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三つの宇宙兄弟

 小山宙哉さんの人気漫画「宇宙兄弟」がテレビアニメになり、実写映画化された。映画プロデューサー臼井央さん、アニメプロデューサー永井幸治さん、漫画編集者佐渡島庸平さんが作品の魅力を語り合い、「表現する」ことで人を感動させる喜びについて若い読者へメッセージを送る。

佐渡島 庸平さん

永井 幸治さん

臼井 央さん

さどしま・ようへい  講談社モーニング編集部編集者。79年神戸市生まれ。漫画「ドラゴン桜」「バガボンド」などを担当。

ながい・こうじ  読売テレビ放送アニメ事業部プロデューサー。69年神戸市生まれ。アニメ「結界師」「ヤッターマン」などをプロデュース。

うすい・ひさし  東宝映画企画部プロデューサー。78年静岡県富士宮市生まれ。プロデュース作に「岳―ガク―」「僕等がいた 前篇・後篇」など。

宇宙舞台の人間ドラマ

「表現する」喜びって?三つの宇宙兄弟

ロケット

元気に、前向きに

臼井 この作品は邦画であまり扱われてこなかった宇宙が舞台。NASA(米航空宇宙局)で宇宙飛行士を目指すワクワクさせるドラマです。

永井 アニメは映画のような時間の制約がないのが強み。原作の「ここ泣けるよね」というところをじっくりと見せていきます。実写にも負けない迫力も再現したい。

佐渡島 「宇宙兄弟」の魅力は「読むと元気になる」こと。誰かが死んだとか、悲しいことで泣かせるエピソードがあまり無いんですよ。登場人物たちが「より頑張ろう」と前を向く流れの中で、読者を感動させるところがいいなと思います。作品の魅力が映画、アニメでも表現されていますよね。

臼井 人間ドラマだけではありません。

矢印「宇宙兄弟」単行本の表紙。弟の日々人(左)と兄の六太

「宇宙兄弟」単行本の表紙。弟の日々人(左)と兄の六太

ロケットや宇宙空間、月面を表現するCGにも絶対の自信があります。ダイナミックな映像と音を、映画館で体感してください。

永井 15年後「アニメを見て宇宙飛行士を目指しました」と言ってくれる視聴者が出てくれるような作品にしたい。

感動さえる喜び

臼井 自分にとってプロデューサーの仕事は、自分が面白いと思う企画を見つけてきて、エンターテインメントをどう作るかなんです。笑ったり、泣いたり、お客さんが感情を動かしてくれることが喜びです。

永井 映画はお客さんの顔が直接見られるところがうらやましい。やっぱり番組や作品が出来上がったときに幸せな感動があるんですよ。

佐渡島 今の時代、漫画家や小説家を目指すならネットに上げればいいんです。才能があれば勝手に有名になりますよ。編集者の仕事は作家の夢を応援することで、応援するだけじゃなく「こうしたらもっと多くの人に見てもらえるんじゃないか」ってアイデアが自然に湧く人が向いているんじゃないでしょうか。

永井 最近は「これやったらもうかるやん」って方に流れているけど、テレビの存

在意義は「こんな面白いものがあるんだよ」って伝え広めること。広めて後々お金を生むっていうのがマスメディアの力なんやろなと思いますし、そういう作品を作っていかないと。

臼井 華やかに見える業界かもしれませんが、そこだけに目が奪われては、作る側にはなれないのではないか。若い人にはたくさんの作品に触れて、自分も感動を与える側になりたい、と思えるような経験をしてほしい。

宇宙兄弟

小山宙哉さんが漫画週刊誌「モーニング」で連載中。2025年を舞台に、少年時代の夢をかなえ宇宙飛行士になった日々人と、弟の背を追うように宇宙飛行士を目指す六太のドラマ。講談社漫画賞と小学館漫画賞をダブル受賞。アニメは4月1日から日本テレビ系で放送開始。小栗旬、岡田将生主演の映画は5月5日公開。

映画「宇宙兄弟」主演の小栗旬(左)と岡田将生(©2012 SBFP)

矢印映画「宇宙兄弟」主演の小栗旬(左)と岡田将生(©2012 SBFP)

矢印アニメ「宇宙兄弟」のイメージ(©小山宙哉・講談社/読売テレビ・
A―1Pictures)

アニメ「宇宙兄弟」のイメージ(©小山宙哉・講談社/読売テレビ・A―1Pictures)