ありがとうございます。 共同通信・編集委員の小山鉄郎です。 これからも、漢字の成り立ちについて だれにもわかるように紹介していきたいと思います。 白川静さんの文字学を通して 漢字に興味を持ってくれたら、うれしいです。
とても、分かりやすくて、漢字の意味を調べてきて、 先生にほめられたので、役に立ちます
のっち様 「漢字物語」を読んでいただきありがとうございます。 さてご指摘いただいた「友」の件ですが、確かに現代の筆順からすると、のっちさんの言う通りですね。 「47スクール」の文章の中で、そこまで詳しく紹介しませんでしたが、同じ「手」の字形でも、厳密に言うと「又」は「ゆう」と読んで「右」の元の字形で、「右手」のことです。 「ナ」は「さ」と読んで「左」の元の字形で、「左手」のことです。(厳密に言うと「右」の「ナ」の部分は古代文字の「又」が変化していった字形ということになりますね) ですから「友」が「ナ」(さ)と「又」(ゆう)を合わせた字形ですと、のっちさんの言うように、左手と右手で『手に手を取って』いるほうが合っていると思います。確かに、その通りです。 でも古代文字である甲骨文字や金文の「友」を見てもを「左右の手」を合わせたような字形ではなくて、「右手」を二つ重ね合わせた字形に書かれているのです。白川静さんの字書『常用字解』にも「又と又を組み合わせた字形」と記してあります。「友」のイラストは、その古代文字の字形や『常用字解』の説明を反映して描いたものです。 ここで説明したことをちゃんと書ければよかったのですが、行数などスペースの関係でできませんでした。もうしわけありません。 それから古代文字が生まれた時代は、今の時代と筆記用具が異なりますから、文字の筆順というのはよく分かっていないのです。 最古の漢字である甲骨文字は亀の甲羅や牛などの肩胛骨に刻まれた文字ですし、金文は青銅器に鋳込まれたか、または刻まれた文字ですから、どういう順で文字を記したかがはっきりとは分かっていないのです。 でも、のっちさんの質問を読んで、さらに丁寧に文字を紹介しなくてはいけないと思いました。のっちさんの疑問は現代人として当然のことで、細かいことでも実際の読者のかたが疑問を感じる紹介では、不十分なところがあるということです。より丁寧な説明に努めますので、引き続き、ご愛読ください。 それに、白川静さんの体系的な漢字学の世界は実に分かりやすくて、素晴らしいものなので、ぜひ白川静さんの著作や『常用字解』などの字書を読んでいただけたらと思います。
はじめまして。 漢字物語、楽しく読ませていただきました。
さて、ひとつ気になったことが。 1つめの友の成り立ちですが、 手と手を合わせてと有りますが、
イラストを見ると、右手と右手を合わせているように思います。 友の書き順を見ると、1画目が左と同じ横棒から。 これは左手と右手で『手に手を取って』いるほうが自然に思えるのですがいかがでしょうか?
チョット気になっただけですが。。
mikawoさま お返事遅れました。感想ありがとうございました。 これからもいろいろな生きものの話を書いていきます。どうかご愛読くださいますよう。 で、終わってはせっかく感想をいただいたのに、何だか味も素っ気もありませんね。 そこで、この連載で一番苦労していることをお話しします。それは写真なのです。やはりハッとするような姿形や色で、みんさんの目を引きたいと思うのですが、特に小さくて弱い生きものは目立たない方がいいようで、けっして写真うつりがいいとはいえません。飼育員の方にせっかく楽しい話をうかがえても、写真がだめで記事にできないケースもありました。 最近ではカイツブリのときに、写真専門の先輩にたのんだり、シーラカンスでは水族館に提供をお願いしたりしました。 そんなふうにして、なんとかみなさんにその生きもののことを伝えたいと思っています。末尾の写真のところにだれの名前があるかちょっと注目していただいたら、舞台裏が想像できておもしろいかもしれません。
いつも楽しく記事を読んでいます。 ほのぼのとしたものから、考えさせられる内容まで幅広く書いていただいているので、とても勉強になっています。 私は無類の動物好きなのですべての範囲の動物たちの情報がここでは見ることができるので、まさにスクール的なこの場所は毎日の日課になっています(^^
これからも動物に関する記事をたくさん教えてください。 ここで記事を読むと私も何か動物たちの助けにならないかと、行動する力がわいてきます。
くまぞうさんへ ご感想ありがとうございます。 飼育係の方たちには「動物が好きで好きでたまらない、担当する動物が子どものようにかわいい」という人もいますし、職人肌で「プロとして一生懸命、飼育技術をみがいている」という方もいらっしゃいます。もちろんどちらか一方に当てはまらない方も多いですが。 それはほかの仕事でも同じだなあ、と感じます。 お勧めの動物園について。どの動物園もがんばっていますというのは、ちょっと八方美人でしょうか?でも、ここに取り上げた動物園や飼育員の方たちは、みなさん本当に一生懸命で魅力がありました。まだ、回っていない動物園のほうが多いので、これからもどんどん紹介していきますね。
オダさま 共同通信の小山鉄郎です。 (34) 「省」のイラストがついていませんでした。 早速、イラストを加えてもらいました。 もうしわけありませんでした。
(34) 「省」 眉飾りつけた目で見回る 今回は、挿絵がないのが残念です。
「生きもの大好き」はとってもたのしい連載ですね。 子どもの時からの動物好きですが、生活に追われて動物園にいくことはなかなかできません。 でもこの記事を読んでいると、じっさいに目の前で動物たちを 見ているような感じがして、ちょっとした遠足気分を味わわせていただいています。 そして飼育係のかたの何気ない言葉が、いつもすごくいいですね! 短い言葉のなかに 動物への愛とやさしさがぎゅっとつまっていて、毎回感じいっています。
もし機会がありましたら、記者さんおすすめの動物園についても おしえていただけたらありがたいです。 旭山動物園ばかりに注目が集まりますが、ほかにもきっと頑張っておられる ところがあるのでは、と思うので・・・。
これからも楽しみです!!!
