので、間違っていたら、すみません。
このように「しんにゅう」に関する限り、点が一つ、二つ、あるいは三つというものがあるというのは、筆記体の違いではないでしょうか。
この「しんにゅう」のもともとの字形は「彡」と「止」を合わせたような形の「ちゃく」という字です。この「彡」のように見える部分は「彳」です。つまり「しんにゅう」(ちゃく)は「彳」と「止」を合わせた字形です。
「行」は「十字路のこと」です。その左側の「彳」は「十字路の左半分」の形で、つまり「小道」のことです。「止」は足の形です。ですから「しんにゅう」(ちゃく)は「道を歩いて進んでいくこと」です。
「彳」+「止」が「しんにゅう」として合体する前の字形を残している文字に「從」(従)があります。これらのことは、この「漢字物語」の(14)「行」に紹介してあります。「しんにゅう」の元になった「ちゃく」の字形も示してあります。興味があったら、ぜひ読んでください。
長いお答えとなってしまいました。すみません。

漢字物語 大変面白く拝見しております。毎週月曜日の更新がとても楽しみです。
漢字物語についてのコメントではないのですが、前から気になってることがありましたので投稿させていただきました。
「辶」についてです。 「運送」と書くと「辶」の形は同じですが、「逼迫」と書くと「辶」の形が違います。
「辶」の「`」が一つの場合と二つの場合があります。
これは何か意味があるのでしょうか?
つまらない質問をして申し訳ありません・・。
使い分けがあるのならば教えていただきたいです。
どうぞ よろしくお願いします。

hanameganeさま
 「漢字物語」をブログで紹介してくださり、ありがとうございます。
 Dr.鼻めがねさんの「親という字」という「漢字物語」に触れたブログも読みました。
 鼻めがねさんも「親という字」で書かれていますが、白川静さんの漢字学はたいへん体系的なものです。
 その広くて、深く、実証的な白川静さんの漢字学を分かりやすく伝えていきたいと思っていますので、今度ともよろしくお願いいたします。

事後承諾ーーー>事後報告
と訂正させてください

後で気づきました
すみません

最近この漢字物語のことを知り
一気に全ての解説を拝見しました
すぐに記憶が薄れ行く年となりましたので
再度見直しております

そんな漢字物語を紹介したく
拙ブログ(http://blog.goo.ne.jp/hanamegane_2006/e/48e4bec6436b4cee06a4e5da477c0401)
に少し書かせていただきました
事後承諾ですみません

今後も新たなる解説を
首を長くして待っております

ご指摘ありがとうござました。
さっそく間違っていた(20)「衣」のイラストの文字部分を、正しい「日本では右前だが、中国の古代文字では左前にかかれているものが多い」と訂正して、差し替えたものを47NEWSに掲載いたしました。
今回のような間違いに気がつかない場合、記述が分かりづらい場合などがあると思います。
いろいろな形で、みなさんの声や指摘に対応して、この「漢字物語―白川静文字学入門」のコーナーより、分かりやすく充実したものにしていきたいと考えています。ぜひ、いろいろな声をお寄せください。

ごめんなさい。
ご指摘の通りなのです。
「衣」の回のイラストの説明は
「『衣』は襟元(えりもと)を合わせた衣の形をそのまま文字にしたもの。日本では左前だが、中国の古代文字では右前にかかれているものが多い」
となっていますが、
この「日本では左前だが、中国の古代文字では右前にかかれているものが多い」の部分は左前、右前が逆で、正しくは「日本では右前だが、中国の古代文字では左前にかかれているものが多い」です。
実はこの部分は、白川静さんの字書『常用字解』の第1版が「わが国では左前であるが、甲骨文字や金文では右前にものが多い」 と(勘違いなされたのか)逆に書かれて、そのままを書き写してしまったものです。
しかし衣の右前、左前は衣を着ている本人ではなく、相手から見てのことですから間違いです。
この間違いに気づいて、昨年末に刊行した新潮文庫版の小山鉄郎著『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』の【衣】をめぐる漢字の項では
「日本では右前ですが、甲骨文字や金文では左前にかかれているものが多い」
と正しい表記に訂正してあります。
この「漢字物語」の執筆時には、その取り違えにまだ気がつかずに、そのままになっていました。
今から、イラスト部分を差し替えることが可能かどうか、担当者と相談してみます。
ともかくご指摘ありがとうございました。

(20) 「衣」ですが、
イラスト記載文の左前・右前が反対です

松岡八十次さま。
ロサンゼルスで47NEWS「漢字物語」を読んでくださっているのですか。海外在住のかたからの感想は初めてかと思います。ありがとうございます。
松岡さんは、白川静さんの『字訓』『字統』を片時も離さず、愛用していらっしゃるとのこと。
書家のかたで、白川静さんの字書を愛用なさっている人がほんとうに多いですね。白川静さんの字説が書家の人たちの創造力を強く刺激するのでしょう。
その白川静さんの字説を、より多くの人たちに分かりやすく伝えたいと思い、私もコラムを続けております。これからも「漢字物語」を読んでの感想などを知らせていただけたらと思います。
 海外在住のかたにも読まれていることを自覚しながら、書いていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

