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漫画で日本美術をガイド 「国宝トゥナイト」いわきりなおとさん 07.09

 国宝マニアのアラサー女子、岡倉てんこりんが主人公のラブコメディー「日本美術まんが 国宝トゥナイト」の作者いわきりなおとさんに、初心者にも楽しめる美術鑑賞の方法を聞いた。

漫画で日本美術をガイド 「国宝トゥナイト」いわきりなおとさん

ⓒいわきりなおと/カンゼン

「日本美術まんが 国宝トゥナイト」

漫画で日本美術をガイド 「国宝トゥナイト」いわきりなおとさん

ⓒいわきりなおと

美しさが引き起こした?「弥勒菩薩指折り事件」

漫画で日本美術をガイド 「国宝トゥナイト」いわきりなおとさん

「一番好きな国宝は、俵屋宗達の風神雷神図」と語るいわきりなおとさん

なるほど

 関西の小中学生は、遠足で京都や奈良の寺社仏閣に連れていかれます。大阪出身の僕も、最初は「仏像が怖い」くらいの感想だったのですが、たくさん見ているうちに日本美術が好きになり、これまでに500件以上の国宝を見てきました。


 漢字だらけで小さな文字が並んだパンフレットを読むと、高尚でとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、「そんなに難しくないよ」と面白さを伝えるために、ギャグ漫画にして描き始めました。


 作品や作者を調べると、昔の人たちが何を考えて何を大切にしていたのかなど、現代の僕たちと似ている点が多い。


 浮世絵や絵巻物で描かれる人物が、細い目でみな同じような下ぶくれ顔に見えるのは、そのような表現がかっこいいと、はやっていたからです。当時の人は、絵師によって特徴がある髪形や輪郭を見比べて「この髪形萌え~」などと鑑賞していたことでしょう。


 大きな目にピンク色の髪の毛といった〝アキバ系美少女〟も、「かわいい」と思わせる表現で描かれていますが、見方が分からない人には同じ顔に見えますよね。現代の美少女絵も、千年後には高尚なものに見えるかもしれません。


 漫画の元祖といわれる絵巻物「鳥獣戯画」はウサギやサル、カエルが生き生きと描かれ、昔の人にはアニメーションのように動いて見えたかもしれない。アニメの元祖とも言えるのではないでしょうか。


 まず好きな作家や、作品を見つけてみましょう。近所にある有名な仏像などを見て、気に入ったら同じ時代やジャンルの作品に興味を広げていけばいいと思います。

 

 東京国立博物館の「日本国宝展」(終了)をきっかけに、インターネット上で続編の連載を始めました。国宝は千件以上で、ネタは山ほどあります。今後も国宝のガイド役として描き続けていきたいですね。

 

 

いわきりなおとさん略歴

 1975年大阪府 吹田市出身。イラストレーター、アニメ作家、漫画家として活躍。香川県 丸亀市の文化財を漫画で紹介する副読本「文化財少女まる☆プリ」も手がけた。

 

3都府県に700件超集中

 明治時代に来日した東洋美術史家アーネスト・フェノロサは、仏教施設を破壊する廃仏 毀釈)や、西洋文化礼賛の風潮で見捨てられていた日本画や仏像などの日本美術を高く評価した。「国宝」の概念を考え、文化財保護法の前身である古社寺保存法(1897年)の制定に道を開いた。


 現在、文化財保護法により、1100件近い建造物や美術工芸品が国宝に指定されている。そのうち東京、京都、奈良(なら)の3都府県に700件超が集中している。(近藤誠)

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