共同通信の小山鉄郎です。 感想ありがとうございます。 白川静さんの全集をお持ちであるうえに、さらに白川静さんの連続講演『文字講話』のDVDまで全巻セットで購入されたとのこと。たいへんな白川静ファンですね。 私も「文字講話」を実際に何回も聴いたことがありますが、漢字の成り立ちの全体像を話すほんとうに素晴らしい講演でした。 この「文字講話」は大評判となって、会場は全国から訪れる人々でいつもあふれていました。ほとんどがメモを取りながら聴いていて、講演中に白川静さんが紙に書く漢字を読むためにオペラグラス持参で臨む人までいました。 88歳から始めて最後の「文字講話」(年に4回で、全24回)が終わった時には白川静さんは94歳ぐらいだったと思います。白川静さんは、いつも2時間を立ったままで講演していましたし、広い会場が超満員で、椅子がなく床に座ってメモを取る若者たちがいたことがとても印象的に覚えています。 文化勲章受章を祝う会の席上、白川静さんは戦後の文字改革で正しい字形が失われたことについて、「それを正そうと思い、研究を続けてきた」と語っておられました。 私も戦後の文字改革には、根拠の希薄な間違いが多く含まれていると思っています。そういう字形の誤りについても、合理的に伝えられる連載になったらと思っています。 なお指摘のあった、29回目のイラストの差し替えについては、できるだけ急いで行います。 ありがとうございました。(共同通信編集委員 小山鉄郎)
29の「除」のさし絵の間違いを指摘してくださった方へ ご指摘ありがとうございます。 除」のイラストを入れ替えるように、担当に伝えました。 (共同通信編集委員 小山鉄郎)
共同通信の小山鉄郎です。 お返事、遅くなりました。すみません。 47スクール「漢字物語―白川静文字学入門」を読んでくださりありがとうございます。私が書いた『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』を読んでくださったようで、それも感謝いたします。 確かに、漢字楽子さんがおっしゃるように、漢字のもともとの意味、漢字がどのようにして、その字形となったかという「字源」の説明は、いろいろな字書によって異なりますね。 漢字楽子さんに対するお答え、かなり長文になるかもしれませんが、白川静文字学の中心的な問題に触れた感想でもありますので、ご寛恕ください。少し詳しく説明したいと思います。 この字源の字書については、後漢の許慎という人が紀元百年ぐらいに書いた『説文解字』が代表的なものです。この『説文解字』は漢字の成り立ちを体系的に説明したもので、漢字の聖典と呼ばれるほどの字書です。近年まで、日本の漢和辞典の各文字の説明も、この『説文解字』に従って説明しているものがほとんどでした。 でも十九世紀末に中国で地中から甲骨文字が発掘され、その研究が進むと『説文解字』には多くの間違いがあることが分かってきたのです。 許慎が生きた時代には漢字の原形である、その甲骨文字や青銅器に鋳込んだ文字・金文などの古代文字が地中に埋もれていたため、漢字誕生時の姿を理解しないまま、許慎が漢字を体系化したためでした。 この甲骨文字や金文などの精密な研究から『説文解字』の間違いを正し、新しい漢字の体系を作り上げたのが、漢字学者の白川静さんです。 その最も代表的な業績の一つが漢字楽子さんが書いてくれた「口」についての解釈だと言われています。つまり白川静さんは「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」として、「口」の字形がある漢字を体系化したのです。 でも漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では、「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあり、この違いをどう考えたらいいのかとの質問ですね。 私の考えを記す前に、共同通信社に置いてある大きな漢字辞典は、この「口」をどう説明しているのか、その点をちょっと紹介、字源の説明を列挙してみたいと思います。 ①まず許慎の『説文解字』は「人の言食する所以(ゆえん)なり」(人所以言食也)として、「くち」の象形文字としています。 ②上田万年ら編著『講談社新大字典』(この「新大字典」は1993年ですが、基になった「大字典」は1917年)も同じように「くちの形に象る」としています。 ③諸橋「大漢和」と呼ばれる諸橋轍次著『大漢和辞典』(大修館書店、1966年)は「口の形に象る」としています。 ④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』(2005年、基になった「学研漢和大辞典」は1978年)「人間のくちやあなを描いたもの」です。 ⑤山田勝美ら編著『角川大字源』(1992年)は「人間の開かれたくちを、真正面から見たさまにかたどる」です。 ⑥また加藤常賢、山田勝美、進藤英幸著『角川 字源辞典 第二版』では「くちの形。ものの穴のこと」です。 ⑦鎌田正、米山寅太郎著『大漢語林』(大修館書店、1992年)は「くちの象形で、くちの意味を表す」です。 以上のようになっていますが、その多くが、『説文解字』にしたがっていると考えていいのではないでしょうか。 それらと比べると「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」とした白川静さんの解釈が、ずいぶん異なっていることがよくわかると思います。 また漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあるそうですが(私はまだこの辞書に当たっていません)、以上のような字典の「口」の解釈と比べて見ると、むしろ『現代漢和辞典初版』は、白川静さんの解釈にも近い考え方をしていると思います。 さてそこで、白川静さんの説明を採用するか、それとも他の字書の編纂者の説明を採用するかという問題です。 その時に一番大切な点は、例えば、この「口」という字を説明することで、この「口」に関係した一連の漢字を体系的に関係づけて説明することができるかという点です。 