私は、白川先生の母校の経済学部を卒業した者です。先生のお嬢さんたちとも、E.S.S.で共に英語の勉強を続けた一人です。
今はロサンゼルスで書道を続け、産経展に毎年出品もしておりますが、先生の「字訓」、「字統」を片時も離さず、愛用しております。
当コラムも楽しく読ませていただいております。

yujiさま
何度もメールでの書き込み、ありがとうございます。
確かに漢字の字源・成り立ちは面白いですね。
私もその面白さに魅了されている1人です。

でも外国の文字である漢字の字源が、この47NEWS「漢字物語」の簡単な文章とイラストだけで、漢字を生んだ中国から見たら外国人である日本人にも理解できてしまうということは、実は驚くべきことなのだと思います。

この漢字は白川静さんの研究によると、今から3200年ほど前、中国の古代国家・殷の武丁という王様のころに生まれた甲骨文字がルーツです。
そしてこの漢字のルーツである甲骨文字や金文と呼ばれる文字の字源が、ほんの少しの説明で我々に理解できるということには、次のようなことが続いてきたということです。

甲骨文字を生んだ殷を滅ぼしたのが周ですが、その周が、殷の文字を廃止せずに使い、続く各王朝がずっと途切れることなく使い続けてきたということですし、文字を持たなかった日本人が、その漢字を輸入して、自分たちの言語を記述する文字として使い続けてきたということです。
古代中国の殷王朝で生まれた甲骨文字と現在、パソコンや携帯メールで文章のやりとりをしている日本人が、三千二百年の時間を超えてしっかりつながっているということです。
そうでなくては、このような簡単な説明で、3000年以上も前の文字のことが、我々のような一般人にも理解できるなどということはありません。
白川静さんが漢字の体系的な成り立ちを系統的に説明した『漢字の世界』という本があるのですが、その冒頭の「漢字の起源」の章に「漢字は、そのような古代から現代に至るまでを、生きつづけてきた文字である。それは歴史の通路であるといえよう。そのような意味をもちうる文字は漢字だけである」という言葉があります。
その言葉通り、「歴史の通路」を通って我々は3000年以上前の外国の文字である漢字の意味や古代中国の人々の考え方などを手にとるように理解できるのです。
白川静さんの業績の最大のことは、単に漢字の字源を新しい体系の中に置き直したこと、漢字の新体系を作り上げたことだけではなく、「漢字という歴史の通路」を通って、古代中国人の生活を復元して、その古代中国の人々と我々現代の日本人がどのようにつながっているかを解明したことです。だからこそ、白川文字学で学ぶと漢字が生き生きと我々の前に姿を表すのだと私は考えています。

丁寧なご説明をいただき、ありがとうございます。
つい最近、漢字物語の存在を知り、第一回から味わいながら
拝見しています。
英語の語源も面白いのですが、
漢字の成り立ちのほうが、スッと頭に入ってきます。

Yujiさま、yuji さま
「漢字物語」を読んでくださりありがとうございます。
同じかたでしょうか?
同日の「漢字物語」についての感想の書き込みですので、そのように思いました。ですから、まとめてお答えすることをおゆるしください。
まず、
「『祭』という字のにくづきが、祭壇に祭るお肉ということは、古代から日本では肉を食していたということなんですね。」
ということについては、そのようなことではありません。
漢字は中国の文字です。ですから漢字に表れていている字形の意味は、もともとは古代中国のものです。日本語は文字を持たない言語でしたが、自分たちの言語を記述するために、漢字を輸入し、さらに片仮名や平仮名を発明して、現在のように漢字仮名交じり文で、自分たちの言語を表記できるようになったのです。
日本人にとって、長い漢字の使用で、もう漢字は外国の文字というより、日本語の一部となっているのも事実ですが、でも古代中国で生まれた甲骨文字というものが、漢字のルーツであることは忘れてはないことです。
その漢字のルーツとなる古代文字を生んだ古代中国の国家・殷も農耕社会でした。狩猟社会ではありません。漢字に動物の肉に関係した文字がたくさん出てくるのは、神様へのさまざまなお祈りをする際に、生けにえの肉を供えたからです。生けいえの肉には羊、牛、犬などがありました。
 三牲(さんせい)という言葉があり、牛と羊とともに「豕」(シ、ぶた)が挙げられています。豕も代表的な生けにえだったのでしょう。

