倖田來未インタビュー

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ナチュラルに新境地 1年ぶり新作「Kingdom」 Jポップ歌姫倖田來未さん

 Jポップをリードする歌姫、倖田來未さん。ミリオンセラーとなった「Black Cherry」から約1年ぶりとなるオリジナルアルバム「Kingdom」が完成した。正統派の恋愛ソング「愛のうた」や韓国出身の人気グループ東方神起と組んだ「LAST ANGEL」を収録した新作は、十八番のセクシーなR&Bナンバーに加え、「普段着の女の子」を感じさせるナチュラルな歌も多く、新境地を感じさせる。2008年、「くぅちゃん」はどこへ向かうのか。変化しつつある恋愛観など、思いの丈をたっぷり語った。(聞き手・田澤穂高)

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ミラーボールのような歌手に 最強のアルバム完成

 ―今度のアルバムは、ボーカルの幅の広さに驚きましたね。

倖田來未

 え、まじっすかー? ありがとうございます。

 ―ほんとに。「愛証」から「anytime」まで…。

倖田來未

 もう、すごいギャップがね!

 ―そうそう、その広がりが「Kingdom」の「国」っていう言葉につながっていく。

倖田來未

 今までのアルバムは、半分は倖田來未っぽい強い曲で、残り半分は「くぅちゃん」のプライベートに近い、かわいらしい世界。フィフティフィフティのバランスで作ることが多かったんですけど、今回は倖田來未という声を使って、ジャズもやればロックもヒップホップもR&Bもやる。倖田來未はR&Bシンガーと言っていただいてるんですけど、私は歌謡曲で育った人間でもある。ミラーボールのような、いろんな光をはね返せるアーティストでいたいな。「Kingdom」は見事に全曲が主役で、ばらばらっていう感じに仕上がりましたね。ほんとたくさんの「倖田來未」がいるなぁって。

 あとは「見返りのない、尽くす愛」っていうのが今回のテーマになってるんです。今まで自分が支えられてきたのって、やっぱりファンの声だったのかなって、今になったらすごく思うんですね。「辛かったときには、くぅちゃんの声聴いて元気になりました」という言葉で、自分が勇気づけられてる。私はもっともっとみんなのことを逆に包み込んであげたいな、と思って。

  「倖田王国」に来て、大いに笑ってほしいし、泣いてほしいし、大いに怒ってほしい。嫌なものを全部吐き切れる空間を作ってあげたかった。そういうアルバムになればいいなあって「Kingdom」と名付けたんですけど。

倖田來未さん

 ―クイーンではなくね、プリンセスでもない。「Kingdom」なんですよね。

倖田來未

 そうなんです。「倖田來未やから、そう言ってええんかな」っていうのはありまして。人のやってないことやりたがる「くぅちゃん」としては、ちょっとここは人が付けないようなタイトルを付けたいなと、思って。思い浮かんだのがキングだったんですよね。

 ―最強の…。

倖田來未

 そう最強のアルバムです。はい。

 ―今までの倖田さんの作品は私小説的な、ご自身の経験を元に書かれた歌が多かったと思うんですが、今回はストーリー性のある、客観的な視点の歌がありますよね?

倖田來未

 はい。

 ―作詞のやり方が変わってきたのかな。

倖田來未

 私と周りの友達、ファンが成長してきたのが大きいかな。大人らしい、器の大きな女性になりたいっていう女の子がこの世の中たくさんいる。私もその一人で、そんなことを曲にできればいいなあ、っていうのがありました。

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