一つの漢字は説明できても、他の漢字についても、同様に説明できなければ、体系的とは言えません。そしてほんとうに体系的な解釈と説明であれば、一つの説明で、関連する文字が次々に芋蔓式にわかるはずです。 そのことを、この第6回「漢字物語―白川静文字学入門」にある「器」という文字を通して考えてみたいと思います。 ホームページで紹介しているように、この器の旧字体は「大」の部分を「犬」にした字形です。つまり「器」は「口」が4つと「犬」でできた漢字でした。 白川静さんの説では、「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞(のりと)をいれる器です。「器」という字には4つの「口」がありますが、それらたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」の旧字体です。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使った、というのが白川静さんの字説です。 この説明は「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。 他の字源の説明では、「口」の説明の延長上に「器」という漢字をどう説明しているでしょうか? これを列挙してみましょう。 例えば①『説文解字』では「皿なり。器の口に象る。犬はこれを守らしむる所以なり」(皿也象器之口犬所以守之)として、器の口としています。 ②『講談社新大字典』は4つの口の部分を「皿の形」として、それと「犬」を合わせた字としています。「説文」では犬がこれを守る義とする。「漢字原理」では、犬は犬肉をさし、上古の常食。すなわち、多くの皿に犬肉を盛った義で、器の本義は皿、転じて道具、うつわの義となると記す、という説を紹介しています。 ③『大漢和辞典』では4つの口の部分を「うつはの口の形に象る」としています。うつはとこれを守る犬を合わせて、うつはの意とし、さらに『講談社新大字典』にある犬は犬肉、多くの皿に犬肉を盛ったというような説もあることを紹介しています。 ④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』は「さまざまな容器を示す。犬は種類の多いものの代表として加えた」としています。 ⑤山田勝美ら編著『角川大字源』では「犬と多くのくちから成る」とし「犬が夏の季節に口を開けて(口中を空にして)呼吸する意。のち、口の開いた物を盛るもの、『うつわ』の意に用いる」とあります。同じ山田勝美が著者に加わっている⑥『角川 字源辞典 第二版』も同様に「犬とたくさんの口との会意」とし「犬が夏期に口を開けて呼吸する意」を記しています。 ⑦『大漢語林』では4つの口は「祭器の並べられた形にかたどる。「犬」は、いけにえのいぬの意味。祭りに用いられるうつわのさまから、一般に、うつわの意味を表す」としています。 列挙してみると、これらは皆、バラバラですね。 やはり大修館書店の『大漢語林』だけが、白川静さんの説に近いものを感じさせますが、『大漢語林』の「口」の解釈は「くちの象形で、くちの意味を表す」でした。その「くちの象形」の「口」が4つ集まるとなぜ「祭器の並べられた形にかたどる」になるのか、その関連性は不明確です。 それぞれの「口」と「器」の説明をセットで読んでください。「口」の説明の延長上に「器」の説明が、ぴったりと理解できますか? このように文字の説明は、一つの文字を説明できるだけでなく、関連する文字を広く統一的、体系的に説明できるものでなくてはいけません。 白川静さんの「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞をいれる器。「器」に4つある「口」は、神への祝詞をいれるたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使ったという説明ならば、「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。 それに加えて、古代中国ではいろいろな機会に「犬」がいけにえとして使われましたが、その「犬」を含む字形に対しても、白川静さんの説は確固とした体系性を持っています。私の知る限りでは、白川静さんの漢字学が最も広くしっかりした体系を持っていると思っています。それは甲骨文字や金文などの研究から、実証的でもありますし、かつ豊かで広い体系を持っていると思っているのです。 この「漢字物語―白川静文字学入門」は毎回、4つの漢字を例に挙げて、その4つの文字はそれぞれに関連するものを持っていて、1つの漢字が理解できれば、他の文字がいっぺんに理解できるように書いています。その1つの漢字が分かれば、他の関連する漢字が分かるというのが漢字の体系性ということです。 なお2007年に刊行された『新潮日本語漢字辞典』(新潮社)は、すべて白川静さんの字説を採用して、文字の字源説明をしていることを記しておきたいと思います。 さらにいくつか補足しておきますと、許慎の書いた『説文解字』は確かに間違いが多いのですが、でも素晴らしいのは「漢字には、それを成立させている体系がある」ということを初めて明らかにしたことです。このことは許慎の偉大な業績です。 1900年ぐらい前の人である許慎は漢字のルーツである甲骨文字を知らなかったと思われますが、何しろ漢字の誕生は今から3200年も以前のものです、そんなに古い時代に生まれた漢字ですから、白川静さんの研究も完全無欠、パーフェクトということはないでしょう。白川静さんも正当な批判は望むところだったと思います。 漢字の成り立ちについての説明に対して考える最も大切なことは、その説明がどれだけ広い普遍的な妥当性を持っているかという点が第1点だと思います。限られたある文字や文字群だけを説明できるものであってはいけないということです。 そして2つ目は、今わかっている甲骨文字や金文、さらに篆文などの漢字の古代文字の研究からみても、ちゃんとした実証性を持っているという点が大切だと思います。 