また
「『久』という字が死者の姿であり、その姿から死の中に永遠を見たという発想に興味も持たれたとのこと。」
まったくその通りですね。私もそういう発想に深い興味を抱いた者です。
「真(眞)」という字もまさにそうで、「真(眞)」は行き倒れの死者を表す文字です。
そこから真理、真実の思想を生んだ古代中国の考えというのは、面白いですね。白川静さんもそこに中国の最高の思想があると考えていらっしゃいました。
「ただなぜ木のつっかえ棒が倒れた人のお尻を支えているのかがピンときません」
とのこと、確かに47NEWS「漢字物語」に載っているネット上の活字の「久」の字形からするとその通りですね。
でも「久」の古代文字のほうを見ると、お尻あたりを木で支えているぐらいの感じの字形になっています。
このイラストの元になったイラストは白川静さんに直接チェックしていただき、「久」のイラストは、このようなイメージでよろしいというOKをいただいていますので、生前の白川静さんも「久」については、おおよそ、このようなイメージだったと思います。

久しいという字から
死の中に永遠を見たという発想
興味深く読みました

ただなぜ木のつっかえ棒が
倒れた人のお尻を支えているのかが
ピンときません

「祭」という字のにくづきが、祭壇に祭るお肉ということは、古代から日本では肉を食していたということなんですね。いのししとかウサギを捕まえて食べていたのでしょうか。昔の日本人は穀類がメイン、とイメージしていたので少し驚きました。

子獅子さま
ありがとうございます。
いつか「甫」の系列文字も取り上げるつもりです。
この「甫」は苗木を根をかためる字形で、田圃(たんぼ)の「圃」の元の字です。「甫」に関連する系統字には圃、捕、輔、補…などたくさんあります。
そして「甫」の下に「寸」(手の形)という字があります(「搏」の右側の字形です)。これは苗木に手を添えて、しっかり植えている文字で、これに関連した文字には「縛」や「博」「簿」「簿」…などかなりあります。敷などの字も「甫」の関連字です。
この系統の文字には右上に点があることです。
 
そして、これらとはまったく別に「専」の系統の字があります。この「専」の旧字は「專」です。この「寸」の上の字形は「袋の形」です。「專」は「手」(寸)で袋の中のものを打ちかためる意味です。
この「専=專」の系列の文字は「伝」(旧字=傳)、「団」(旧字=團)、「恵」(旧字=惠)などがありますが、これらの上部の字形(「寸」や「心」の上部の字形)はすべて袋の形です。「專」の関連字の右上には点がありません。
しかし戦後の文字改革で、「專」→「専」としてしまったために
「専」と「◆」(「搏」の右側)という非常によく似ていて、片方には「点がない」、他方には「点がある」という文字ができてしまったのです。
もともと「專」と「◆」(「搏」の右側)という異なる文字だったものをよく似た字形にして、しかし点のあるなしだけは残したので、大人でも日常使うときに、点があったか、なかったかを迷うような状況を生みだしてしまったのです。
以上のことは、白川静さんの字書『字統』を読んでいて、私も知ったことなのですが、この戦後の文字改革の改悪について、白川静さんは字書『字統』の【専】(專)の項で「專はいま旧字を略して専に作るが、その字は專に非ず、◆「搏の右側」(はく)に非ず。形義を誤るのみならず、甚だしく字の統貫を失うている」と非常に強い言葉で批判しています。
子どもたちに、博士の「博」に点があり、専門家の「専」になぜ点がないかを分かるように教えるには、やはり旧字にもどって、まったく違う字形であることから教えないといけないのではないかと思います。

(注)この書き込みコーナーでは「搏」の右側の字形「はく」が表示ではないので、◆で表し、(搏」の右側)などと注記したので少し読みにくいことをおゆるしください。

いい企画ですね。今、甫を含むハ行の漢字、博縛薄敷舗捕補浦簿と恵のように点のない恵専穂を理解させやすくするには、どうしたらいいか考えていますが、こういうときにも使えるページになっていたらいいですね。

「漢字物語」を読んでいるみなさんへ

共同通信社編集委員の小山鉄郎です。
もうご存じの方がたくさんいらっしゃると思いますが、「漢字物語」の漢字の一覧ページができていて、メインの漢字がアイコンのようになって並んでいます。各漢字の短い紹介もついていて、ぐっと見やすくなっています。
漢字の部分の上にカーソルをもっていくと、その漢字の古代文字が表示されるようになっています。さらにそれをクリックすると本文に飛んでいけるようになっていて、とっても楽しくて使いやすい一覧になりました。ぜひ一度、見てください。
儀間靖雄さん、motoさん、横断検索的なことはまだ実現していませんが、少しずつ使いやすいページにしていくつもりですので、よろしくお願いします。

竹山ナオユキさま
連載企画「漢字物語―白川静文字学入門」のことをたいへんほめていただきありがとうございます。
最晩年の白川静さんから直接、漢字の成り立ちについて教えていただくという経験が何度かありました。その経験を通して知った、白川静さんの仕事のすばらしさ、すてきな人柄をたいへん尊敬していますので、続けている企画です。
最晩年の白川静さんはご自分が解明した漢字の成り立ちを、一般の人々へ普及する活動に努めていらっしゃいました。
白川文字学のすばらしさ、漢字の体系的な成り立ちについて、そのことが少しでも、この連載を通して、みなさまに伝わればと思っています。
また、この連載のコーナーがより使いやすいものになるように、ウエブ担当者と話し合って、現在作業を進めています。
またいろいろなご意見をお寄せください。

