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在宅医療を担う訪問看護師 「ナイチンゲールの市街戦」 原作の鈴木洋史さん   07.27

 「ナイチンゲールの市街戦」(原作鈴木洋史さん、漫画 東裏友希さん)は、新米の訪問看護師、宮間美守の奮闘を描く医療漫画だ。鈴木さんに、訪問看護師が果たす役割を聞いた。

在宅医療を担う訪問看護師 「ナイチンゲールの市街戦」 原作の鈴木洋史さん 

「ナイチンゲールの市街戦」

在宅医療を担う訪問看護師 「ナイチンゲールの市街戦」 原作の鈴木洋史さん 

ⓒ東裏友希、鈴木洋史/小学館

ヒロインの宮間美守

在宅医療を担う訪問看護師 「ナイチンゲールの市街戦」 原作の鈴木洋史さん 

「入院や介護の体験が、作品に生きている」と語る鈴木洋史さん

なるほど

 看護師の漫画はたくさんあるけれど、訪問看護師を主人公にした本格的な作品は無かった。自宅で療養する高齢者や障害者)の生活を、医療と介護の両面から支えるのが訪問看護師の仕事です。


 団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」を控え、国が医療費削減のために在宅医療を推し進めており、訪問看護師の役割はますます大きくなっていきます。


 病棟勤務を経験してから、訪問看護に転じた皆さんは共通して「もっと患者さんの心に寄り添う仕事がしたかった」と言います。利用者宅に通ううちに、人生や家族と深く関われるので、やりがいがあるそうです。


 もちろん命を預かる大変な仕事。病棟だったらすぐに先輩が助けてくれるし、医師も呼び出せる。しかし訪問看護の現場では、基本的に1人なのでいっそうの判断力が求められます。


 在宅医療が増えるということは、言い換えれば自宅での「みとり」が増えるということ。血圧や体温などのバイタルチェックや、服薬管理だけの仕事じゃないかと誤解されることもありますが、死に向かっていく患者と家族に寄り添っていくのは精神的につらい仕事です。


 4年前に大病を患い、手術を受けて一命を取り留めました。手術前、不安できょろきょろしていたら、気づいた看護師さんが「大丈夫ですよ」とうなずいてくれた。手術の結果に関係ないかもしれないけれど、僕の心を救ってくれたんです。


 医療的な措置はもちろんですが、精神面のカバーも本当に大切。患者は、看護師の専門知識だけでなく、その人間性に対しても信頼したいのだと思います。


 訪問看護師と利用者の悩みだけでなく、主人公がどう乗り越えて成長していくのか―。そこを描くことで仕事の尊さ、やりがいも表現できればと考えています。

 

 

鈴木洋史さん略歴

 すずき・ひろし 1957年、東京都台東区出身。「百年目の帰郷」で21世紀国際ノンフィクション大賞を受賞するなど、ノンフィクションライターとして活躍している。

 

 

需要増える訪問看護師

 増え続ける医療費を抑制しようと、厚生労働省は在宅医療を推進し、自宅でみとる体制の整備を進めている。


 厚労省によると、訪問看護師は2012年には約3万3千人。25年には、少なくとも5万人が必要と日本看護協会は試算している。

 病棟勤務を経験した看護師が訪問看護師に転じるケースが多いが、近年では人材確保のために、看護師になったばかりの新卒者の採用に乗り出す訪問看護ステーションも出てきている。(近藤誠)

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