その2点は白川静さんが体系的な漢字学というものに対して抱いたいたものだと考えています。私は漢字の研究者ではなく、白川静さんの研究によって、漢字の面白さに魅了されている記者にすぎませんが、繰り返し白川静さんを取材する機会があって、文字学の大切な点はその2点であることを白川静さんから学びました。 さて、漢字を学ぶことは、漢字を覚えるだけでなく、漢字を通して、中国の文化、そして漢字をとり入れた日本の文化、さらに中国と日本の文化との関係、東洋の持つ可能性というものを考えるきっかけになります。白川静さんは単なる漢字学者ではなくて、そういう問題を考え続けていた実にスケールの大きな人でした。 漢字楽子さん。できましたら、ぜひ『常用字解』も手元に置いて、白川静さんの文字学の世界に触れていただけたらと思います。何より、漢字を学ぶことが楽しくなりますよ。 とても長いお答えとなりました。おゆるしください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎)
ご感想、ありがとうございます。 共同通信の小山鉄郎です。 お返事がこんなに遅くなってしまい、すみません。
漢字や土地の読み方については、このNIEのページは難しい字にはすべて読みを入れるようにしています。漢字は小学生から、父母、祖父祖母まで一緒に楽しめる珍しいものですので、小学生にもちゃんと読めるように小学校で学習する教育漢字以外はすべて読み振っています。 著書についてのアドバイスありがとうございます。ちゃんとリンクをつけて、購入しやすくいたしました。 白川静さんの漢字学の総合的な字書である『字通』については、PC用の辞書CD-ROM版『字通』が発売されています。たしか1万5、6千円ぐらいだったと思いますが、ネットなどで調べてください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎)
丁度、白川先生の講義の様子を残したDVDを全巻セットで購入したばかりでした。著作は、勿論全集をそろえていますが、手に取る重さもなかなかなものです。今回のように、初学の人にもわかりやすく、イラストを交えてあげて下さっているのは、非常に素晴らしいと思います。指摘のあった、29回目のイラストの差し替えは、できるだけ急いで行っていただきたいと思います。 漢字の持つ元来の意味から、長い年月を経て、また、広い国土のゆえに、色々な差異も生じてきていることに思いを馳せます。 また、黄河流域の文明とは別に、明らかになりつつある長江流域の1000年先行する文明を思うとき、漢字の持つ奥行きの深さを思わずには居られません。初めて京都の博物館で巨大な青銅の顔の飛び出した瞳をこの目で見たとき、「蜀」の文字の意味を考えたものでした。 文字の形の持つ本来の意味を無視して、字形を勝手に変更した人々の愚かさは、この国のことだけではありません。本来の形が複雑でも、そのほうが覚え易く読みやすいということを考えなかった先人を恨めしく思います。 このたびは、素敵な企画をありがとうございました。
Darth Yumiさま 「生きもの大好き」について、ご感想ありがとうございます。これからもいろいろな動物園や水族館に行って、楽しい話を聞いて来ようと思っています。写真もがんばります。個別の記事についても、ご意見やご感想をいただけたら、うれしいです。
あなごさま 生きものはそれぞれかけがえがないけれど、中でもゾウは特別というか、魅力的な生きものだと取材する中で知りました。しばらくしたらアフリカゾウも取り上げます。
29の「除」のさし絵が、28の「胸」のままになっています。 「除」のさし絵に直してほしいです。
47スクールのような興味深いHPを有難うございます。
私は「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」を拝読し、疑問点がでてきたのでネット検索をしたところ、 この47スクールに出会ったところです。未だ疑問は解決しないので、もしお差支えなければ教えてほしいのです。
疑問:白川さんの記述と漢和辞典における記述の違いはどう理解したら良いですか?
(例)右という漢字
文中に(「口」は耳口の「くち」ではなくて、神様へのお祝いの祝詞(のりと)をいれる器の形です。「口」の字形が「くち」ではなくて、祝詞を入れる器「サイ」であることを明らかにしたのが、白川さんの漢字学の最大の発見であると言われています。)とありますが、
辞書では(「口」は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す。)とあります。 大修館書店 現代漢和辞典 初版第8刷 2005年4月1日発行 による。
つまり、漢和辞典の記述は古く間違ったものでしょうか? 白川さんをはじめ多くの研究者の方々の解字に敬意を表するとともに、 一素人(漢検1・2級を合格する事を最終目標にしている社会人)が漢字学習においてどう調べ理解すると効率的で有意義であるかを考えているのでご意見伺えれば幸いです。
ちなみに、本屋さんで「常用字解」 白川 静 (著)を見ました。とても興味深く購入も考えましたが 漢和辞典的説明も一度に調べられると利便性に富み、学習もはかどります。
お忙しいところ恐縮ですが、是非ご意見をお聞かせください。
「生きもの大好き」の掲載が、とてもありがたいです! トリビアに留まらず、大切なことをたくさん教えられ、感激です。 自分のサイトの日記で他の人にも紹介させていただこうと思います。
ゾウさんがかわいい。
小学校で教えてくれれば、いいのだが? 漢字は、読み方がいっぱい有り読みを 表記していない新聞、ニュースばかり、 最近は、韓国でも漢字表記(実験)の 学校もある。中国おかげで、日本でも 漢字使ってるが、簡体字でわからん。 台湾は、繁体字なので、まだ良い。
新聞で、地名、個人名とかは、 読み(ルビ)振ってほしいな~~ 北海道の地名は、特に分からない。
著書の紹介はちゃんと、リンクを張って 購入しやすくしてほしい。
PC用のソフトがあればいいな。
ありがとうございます。
共同通信・編集委員の小山鉄郎です。