こんにちは
偶然に漢字物語の頁に至りました。
素晴らしい企画と内容だと感動しています!
白川先生のお仕事を垣間見ることもできますし、なにより漢字の成り立ちを目でみることで誰もが分かる楽しい教材(?)です。
気になる漢字から拝読していきたいと思います。
以降のご執筆、頁の更新も楽しみにしています!

motoさんへ
 お返事遅くなりました。
 このホームページの担当者と、検索が現実的に可能かどうか、それを検討していました。
 前の儀間靖雄さんも、同様のことを書かれていますし、単なる希望的なお返事は失礼かと思いましたので。
 担当責任者も「将来、検索できるようにしたいと考えていて、現在、技術的な検討をしているところです」との前向きな返答でした。
 motoさま。もう少しお待ちください。
 検索可能となりましたら、また、ここの書き込みに書くことにいたします。

「漢字の成り立ち」企画、楽しく読ませていただきました。小学生の頃、25年くらい前ですが、年次ごとに学習する常用漢字の成り立ちの解説本が面白く大好きだったのを思い出しました。前の方もカキコしていますが、検索できるといいですね。

コモドオオトカゲがおとなしいと書いていますが、現地では人を襲い、けが人や死人まで出ていて、危険な動物として知られています。その個体がおとなしいかも知れませんが、間違った知識を与える恐れがあるので、よく調べて下さい。

儀間靖雄さんへ
ありがとうございます。
白川静さんの最晩年の数年間、漢字の成り立ちについて、その初歩から直接教えていただいたことがあります。
白川静さんは、これから漢字を学ぶ子どもたちのことを考えていらっしゃいました。
その白川静さんの思いを大切にして、子どもたちにも理解できるような漢字の成り立ちの説明に努めているつもりです。もちろん、大人の読者も知らないようなことをたくさん紹介していくつもりです。
 〈読者・利用者が「自分」で入力して「検索」したい「漢字」を紐解けたら、良いのですが〉とのこと。
 まだ紹介した文字の数も少ないので、そこまでは考えていませんが、できるだけ多くの漢字を紹介して、(技術的に可能ならばですが)検索もできるようなコーナーになったらと思います。

前略:
漢字の成り立ち、非常に良く纏めてあり理解し易い。
老生、白川博士の「字通」を持っていますが、時に触れて
愛用・活用しております。
出来れば、読者・利用者が「自分」で入力して「検索」したい「漢字」を紐解けたら、良いのですが。

 ありがとうございます。
 共同通信・編集委員の小山鉄郎です。
 これからも、漢字の成り立ちについて
 だれにもわかるように紹介していきたいと思います。
 白川静さんの文字学を通して
 漢字に興味を持ってくれたら、うれしいです。

とても、分かりやすくて、漢字の意味を調べてきて、
先生にほめられたので、役に立ちます

のっち様
 「漢字物語」を読んでいただきありがとうございます。
 さてご指摘いただいた「友」の件ですが、確かに現代の筆順からすると、のっちさんの言う通りですね。
 「47スクール」の文章の中で、そこまで詳しく紹介しませんでしたが、同じ「手」の字形でも、厳密に言うと「又」は「ゆう」と読んで「右」の元の字形で、「右手」のことです。
 「ナ」は「さ」と読んで「左」の元の字形で、「左手」のことです。(厳密に言うと「右」の「ナ」の部分は古代文字の「又」が変化していった字形ということになりますね)
 ですから「友」が「ナ」(さ)と「又」(ゆう)を合わせた字形ですと、のっちさんの言うように、左手と右手で『手に手を取って』いるほうが合っていると思います。確かに、その通りです。
 でも古代文字である甲骨文字や金文の「友」を見てもを「左右の手」を合わせたような字形ではなくて、「右手」を二つ重ね合わせた字形に書かれているのです。白川静さんの字書『常用字解』にも「又と又を組み合わせた字形」と記してあります。「友」のイラストは、その古代文字の字形や『常用字解』の説明を反映して描いたものです。
 ここで説明したことをちゃんと書ければよかったのですが、行数などスペースの関係でできませんでした。もうしわけありません。
 それから古代文字が生まれた時代は、今の時代と筆記用具が異なりますから、文字の筆順というのはよく分かっていないのです。
 最古の漢字である甲骨文字は亀の甲羅や牛などの肩胛骨に刻まれた文字ですし、金文は青銅器に鋳込まれたか、または刻まれた文字ですから、どういう順で文字を記したかがはっきりとは分かっていないのです。
 でも、のっちさんの質問を読んで、さらに丁寧に文字を紹介しなくてはいけないと思いました。のっちさんの疑問は現代人として当然のことで、細かいことでも実際の読者のかたが疑問を感じる紹介では、不十分なところがあるということです。より丁寧な説明に努めますので、引き続き、ご愛読ください。
 それに、白川静さんの体系的な漢字学の世界は実に分かりやすくて、素晴らしいものなので、ぜひ白川静さんの著作や『常用字解』などの字書を読んでいただけたらと思います。

はじめまして。
漢字物語、楽しく読ませていただきました。

さて、ひとつ気になったことが。
1つめの友の成り立ちですが、
手と手を合わせてと有りますが、

イラストを見ると、右手と右手を合わせているように思います。
友の書き順を見ると、1画目が左と同じ横棒から。
これは左手と右手で『手に手を取って』いるほうが自然に思えるのですがいかがでしょうか?

