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ダンスの魅力と迫力描く  「ボールルームへようこそ」竹内友さん 12.13

競技ダンスに魅了された中学生、富士田多々良が主人公。迫力のダンスシーンが話題の「ボールルームへようこそ」を描く女性漫画家竹内友さんに、競技ダンスの魅力を聞いた。

ダンスの魅力と迫力描く  「ボールルームへようこそ」竹内友さん

「ボールルームへようこそ」単行本の表紙

ダンスの魅力と迫力描く  「ボールルームへようこそ」竹内友さん

©竹内友/講談社

竹内友さん自画像

ダンスの魅力と迫力描く  「ボールルームへようこそ」竹内友さん

©竹内友/講談社

主人公・多々良ペアのダンスシーン

なるほど

  漫画は、感動したことを自分なりの解釈で再現したいと思うから描くんです。競技ダンスからたくさんの感動をもらったので、それを形にしているところです。


 美術大学に進学し、漫画家を目指して4年間という時間を有意義に使おうと考えていたんです。ところが、学内で最も厳しい運動部といわれる競技ダンス部で、体をすり減らすように踊っている先輩たちを見て、引き込まれてしまいました。


 ダンサーたちはハードに踊っているのに笑顔を絶やさないし、漫画でもそう表現しています。ダンスはエンターテインメントから出発しているので、見ている人を楽しませているかが採点基準。笑っていなければならない。


 だけど作り笑いではない。自分の体を使って思い通りのラインが描けたとき、電気が流れるような感覚があって、笑わずにはいられない。その瞬間、疲れが吹っ飛んでしまう。まるで満足のいく絵が描けたときのように、やみつきになってしまうんです。


 ダンスとは、観客に自分自身を表現すること。楽しませよう、良い人間であろうと心掛けていることが伝わって評価されるんです。人に見られている、求められているとの意識を持つことで、外面も内面も磨き上げることができる。


 ダンスが中学校で必修授業となりました。「男女が手を取り合って踊るなんて」といった、ちょっと潔癖すぎるところは、子どものころから他人と接点を持とうとしてこないあたりも原因だと思います。ダンスが楽しい、だから人と触れ合うことが楽しいし、すてきなことだというふうになってほしい。


 立ち方ひとつで人の見る目は変わります。姿勢を正す、周りの見る目が変わる、歓声を浴びる、快感を覚えて自信につながる。ダンスが持つ良い循環も強調したいですね。

 

竹内友さん略歴

 たけうち・とも 前橋市出身。大学時代には体育会系の競技ダンス部で活動。2009年、雑誌「月刊少年マガジン」の新人賞を受賞してデビュー。11年から同誌で「ボールルームへようこそ」を連載中。「このマンガがすごい! 2013」オトコ編、9位に選ばれた。第1話執筆時には、根を詰めすぎて13キロもやせてしまったといい、「ダンスもハードだけど、漫画連載もハードです」。

 

社交ダンスと競技ダンス

 音楽に合わせて男女のペアが踊る社交ダンスは、大きく「スタンダード」と「ラテン」に分けられる。スタンダードは、フォーマルな衣装の男女が、互いのボディーにコンタクトしながら優雅に踊り、ラテンは男女が組んだり離れたり、2人のポジションをさまざまに変えるエキサイティングなダンスだ。
 「ボールルーム」とは舞踏室のこと。社交を目的としたダンスは、映画「Shall we ダンス?」などのブームをきっかけに生涯スポーツとして人気が定着した。
 競技ダンスは芸術性とともにスピードや切れを追求。国際的にはダンススポーツと呼ばれ、2010年のアジア大会で正式種目となった。日本ダンススポーツ連盟によると約2万5千人が選手として活動し、15歳以下のジュニアも約千人いる。

 

取材こぼれ話

 「今まで生きてきて多くの感動を頂いた。感動は人から人へと受け継がれるもので、それを返すために漫画家になったんです」

 「漫画もダンスもとてもハードですが、やりがいがあります。信念を持ったものに時間や体力を費やすこと、擦り減らすことに喜びを感じるのです」。

 名物担当編集氏も交えた竹内友さんへのインタビューは、名言の連発に圧倒されっぱなしでした。目の前にいるうら若い女性のどこにこんな熱量が詰まっているのか? 完全燃焼を追い求める姿は「あしたのジョー」を彷彿とさせました。 

 デビューして間もない竹内さん。自画像がまだないとのことで、お忙しい中無理を言って描いていただきました(上の画像を参照ください)。各都道府県の共同通信加盟紙紙面に掲載された自画像は、〝本邦初〟の貴重なものだったかもしれませんよ。(近藤誠)

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