これからも、漢字の成り立ちについて
だれにもわかるように紹介していきたいと思います。
白川静さんの文字学を通して
漢字に興味を持ってくれたら、うれしいです。
とても、分かりやすくて、漢字の意味を調べてきて、
先生にほめられたので、役に立ちます
のっち様
「漢字物語」を読んでいただきありがとうございます。
さてご指摘いただいた「友」の件ですが、確かに現代の筆順からすると、のっちさんの言う通りですね。
「47スクール」の文章の中で、そこまで詳しく紹介しませんでしたが、同じ「手」の字形でも、厳密に言うと「又」は「ゆう」と読んで「右」の元の字形で、「右手」のことです。
「ナ」は「さ」と読んで「左」の元の字形で、「左手」のことです。(厳密に言うと「右」の「ナ」の部分は古代文字の「又」が変化していった字形ということになりますね)
ですから「友」が「ナ」(さ)と「又」(ゆう)を合わせた字形ですと、のっちさんの言うように、左手と右手で『手に手を取って』いるほうが合っていると思います。確かに、その通りです。
でも古代文字である甲骨文字や金文の「友」を見てもを「左右の手」を合わせたような字形ではなくて、「右手」を二つ重ね合わせた字形に書かれているのです。白川静さんの字書『常用字解』にも「又と又を組み合わせた字形」と記してあります。「友」のイラストは、その古代文字の字形や『常用字解』の説明を反映して描いたものです。
ここで説明したことをちゃんと書ければよかったのですが、行数などスペースの関係でできませんでした。もうしわけありません。
それから古代文字が生まれた時代は、今の時代と筆記用具が異なりますから、文字の筆順というのはよく分かっていないのです。
最古の漢字である甲骨文字は亀の甲羅や牛などの肩胛骨に刻まれた文字ですし、金文は青銅器に鋳込まれたか、または刻まれた文字ですから、どういう順で文字を記したかがはっきりとは分かっていないのです。
でも、のっちさんの質問を読んで、さらに丁寧に文字を紹介しなくてはいけないと思いました。のっちさんの疑問は現代人として当然のことで、細かいことでも実際の読者のかたが疑問を感じる紹介では、不十分なところがあるということです。より丁寧な説明に努めますので、引き続き、ご愛読ください。
それに、白川静さんの体系的な漢字学の世界は実に分かりやすくて、素晴らしいものなので、ぜひ白川静さんの著作や『常用字解』などの字書を読んでいただけたらと思います。
はじめまして。
漢字物語、楽しく読ませていただきました。
さて、ひとつ気になったことが。
1つめの友の成り立ちですが、
手と手を合わせてと有りますが、
イラストを見ると、右手と右手を合わせているように思います。
友の書き順を見ると、1画目が左と同じ横棒から。
これは左手と右手で『手に手を取って』いるほうが自然に思えるのですがいかがでしょうか?
チョット気になっただけですが。。
mikawoさま
お返事遅れました。感想ありがとうございました。
これからもいろいろな生きものの話を書いていきます。どうかご愛読くださいますよう。
で、終わってはせっかく感想をいただいたのに、何だか味も素っ気もありませんね。
そこで、この連載で一番苦労していることをお話しします。それは写真なのです。やはりハッとするような姿形や色で、みんさんの目を引きたいと思うのですが、特に小さくて弱い生きものは目立たない方がいいようで、けっして写真うつりがいいとはいえません。飼育員の方にせっかく楽しい話をうかがえても、写真がだめで記事にできないケースもありました。
最近ではカイツブリのときに、写真専門の先輩にたのんだり、シーラカンスでは水族館に提供をお願いしたりしました。
そんなふうにして、なんとかみなさんにその生きもののことを伝えたいと思っています。末尾の写真のところにだれの名前があるかちょっと注目していただいたら、舞台裏が想像できておもしろいかもしれません。
いつも楽しく記事を読んでいます。
ほのぼのとしたものから、考えさせられる内容まで幅広く書いていただいているので、とても勉強になっています。
私は無類の動物好きなのですべての範囲の動物たちの情報がここでは見ることができるので、まさにスクール的なこの場所は毎日の日課になっています(^^
これからも動物に関する記事をたくさん教えてください。
ここで記事を読むと私も何か動物たちの助けにならないかと、行動する力がわいてきます。
くまぞうさんへ
ご感想ありがとうございます。
飼育係の方たちには「動物が好きで好きでたまらない、担当する動物が子どものようにかわいい」という人もいますし、職人肌で「プロとして一生懸命、飼育技術をみがいている」という方もいらっしゃいます。もちろんどちらか一方に当てはまらない方も多いですが。
それはほかの仕事でも同じだなあ、と感じます。
お勧めの動物園について。どの動物園もがんばっていますというのは、ちょっと八方美人でしょうか?でも、ここに取り上げた動物園や飼育員の方たちは、みなさん本当に一生懸命で魅力がありました。まだ、回っていない動物園のほうが多いので、これからもどんどん紹介していきますね。
オダさま
共同通信の小山鉄郎です。
(34) 「省」のイラストがついていませんでした。
早速、イラストを加えてもらいました。
もうしわけありませんでした。
(34) 「省」 眉飾りつけた目で見回る
今回は、挿絵がないのが残念です。
「生きもの大好き」はとってもたのしい連載ですね。
子どもの時からの動物好きですが、生活に追われて動物園にいくことはなかなかできません。
でもこの記事を読んでいると、じっさいに目の前で動物たちを
見ているような感じがして、ちょっとした遠足気分を味わわせていただいています。
そして飼育係のかたの何気ない言葉が、いつもすごくいいですね! 短い言葉のなかに
動物への愛とやさしさがぎゅっとつまっていて、毎回感じいっています。
もし機会がありましたら、記者さんおすすめの動物園についても
おしえていただけたらありがたいです。
旭山動物園ばかりに注目が集まりますが、ほかにもきっと頑張っておられる
ところがあるのでは、と思うので・・・。
これからも楽しみです!!!