チョット気になっただけですが。。

mikawoさま
 お返事遅れました。感想ありがとうございました。
 これからもいろいろな生きものの話を書いていきます。どうかご愛読くださいますよう。
 で、終わってはせっかく感想をいただいたのに、何だか味も素っ気もありませんね。
 そこで、この連載で一番苦労していることをお話しします。それは写真なのです。やはりハッとするような姿形や色で、みんさんの目を引きたいと思うのですが、特に小さくて弱い生きものは目立たない方がいいようで、けっして写真うつりがいいとはいえません。飼育員の方にせっかく楽しい話をうかがえても、写真がだめで記事にできないケースもありました。
 最近ではカイツブリのときに、写真専門の先輩にたのんだり、シーラカンスでは水族館に提供をお願いしたりしました。
 そんなふうにして、なんとかみなさんにその生きもののことを伝えたいと思っています。末尾の写真のところにだれの名前があるかちょっと注目していただいたら、舞台裏が想像できておもしろいかもしれません。

いつも楽しく記事を読んでいます。
ほのぼのとしたものから、考えさせられる内容まで幅広く書いていただいているので、とても勉強になっています。
私は無類の動物好きなのですべての範囲の動物たちの情報がここでは見ることができるので、まさにスクール的なこの場所は毎日の日課になっています(^^

これからも動物に関する記事をたくさん教えてください。
ここで記事を読むと私も何か動物たちの助けにならないかと、行動する力がわいてきます。

 くまぞうさんへ
 ご感想ありがとうございます。
 飼育係の方たちには「動物が好きで好きでたまらない、担当する動物が子どものようにかわいい」という人もいますし、職人肌で「プロとして一生懸命、飼育技術をみがいている」という方もいらっしゃいます。もちろんどちらか一方に当てはまらない方も多いですが。
 それはほかの仕事でも同じだなあ、と感じます。
 お勧めの動物園について。どの動物園もがんばっていますというのは、ちょっと八方美人でしょうか?でも、ここに取り上げた動物園や飼育員の方たちは、みなさん本当に一生懸命で魅力がありました。まだ、回っていない動物園のほうが多いので、これからもどんどん紹介していきますね。

オダさま
共同通信の小山鉄郎です。
(34) 「省」のイラストがついていませんでした。
早速、イラストを加えてもらいました。
もうしわけありませんでした。


(34) 「省」 眉飾りつけた目で見回る
今回は、挿絵がないのが残念です。

「生きもの大好き」はとってもたのしい連載ですね。
子どもの時からの動物好きですが、生活に追われて動物園にいくことはなかなかできません。
でもこの記事を読んでいると、じっさいに目の前で動物たちを
見ているような感じがして、ちょっとした遠足気分を味わわせていただいています。
そして飼育係のかたの何気ない言葉が、いつもすごくいいですね! 短い言葉のなかに
動物への愛とやさしさがぎゅっとつまっていて、毎回感じいっています。

もし機会がありましたら、記者さんおすすめの動物園についても
おしえていただけたらありがたいです。
旭山動物園ばかりに注目が集まりますが、ほかにもきっと頑張っておられる
ところがあるのでは、と思うので・・・。

これからも楽しみです!!!

 共同通信の小山鉄郎です。
感想ありがとうございます。
 白川静さんの全集をお持ちであるうえに、さらに白川静さんの連続講演『文字講話』のDVDまで全巻セットで購入されたとのこと。たいへんな白川静ファンですね。
 私も「文字講話」を実際に何回も聴いたことがありますが、漢字の成り立ちの全体像を話すほんとうに素晴らしい講演でした。
 この「文字講話」は大評判となって、会場は全国から訪れる人々でいつもあふれていました。ほとんどがメモを取りながら聴いていて、講演中に白川静さんが紙に書く漢字を読むためにオペラグラス持参で臨む人までいました。
 88歳から始めて最後の「文字講話」(年に4回で、全24回)が終わった時には白川静さんは94歳ぐらいだったと思います。白川静さんは、いつも2時間を立ったままで講演していましたし、広い会場が超満員で、椅子がなく床に座ってメモを取る若者たちがいたことがとても印象的に覚えています。
 文化勲章受章を祝う会の席上、白川静さんは戦後の文字改革で正しい字形が失われたことについて、「それを正そうと思い、研究を続けてきた」と語っておられました。
 私も戦後の文字改革には、根拠の希薄な間違いが多く含まれていると思っています。そういう字形の誤りについても、合理的に伝えられる連載になったらと思っています。
 なお指摘のあった、29回目のイラストの差し替えについては、できるだけ急いで行います。
 ありがとうございました。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

