2010年04月30日
坂本竜馬が「誰にでも愛される無邪気なヒーロー」であるならば消される理由が分からない。なぜ歴史の闇に葬られなくてはならなかったのか。
竜馬暗殺の謎に焦点を当てたこの番組は、竜馬が起草した「新政府綱領八策」(大政奉還後の政府の基本構想)に記された“暗号”が誤解を招き、暗殺されるに至った、という仮説を引用。誰が竜馬を殺さねばならなかったのかを考える。
暗殺の検証法が一つの見どころ。暗殺現場「近江屋」をセットで再現。残された物証や写真から殺害の手口を明らかにし、実際の殺陣を使って、暗殺が何秒で達成されたかまで推測して見せる。テレビならではの趣向だ。
小説や時代劇で有名なシーンだが、再現VTRを見て驚いた。現場はとても薄暗い。凝視しないと相手の顔など分からないだろう。そしてあっという間に達成される暗殺劇。いくら剣の達人でも防ぎようがないという印象だが、一瞬でも防戦の姿勢を取ったとみられる竜馬の反射神経には脱帽する。
案内役は俳優・堺雅人。再現ドラマを交えながら、竜馬の脱藩までの生い立ちや坂本家の出自のほか、海外へも竜馬の仕事の記録を追う。竜馬を語る上で外せない2人の女性の、竜馬亡き後の人生も紹介する。
映像作品で竜馬といえば(今でこそ勝海舟な)武田鉄矢、近ごろは内野聖陽や福山雅治である。ところが、この再現ドラマに登場する竜馬は、少々人相が悪い。気にかかる。今までの好青年イメージを一度“せんたく”しようという意図でも隠されているのだろうか。
一方、西郷隆盛役だけは例のごとく、ふくよかな体に大きな目玉で、いかにもな役者さんが演じている。ところが最近は、上野公園(東京)に凜として建つあの「西郷どん」さえ、「別人」との説も有力と聞く。銅像の元となった肖像画は、隆盛の弟といとこを足して2で割ったとか、そうじゃないとか…。とはいえ、この番組の主役は竜馬。脇役たちが誰だか分かりにくいのでは困る。ゆえに従来の「西郷どん」イメージを律義に守っておられるのだろう。 (加藤朗)
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「知られざる“龍馬伝” 世紀の英雄・坂本龍馬 最大の謎と秘密の暗号」








