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no24

レファレンスは本の探偵  「夜明けの図書館」埜納タオさん 02.13

 図書館の新人司書、葵ひなこがヒロインの漫画「夜明けの図書館」の埜納タオさんに、利用者の調べ物や探し物を手伝う「レファレンス」について聞いた。

レファレンスは本の探偵  「夜明けの図書館」埜納タオさん

「夜明けの図書館」

レファレンスは本の探偵  「夜明けの図書館」埜納タオさん

©埜納タオ/双葉社

歌声が手がかり?時には難解な依頼も

レファレンスは本の探偵  「夜明けの図書館」埜納タオさん

©埜納タオ/双葉社

埜納タオさんの自画像

なるほど

 前の担当さんが、図書館でレファレンスを利用して「本の探偵みたいで面白い。漫画の題材になるのでは」とひらめき、ぜひ描いてみませんかと提案してくれました。


 いろんな図書館で取材に協力してもらいました。本で見た写真の撮影地を探したいとの依頼が実際にあったそうで、その話を広げて、おじいさんが昔の写真を探しに来る第1話を描きました。


 「図書館の仕事の中で、レファレンスが最もやりがいがある」と教えてくれた方がいました。直接ありがとうって言ってもらえる。それくらい気持ちが動くなら、物語にもなるだろうと感じました。一方で、とんでもないことを聞かれるんじゃないかと、ひやひやすることもあるそうです。


 少し勇気がいりましたが「小唄」を調べるため、司書の方に声を掛けてみました。検索機で調べると、そこで完結して広がりがありませんが、会話しているうちに「こういう本もいいかもしれません」と、違った角度の本も紹介してくれました。


 ネットの検索は便利ですが、人を介して物を探すことの良さは、この後の時代も続いていくと思います。あいまいな人間の記憶や、デジタル化できない部分をすくい上げてくれる。人同士の心をつなぐハートフルな物語としてレファレンスの面白さを描いていきたい。


 取材も兼ねて20カ所以上の図書館を回ると、書架の見せ方や企画・イベントもそれぞれ違います。同じように見える図書館でも、そこで働く司書一人一人のカラーや思いが見えてくるようになりました。


 近くの図書館に行ってみましょう。情報過多な時代だからこそ、とことん自分で探し出す楽しさ、調べ抜く体験を味わってほしい。そうして身につけた知識や体験は、すぐに頭から抜け落ちない一生ものになるはずです。

 

埜納タオさん略歴

 ののう・たお 広島県福山市生まれ。兵庫県在住。1994年デビュー。「夜明けの図書館」は2010年より漫画雑誌「JOURすてきな主婦たち」で連載中。

 

図書館法で規定の専門職

 司書は図書館で、貸し出しや購入する本・雑誌の選定、目録の作成、利用者が資料を探す際の助言などを行う専門職。図書館法で規定された国家資格で、大学で所定の単位を履修して取得するが、図書館に司書を配置することは義務付けられていない。司書補は司書のアシスタント役で、講習を受けて資格を取る。


 本来は選書やレファレンスなど、調査の手助けを期待される司書だが、貸し出し業務などで忙殺されているケースが多い。公共図書館に配置された司書・司書補の多くに非正規職員が当てられ、給与面で恵まれていないのが現状だ。(近藤誠)

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