29の「除」のさし絵の間違いを指摘してくださった方へ
ご指摘ありがとうございます。
除」のイラストを入れ替えるように、担当に伝えました。
(共同通信編集委員 小山鉄郎)

 共同通信の小山鉄郎です。
 お返事、遅くなりました。すみません。
 47スクール「漢字物語―白川静文字学入門」を読んでくださりありがとうございます。私が書いた『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』を読んでくださったようで、それも感謝いたします。
 確かに、漢字楽子さんがおっしゃるように、漢字のもともとの意味、漢字がどのようにして、その字形となったかという「字源」の説明は、いろいろな字書によって異なりますね。
 漢字楽子さんに対するお答え、かなり長文になるかもしれませんが、白川静文字学の中心的な問題に触れた感想でもありますので、ご寛恕ください。少し詳しく説明したいと思います。
 この字源の字書については、後漢の許慎という人が紀元百年ぐらいに書いた『説文解字』が代表的なものです。この『説文解字』は漢字の成り立ちを体系的に説明したもので、漢字の聖典と呼ばれるほどの字書です。近年まで、日本の漢和辞典の各文字の説明も、この『説文解字』に従って説明しているものがほとんどでした。
 でも十九世紀末に中国で地中から甲骨文字が発掘され、その研究が進むと『説文解字』には多くの間違いがあることが分かってきたのです。
 許慎が生きた時代には漢字の原形である、その甲骨文字や青銅器に鋳込んだ文字・金文などの古代文字が地中に埋もれていたため、漢字誕生時の姿を理解しないまま、許慎が漢字を体系化したためでした。
 この甲骨文字や金文などの精密な研究から『説文解字』の間違いを正し、新しい漢字の体系を作り上げたのが、漢字学者の白川静さんです。
 その最も代表的な業績の一つが漢字楽子さんが書いてくれた「口」についての解釈だと言われています。つまり白川静さんは「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」として、「口」の字形がある漢字を体系化したのです。
 でも漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では、「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあり、この違いをどう考えたらいいのかとの質問ですね。
 私の考えを記す前に、共同通信社に置いてある大きな漢字辞典は、この「口」をどう説明しているのか、その点をちょっと紹介、字源の説明を列挙してみたいと思います。
①まず許慎の『説文解字』は「人の言食する所以(ゆえん)なり」(人所以言食也)として、「くち」の象形文字としています。
②上田万年ら編著『講談社新大字典』(この「新大字典」は1993年ですが、基になった「大字典」は1917年)も同じように「くちの形に象る」としています。
③諸橋「大漢和」と呼ばれる諸橋轍次著『大漢和辞典』(大修館書店、1966年)は「口の形に象る」としています。
④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』(2005年、基になった「学研漢和大辞典」は1978年)「人間のくちやあなを描いたもの」です。
⑤山田勝美ら編著『角川大字源』(1992年)は「人間の開かれたくちを、真正面から見たさまにかたどる」です。
⑥また加藤常賢、山田勝美、進藤英幸著『角川 字源辞典 第二版』では「くちの形。ものの穴のこと」です。
⑦鎌田正、米山寅太郎著『大漢語林』(大修館書店、1992年)は「くちの象形で、くちの意味を表す」です。
 以上のようになっていますが、その多くが、『説文解字』にしたがっていると考えていいのではないでしょうか。
 それらと比べると「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」とした白川静さんの解釈が、ずいぶん異なっていることがよくわかると思います。
また漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあるそうですが(私はまだこの辞書に当たっていません)、以上のような字典の「口」の解釈と比べて見ると、むしろ『現代漢和辞典初版』は、白川静さんの解釈にも近い考え方をしていると思います。
 さてそこで、白川静さんの説明を採用するか、それとも他の字書の編纂者の説明を採用するかという問題です。
 その時に一番大切な点は、例えば、この「口」という字を説明することで、この「口」に関係した一連の漢字を体系的に関係づけて説明することができるかという点です。
 一つの漢字は説明できても、他の漢字についても、同様に説明できなければ、体系的とは言えません。そしてほんとうに体系的な解釈と説明であれば、一つの説明で、関連する文字が次々に芋蔓式にわかるはずです。
 そのことを、この第6回「漢字物語―白川静文字学入門」にある「器」という文字を通して考えてみたいと思います。
 ホームページで紹介しているように、この器の旧字体は「大」の部分を「犬」にした字形です。つまり「器」は「口」が4つと「犬」でできた漢字でした。
 白川静さんの説では、「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞(のりと)をいれる器です。「器」という字には4つの「口」がありますが、それらたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」の旧字体です。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使った、というのが白川静さんの字説です。
 この説明は「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。