共同通信の小山鉄郎です。
感想ありがとうございます。
白川静さんの全集をお持ちであるうえに、さらに白川静さんの連続講演『文字講話』のDVDまで全巻セットで購入されたとのこと。たいへんな白川静ファンですね。
私も「文字講話」を実際に何回も聴いたことがありますが、漢字の成り立ちの全体像を話すほんとうに素晴らしい講演でした。
この「文字講話」は大評判となって、会場は全国から訪れる人々でいつもあふれていました。ほとんどがメモを取りながら聴いていて、講演中に白川静さんが紙に書く漢字を読むためにオペラグラス持参で臨む人までいました。
88歳から始めて最後の「文字講話」(年に4回で、全24回)が終わった時には白川静さんは94歳ぐらいだったと思います。白川静さんは、いつも2時間を立ったままで講演していましたし、広い会場が超満員で、椅子がなく床に座ってメモを取る若者たちがいたことがとても印象的に覚えています。
文化勲章受章を祝う会の席上、白川静さんは戦後の文字改革で正しい字形が失われたことについて、「それを正そうと思い、研究を続けてきた」と語っておられました。
私も戦後の文字改革には、根拠の希薄な間違いが多く含まれていると思っています。そういう字形の誤りについても、合理的に伝えられる連載になったらと思っています。
なお指摘のあった、29回目のイラストの差し替えについては、できるだけ急いで行います。
ありがとうございました。(共同通信編集委員 小山鉄郎)
29の「除」のさし絵の間違いを指摘してくださった方へ
ご指摘ありがとうございます。
除」のイラストを入れ替えるように、担当に伝えました。
(共同通信編集委員 小山鉄郎)
共同通信の小山鉄郎です。
お返事、遅くなりました。すみません。
47スクール「漢字物語―白川静文字学入門」を読んでくださりありがとうございます。私が書いた『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』を読んでくださったようで、それも感謝いたします。
確かに、漢字楽子さんがおっしゃるように、漢字のもともとの意味、漢字がどのようにして、その字形となったかという「字源」の説明は、いろいろな字書によって異なりますね。
漢字楽子さんに対するお答え、かなり長文になるかもしれませんが、白川静文字学の中心的な問題に触れた感想でもありますので、ご寛恕ください。少し詳しく説明したいと思います。
この字源の字書については、後漢の許慎という人が紀元百年ぐらいに書いた『説文解字』が代表的なものです。この『説文解字』は漢字の成り立ちを体系的に説明したもので、漢字の聖典と呼ばれるほどの字書です。近年まで、日本の漢和辞典の各文字の説明も、この『説文解字』に従って説明しているものがほとんどでした。
でも十九世紀末に中国で地中から甲骨文字が発掘され、その研究が進むと『説文解字』には多くの間違いがあることが分かってきたのです。
許慎が生きた時代には漢字の原形である、その甲骨文字や青銅器に鋳込んだ文字・金文などの古代文字が地中に埋もれていたため、漢字誕生時の姿を理解しないまま、許慎が漢字を体系化したためでした。
この甲骨文字や金文などの精密な研究から『説文解字』の間違いを正し、新しい漢字の体系を作り上げたのが、漢字学者の白川静さんです。
その最も代表的な業績の一つが漢字楽子さんが書いてくれた「口」についての解釈だと言われています。つまり白川静さんは「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」として、「口」の字形がある漢字を体系化したのです。
でも漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では、「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあり、この違いをどう考えたらいいのかとの質問ですね。
私の考えを記す前に、共同通信社に置いてある大きな漢字辞典は、この「口」をどう説明しているのか、その点をちょっと紹介、字源の説明を列挙してみたいと思います。
①まず許慎の『説文解字』は「人の言食する所以(ゆえん)なり」(人所以言食也)として、「くち」の象形文字としています。
②上田万年ら編著『講談社新大字典』(この「新大字典」は1993年ですが、基になった「大字典」は1917年)も同じように「くちの形に象る」としています。
③諸橋「大漢和」と呼ばれる諸橋轍次著『大漢和辞典』(大修館書店、1966年)は「口の形に象る」としています。
④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』(2005年、基になった「学研漢和大辞典」は1978年)「人間のくちやあなを描いたもの」です。
⑤山田勝美ら編著『角川大字源』(1992年)は「人間の開かれたくちを、真正面から見たさまにかたどる」です。
⑥また加藤常賢、山田勝美、進藤英幸著『角川 字源辞典 第二版』では「くちの形。ものの穴のこと」です。
⑦鎌田正、米山寅太郎著『大漢語林』(大修館書店、1992年)は「くちの象形で、くちの意味を表す」です。
以上のようになっていますが、その多くが、『説文解字』にしたがっていると考えていいのではないでしょうか。
それらと比べると「口」を耳口の「くち」ではなくて、神への祝詞を入れる器である「サイ」とした白川静さんの解釈が、ずいぶん異なっていることがよくわかると思います。
また漢字楽子さんがお持ちの『現代漢和辞典初版』(第8刷・大修館書店)では「『口』は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す」とあるそうですが(私はまだこの辞書に当たっていません)、以上のような字典の「口」の解釈と比べて見ると、むしろ『現代漢和辞典初版』は、白川静さんの解釈にも近い考え方をしていると思います。
さてそこで、白川静さんの説明を採用するか、それとも他の字書の編纂者の説明を採用するかという問題です。
