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漫画で科学を身近に 「決してマネしないでください。」蛇蔵さん 01.01

 偉大な科学者たちのユニークなエピソードをちりばめたコメディー漫画「決してマネしないでください。」の蛇蔵さんは、難しいイメージがある科学を身近に感じさせる作品に挑戦している。

漫画で科学を身近に 「決してマネしないでください。」蛇蔵さん

「決してマネしないでください。」

漫画で科学を身近に 「決してマネしないでください。」蛇蔵さん

ⓒ蛇蔵/講談社

手洗いの必要性を説いた医学者ゼンメルバイス

漫画で科学を身近に 「決してマネしないでください。」蛇蔵さん

ⓒ蛇蔵/講談社

蛇蔵さん自画像

なるほど

 学習をエンターテインメントにするのが、私のライフワーク。前作「日本人の知らない日本語」の次のテーマを探していた時に、フランス革命後に誕生したメートル法の秘話を紹介する科学史の本に出会いました。


 天文学者たちが、子午線を計測する使命を成し遂げる波瀾 万丈の実話を読んで、普段使っている技術には、こんなドラマや歴史があったんだと深く感じ入りました。


 科学を身近に感じてもらうには、人間ドラマも描ける科学史がぴったり。1840年代に手洗いの必要性を説いた医学者ゼンメルバイスや、解剖好きが高じて動物を集めたために「ドリトル先生」のモデルになったと言われる「近代外科の祖」、ジョン・ハンターを漫画にしました。


 より面白い作品にしようと、多くの理系学生たちに体験談を取材した"理系あるある"も盛り込んでいます。雷を見ると怖がるより先に、光と音の速度差から落雷地点までの距離を計算してしまう。打ち上げ花火の場合は、学部によって距離を計算する人と、色で化学反応を考える人に分かれるんです。


 「どんなゴミでも燃えるのだから、燃えないゴミなんて言葉はおかしい」「携帯電話の液晶が割れたと言うが、液晶は流動性があるから割れない」と真顔で話す人たちは、悪く言うと「空気を読めない」なんて評価されるかもしれません。


 しかし空気が読めないのは、表面的なものに流されず、確固たる価値基準を持っていることの裏返し。科学者たちは、私たちと違った目線で世界を見ているのが面白いし、だからこそいろんな発見ができたのだと思う。


 常識にとらわれないで絶えず疑問を持ち、新たな知識を得るのが科学や勉強の醍醐味です。漫画を通じて、その楽しさに気づいてもらえたらうれしいですね。

 

 

蛇蔵さん略歴

 へびぞう 東京都出身。イラストも描けるコピーライターとして活動していたが、2009年に「日本人の知らない日本語」(原案・海野凪子)で漫画家デビュー。シリーズ化されて大ヒットした。

 

 

落雷地点からの距離計算

 雷がピカッと光った後に、音がゴロゴロと遅れて聞こえてくるのは、光と音の速度差によるものだ。漫画に出てくる理系学生のように、落雷地点からのおおよその距離を計算してみよう。
 1秒間に光は約30万キロ(地球7周半分)、音は340メートル進む。光は速すぎるので、音速をそのまま速度差として考えてよい。
 光が到達してから、4秒後に雷鳴が聞こえたときは、340×4で1360メートル。10秒後に聞こえたときは、3400メートル離れたところに落雷したことが分かる。
 古くから雷様はへそを狙うという言い伝えがあるが、実際は建物の中に入ることが一番安全だ。屋外では低い姿勢を取る方がよいので、へそを隠すようにかがみ込むのは効果があると言えるかもしれない。(近藤誠)


 

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