 他の字源の説明では、「口」の説明の延長上に「器」という漢字をどう説明しているでしょうか? これを列挙してみましょう。
 例えば①『説文解字』では「皿なり。器の口に象る。犬はこれを守らしむる所以なり」(皿也象器之口犬所以守之)として、器の口としています。
②『講談社新大字典』は4つの口の部分を「皿の形」として、それと「犬」を合わせた字としています。「説文」では犬がこれを守る義とする。「漢字原理」では、犬は犬肉をさし、上古の常食。すなわち、多くの皿に犬肉を盛った義で、器の本義は皿、転じて道具、うつわの義となると記す、という説を紹介しています。
③『大漢和辞典』では4つの口の部分を「うつはの口の形に象る」としています。うつはとこれを守る犬を合わせて、うつはの意とし、さらに『講談社新大字典』にある犬は犬肉、多くの皿に犬肉を盛ったというような説もあることを紹介しています。
④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』は「さまざまな容器を示す。犬は種類の多いものの代表として加えた」としています。
⑤山田勝美ら編著『角川大字源』では「犬と多くのくちから成る」とし「犬が夏の季節に口を開けて(口中を空にして)呼吸する意。のち、口の開いた物を盛るもの、『うつわ』の意に用いる」とあります。同じ山田勝美が著者に加わっている⑥『角川 字源辞典 第二版』も同様に「犬とたくさんの口との会意」とし「犬が夏期に口を開けて呼吸する意」を記しています。
⑦『大漢語林』では4つの口は「祭器の並べられた形にかたどる。「犬」は、いけにえのいぬの意味。祭りに用いられるうつわのさまから、一般に、うつわの意味を表す」としています。
 列挙してみると、これらは皆、バラバラですね。
 やはり大修館書店の『大漢語林』だけが、白川静さんの説に近いものを感じさせますが、『大漢語林』の「口」の解釈は「くちの象形で、くちの意味を表す」でした。その「くちの象形」の「口」が4つ集まるとなぜ「祭器の並べられた形にかたどる」になるのか、その関連性は不明確です。
 それぞれの「口」と「器」の説明をセットで読んでください。「口」の説明の延長上に「器」の説明が、ぴったりと理解できますか? 
 このように文字の説明は、一つの文字を説明できるだけでなく、関連する文字を広く統一的、体系的に説明できるものでなくてはいけません。
 白川静さんの「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞をいれる器。「器」に4つある「口」は、神への祝詞をいれるたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使ったという説明ならば、「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。
それに加えて、古代中国ではいろいろな機会に「犬」がいけにえとして使われましたが、その「犬」を含む字形に対しても、白川静さんの説は確固とした体系性を持っています。私の知る限りでは、白川静さんの漢字学が最も広くしっかりした体系を持っていると思っています。それは甲骨文字や金文などの研究から、実証的でもありますし、かつ豊かで広い体系を持っていると思っているのです。
 この「漢字物語―白川静文字学入門」は毎回、4つの漢字を例に挙げて、その4つの文字はそれぞれに関連するものを持っていて、1つの漢字が理解できれば、他の文字がいっぺんに理解できるように書いています。その1つの漢字が分かれば、他の関連する漢字が分かるというのが漢字の体系性ということです。
 なお2007年に刊行された『新潮日本語漢字辞典』(新潮社)は、すべて白川静さんの字説を採用して、文字の字源説明をしていることを記しておきたいと思います。
 さらにいくつか補足しておきますと、許慎の書いた『説文解字』は確かに間違いが多いのですが、でも素晴らしいのは「漢字には、それを成立させている体系がある」ということを初めて明らかにしたことです。このことは許慎の偉大な業績です。
 1900年ぐらい前の人である許慎は漢字のルーツである甲骨文字を知らなかったと思われますが、何しろ漢字の誕生は今から3200年も以前のものです、そんなに古い時代に生まれた漢字ですから、白川静さんの研究も完全無欠、パーフェクトということはないでしょう。白川静さんも正当な批判は望むところだったと思います。
 漢字の成り立ちについての説明に対して考える最も大切なことは、その説明がどれだけ広い普遍的な妥当性を持っているかという点が第1点だと思います。限られたある文字や文字群だけを説明できるものであってはいけないということです。
 そして2つ目は、今わかっている甲骨文字や金文、さらに篆文などの漢字の古代文字の研究からみても、ちゃんとした実証性を持っているという点が大切だと思います。
 その2点は白川静さんが体系的な漢字学というものに対して抱いたいたものだと考えています。私は漢字の研究者ではなく、白川静さんの研究によって、漢字の面白さに魅了されている記者にすぎませんが、繰り返し白川静さんを取材する機会があって、文字学の大切な点はその2点であることを白川静さんから学びました。
 さて、漢字を学ぶことは、漢字を覚えるだけでなく、漢字を通して、中国の文化、そして漢字をとり入れた日本の文化、さらに中国と日本の文化との関係、東洋の持つ可能性というものを考えるきっかけになります。白川静さんは単なる漢字学者ではなくて、そういう問題を考え続けていた実にスケールの大きな人でした。
漢字楽子さん。できましたら、ぜひ『常用字解』も手元に置いて、白川静さんの文字学の世界に触れていただけたらと思います。何より、漢字を学ぶことが楽しくなりますよ。
 とても長いお答えとなりました。おゆるしください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎)