その時に一番大切な点は、例えば、この「口」という字を説明することで、この「口」に関係した一連の漢字を体系的に関係づけて説明することができるかという点です。
一つの漢字は説明できても、他の漢字についても、同様に説明できなければ、体系的とは言えません。そしてほんとうに体系的な解釈と説明であれば、一つの説明で、関連する文字が次々に芋蔓式にわかるはずです。
そのことを、この第6回「漢字物語―白川静文字学入門」にある「器」という文字を通して考えてみたいと思います。
ホームページで紹介しているように、この器の旧字体は「大」の部分を「犬」にした字形です。つまり「器」は「口」が4つと「犬」でできた漢字でした。
白川静さんの説では、「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞(のりと)をいれる器です。「器」という字には4つの「口」がありますが、それらたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」の旧字体です。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使った、というのが白川静さんの字説です。
この説明は「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。
他の字源の説明では、「口」の説明の延長上に「器」という漢字をどう説明しているでしょうか? これを列挙してみましょう。
例えば①『説文解字』では「皿なり。器の口に象る。犬はこれを守らしむる所以なり」(皿也象器之口犬所以守之)として、器の口としています。
②『講談社新大字典』は4つの口の部分を「皿の形」として、それと「犬」を合わせた字としています。「説文」では犬がこれを守る義とする。「漢字原理」では、犬は犬肉をさし、上古の常食。すなわち、多くの皿に犬肉を盛った義で、器の本義は皿、転じて道具、うつわの義となると記す、という説を紹介しています。
③『大漢和辞典』では4つの口の部分を「うつはの口の形に象る」としています。うつはとこれを守る犬を合わせて、うつはの意とし、さらに『講談社新大字典』にある犬は犬肉、多くの皿に犬肉を盛ったというような説もあることを紹介しています。
④藤堂明保・加納喜光編著『学研新漢和大辞典』は「さまざまな容器を示す。犬は種類の多いものの代表として加えた」としています。
⑤山田勝美ら編著『角川大字源』では「犬と多くのくちから成る」とし「犬が夏の季節に口を開けて(口中を空にして)呼吸する意。のち、口の開いた物を盛るもの、『うつわ』の意に用いる」とあります。同じ山田勝美が著者に加わっている⑥『角川 字源辞典 第二版』も同様に「犬とたくさんの口との会意」とし「犬が夏期に口を開けて呼吸する意」を記しています。
⑦『大漢語林』では4つの口は「祭器の並べられた形にかたどる。「犬」は、いけにえのいぬの意味。祭りに用いられるうつわのさまから、一般に、うつわの意味を表す」としています。
列挙してみると、これらは皆、バラバラですね。
やはり大修館書店の『大漢語林』だけが、白川静さんの説に近いものを感じさせますが、『大漢語林』の「口」の解釈は「くちの象形で、くちの意味を表す」でした。その「くちの象形」の「口」が4つ集まるとなぜ「祭器の並べられた形にかたどる」になるのか、その関連性は不明確です。
それぞれの「口」と「器」の説明をセットで読んでください。「口」の説明の延長上に「器」の説明が、ぴったりと理解できますか?
このように文字の説明は、一つの文字を説明できるだけでなく、関連する文字を広く統一的、体系的に説明できるものでなくてはいけません。
白川静さんの「口」は耳口の「くち」でなく、神様への祈りの祝詞をいれる器。「器」に4つある「口」は、神への祝詞をいれるたくさんの器に、いけにえの犬をささげ、お祓いをする字が「器」。器はお祭りに使うためのものでしたから、お祓いをして使ったという説明ならば、「口」が神様への祈りの祝詞をいれる器「サイ」だという説明から、「器」という字をそのまま理解することができます。
それに加えて、古代中国ではいろいろな機会に「犬」がいけにえとして使われましたが、その「犬」を含む字形に対しても、白川静さんの説は確固とした体系性を持っています。私の知る限りでは、白川静さんの漢字学が最も広くしっかりした体系を持っていると思っています。それは甲骨文字や金文などの研究から、実証的でもありますし、かつ豊かで広い体系を持っていると思っているのです。
この「漢字物語―白川静文字学入門」は毎回、4つの漢字を例に挙げて、その4つの文字はそれぞれに関連するものを持っていて、1つの漢字が理解できれば、他の文字がいっぺんに理解できるように書いています。その1つの漢字が分かれば、他の関連する漢字が分かるというのが漢字の体系性ということです。
なお2007年に刊行された『新潮日本語漢字辞典』(新潮社)は、すべて白川静さんの字説を採用して、文字の字源説明をしていることを記しておきたいと思います。
さらにいくつか補足しておきますと、許慎の書いた『説文解字』は確かに間違いが多いのですが、でも素晴らしいのは「漢字には、それを成立させている体系がある」ということを初めて明らかにしたことです。このことは許慎の偉大な業績です。
1900年ぐらい前の人である許慎は漢字のルーツである甲骨文字を知らなかったと思われますが、何しろ漢字の誕生は今から3200年も以前のものです、そんなに古い時代に生まれた漢字ですから、白川静さんの研究も完全無欠、パーフェクトということはないでしょう。白川静さんも正当な批判は望むところだったと思います。
漢字の成り立ちについての説明に対して考える最も大切なことは、その説明がどれだけ広い普遍的な妥当性を持っているかという点が第1点だと思います。限られたある文字や文字群だけを説明できるものであってはいけないということです。