 

ご感想、ありがとうございます。
共同通信の小山鉄郎です。
お返事がこんなに遅くなってしまい、すみません。

 漢字や土地の読み方については、このNIEのページは難しい字にはすべて読みを入れるようにしています。漢字は小学生から、父母、祖父祖母まで一緒に楽しめる珍しいものですので、小学生にもちゃんと読めるように小学校で学習する教育漢字以外はすべて読み振っています。
 著書についてのアドバイスありがとうございます。ちゃんとリンクをつけて、購入しやすくいたしました。
 白川静さんの漢字学の総合的な字書である『字通』については、PC用の辞書CD-ROM版『字通』が発売されています。たしか1万5、6千円ぐらいだったと思いますが、ネットなどで調べてください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎) 

 丁度、白川先生の講義の様子を残したDVDを全巻セットで購入したばかりでした。著作は、勿論全集をそろえていますが、手に取る重さもなかなかなものです。今回のように、初学の人にもわかりやすく、イラストを交えてあげて下さっているのは、非常に素晴らしいと思います。指摘のあった、29回目のイラストの差し替えは、できるだけ急いで行っていただきたいと思います。
 漢字の持つ元来の意味から、長い年月を経て、また、広い国土のゆえに、色々な差異も生じてきていることに思いを馳せます。
 また、黄河流域の文明とは別に、明らかになりつつある長江流域の1000年先行する文明を思うとき、漢字の持つ奥行きの深さを思わずには居られません。初めて京都の博物館で巨大な青銅の顔の飛び出した瞳をこの目で見たとき、「蜀」の文字の意味を考えたものでした。
 文字の形の持つ本来の意味を無視して、字形を勝手に変更した人々の愚かさは、この国のことだけではありません。本来の形が複雑でも、そのほうが覚え易く読みやすいということを考えなかった先人を恨めしく思います。
 このたびは、素敵な企画をありがとうございました。

Darth Yumiさま
 「生きもの大好き」について、ご感想ありがとうございます。これからもいろいろな動物園や水族館に行って、楽しい話を聞いて来ようと思っています。写真もがんばります。個別の記事についても、ご意見やご感想をいただけたら、うれしいです。

あなごさま
 生きものはそれぞれかけがえがないけれど、中でもゾウは特別というか、魅力的な生きものだと取材する中で知りました。しばらくしたらアフリカゾウも取り上げます。 

29の「除」のさし絵が、28の「胸」のままになっています。
「除」のさし絵に直してほしいです。

47スクールのような興味深いHPを有難うございます。

私は「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」を拝読し、疑問点がでてきたのでネット検索をしたところ、
この47スクールに出会ったところです。未だ疑問は解決しないので、もしお差支えなければ教えてほしいのです。

疑問:白川さんの記述と漢和辞典における記述の違いはどう理解したら良いですか?

(例)右という漢字

文中に(「口」は耳口の「くち」ではなくて、神様へのお祝いの祝詞(のりと)をいれる器の形です。「口」の字形が「くち」ではなくて、祝詞を入れる器「サイ」であることを明らかにしたのが、白川さんの漢字学の最大の発見であると言われています。)とありますが、

辞書では(「口」は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す。)とあります。 
 大修館書店 現代漢和辞典 初版第8刷 2005年4月1日発行 による。

つまり、漢和辞典の記述は古く間違ったものでしょうか?
白川さんをはじめ多くの研究者の方々の解字に敬意を表するとともに、
一素人(漢検1・2級を合格する事を最終目標にしている社会人)が漢字学習においてどう調べ理解すると効率的で有意義であるかを考えているのでご意見伺えれば幸いです。

ちなみに、本屋さんで「常用字解」 白川 静 (著)を見ました。とても興味深く購入も考えましたが
漢和辞典的説明も一度に調べられると利便性に富み、学習もはかどります。

お忙しいところ恐縮ですが、是非ご意見をお聞かせください。

  

「生きもの大好き」の掲載が、とてもありがたいです!
トリビアに留まらず、大切なことをたくさん教えられ、感激です。
自分のサイトの日記で他の人にも紹介させていただこうと思います。

ゾウさんがかわいい。

小学校で教えてくれれば、いいのだが?
漢字は、読み方がいっぱい有り読みを
表記していない新聞、ニュースばかり、
最近は、韓国でも漢字表記(実験)の
学校もある。中国おかげで、日本でも
漢字使ってるが、簡体字でわからん。
台湾は、繁体字なので、まだ良い。

新聞で、地名、個人名とかは、
読み(ルビ)振ってほしいな~~
北海道の地名は、特に分からない。

著書の紹介はちゃんと、リンクを張って
購入しやすくしてほしい。

PC用のソフトがあればいいな。

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