そして2つ目は、今わかっている甲骨文字や金文、さらに篆文などの漢字の古代文字の研究からみても、ちゃんとした実証性を持っているという点が大切だと思います。
その2点は白川静さんが体系的な漢字学というものに対して抱いたいたものだと考えています。私は漢字の研究者ではなく、白川静さんの研究によって、漢字の面白さに魅了されている記者にすぎませんが、繰り返し白川静さんを取材する機会があって、文字学の大切な点はその2点であることを白川静さんから学びました。
さて、漢字を学ぶことは、漢字を覚えるだけでなく、漢字を通して、中国の文化、そして漢字をとり入れた日本の文化、さらに中国と日本の文化との関係、東洋の持つ可能性というものを考えるきっかけになります。白川静さんは単なる漢字学者ではなくて、そういう問題を考え続けていた実にスケールの大きな人でした。
漢字楽子さん。できましたら、ぜひ『常用字解』も手元に置いて、白川静さんの文字学の世界に触れていただけたらと思います。何より、漢字を学ぶことが楽しくなりますよ。
とても長いお答えとなりました。おゆるしください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎)
ご感想、ありがとうございます。
共同通信の小山鉄郎です。
お返事がこんなに遅くなってしまい、すみません。
漢字や土地の読み方については、このNIEのページは難しい字にはすべて読みを入れるようにしています。漢字は小学生から、父母、祖父祖母まで一緒に楽しめる珍しいものですので、小学生にもちゃんと読めるように小学校で学習する教育漢字以外はすべて読み振っています。
著書についてのアドバイスありがとうございます。ちゃんとリンクをつけて、購入しやすくいたしました。
白川静さんの漢字学の総合的な字書である『字通』については、PC用の辞書CD-ROM版『字通』が発売されています。たしか1万5、6千円ぐらいだったと思いますが、ネットなどで調べてください。(共同通信社編集委員・小山鉄郎)
丁度、白川先生の講義の様子を残したDVDを全巻セットで購入したばかりでした。著作は、勿論全集をそろえていますが、手に取る重さもなかなかなものです。今回のように、初学の人にもわかりやすく、イラストを交えてあげて下さっているのは、非常に素晴らしいと思います。指摘のあった、29回目のイラストの差し替えは、できるだけ急いで行っていただきたいと思います。
漢字の持つ元来の意味から、長い年月を経て、また、広い国土のゆえに、色々な差異も生じてきていることに思いを馳せます。
また、黄河流域の文明とは別に、明らかになりつつある長江流域の1000年先行する文明を思うとき、漢字の持つ奥行きの深さを思わずには居られません。初めて京都の博物館で巨大な青銅の顔の飛び出した瞳をこの目で見たとき、「蜀」の文字の意味を考えたものでした。
文字の形の持つ本来の意味を無視して、字形を勝手に変更した人々の愚かさは、この国のことだけではありません。本来の形が複雑でも、そのほうが覚え易く読みやすいということを考えなかった先人を恨めしく思います。
このたびは、素敵な企画をありがとうございました。
Darth Yumiさま
「生きもの大好き」について、ご感想ありがとうございます。これからもいろいろな動物園や水族館に行って、楽しい話を聞いて来ようと思っています。写真もがんばります。個別の記事についても、ご意見やご感想をいただけたら、うれしいです。
あなごさま
生きものはそれぞれかけがえがないけれど、中でもゾウは特別というか、魅力的な生きものだと取材する中で知りました。しばらくしたらアフリカゾウも取り上げます。
29の「除」のさし絵が、28の「胸」のままになっています。
「除」のさし絵に直してほしいです。
47スクールのような興味深いHPを有難うございます。
私は「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」を拝読し、疑問点がでてきたのでネット検索をしたところ、
この47スクールに出会ったところです。未だ疑問は解決しないので、もしお差支えなければ教えてほしいのです。
疑問:白川さんの記述と漢和辞典における記述の違いはどう理解したら良いですか?
(例)右という漢字
文中に(「口」は耳口の「くち」ではなくて、神様へのお祝いの祝詞(のりと)をいれる器の形です。「口」の字形が「くち」ではなくて、祝詞を入れる器「サイ」であることを明らかにしたのが、白川さんの漢字学の最大の発見であると言われています。)とありますが、
辞書では(「口」は祈りの言葉。神が手を延べ人を助けるの意味を表す。)とあります。
大修館書店 現代漢和辞典 初版第8刷 2005年4月1日発行 による。
つまり、漢和辞典の記述は古く間違ったものでしょうか?
白川さんをはじめ多くの研究者の方々の解字に敬意を表するとともに、
一素人(漢検1・2級を合格する事を最終目標にしている社会人)が漢字学習においてどう調べ理解すると効率的で有意義であるかを考えているのでご意見伺えれば幸いです。
ちなみに、本屋さんで「常用字解」 白川 静 (著)を見ました。とても興味深く購入も考えましたが
漢和辞典的説明も一度に調べられると利便性に富み、学習もはかどります。
お忙しいところ恐縮ですが、是非ご意見をお聞かせください。
「生きもの大好き」の掲載が、とてもありがたいです!
トリビアに留まらず、大切なことをたくさん教えられ、感激です。
自分のサイトの日記で他の人にも紹介させていただこうと思います。
ゾウさんがかわいい。
小学校で教えてくれれば、いいのだが?
漢字は、読み方がいっぱい有り読みを
表記していない新聞、ニュースばかり、
最近は、韓国でも漢字表記(実験)の
学校もある。中国おかげで、日本でも
漢字使ってるが、簡体字でわからん。
台湾は、繁体字なので、まだ良い。
新聞で、地名、個人名とかは、
読み(ルビ)振ってほしいな~~
北海道の地名は、特に分からない。
著書の紹介はちゃんと、リンクを張って
購入しやすくしてほしい。
PC用のソフトがあればいいな。