2010年03月02日
4夜連続ドラマ「卒うた」の第3夜は、スキマスイッチの「奏(かなで)」がテーマ。付き合い始めて1年が過ぎた大学生カップルのラブストーリー。旬の若い女優たちをメーンに据えたシリーズだから、いかにもイマドキっぽい若者像が描かれているのかと思ったら、「なんだオレたちの時代となんら変わんないじゃん」というのがドラマを見た率直な感想。今も昔も大学生の立ち位置って、たいして変わらないのかもね。
物語は一貫してヒロイン由梨香(北乃きい)の視点で語られる。でもオレはむしろ、山本裕典演じる泰樹の目線で見てしまった。何をしていいか分からずに恋も人生も迷える泰樹の姿を目にして、20年も前の「青春」がよみがえった。
当時は「アッシーくん」「おやじギャル」といった言葉がはやり、「愛される理由」なんて鼻持ちならないタイトルのエッセーがベストセラーに。このころから恋愛における男女の力関係が変わってきたのかも。そんな時代だった。
当時のオレは、授業や部活に一日中縛られてしまう中学・高校生活と違って、大学受験さえクリアすれば、夢のような開放的な生活が待っていると信じていた。
だが現実は微妙に違った。生活は確かに自由なんだけれど、金はないし、全盛だったトレンディードラマのような“おしゃれ”な恋愛が、自分勝手なお子ちゃま大学生にできるわけもない。
そして、超就職難の現代とは比べるべくもないが、「人生の進路を決めなければいけない」というプレッシャーが、少しずつ、でも確実にじわじわと年を追うごとに増していった。それでも随分と気ままな4年間だった気がするし、人生で最も重要な時間だったようにも今は思える。
ドラマの中の泰樹は、カメラマンの夢を成し遂げるためにある決意を胸にする。一方「夢を追い掛けるバカっているよな。それで30歳過ぎてから、慌てて職を探しているやつ」とやゆする“賢い”同級生たち。
そう言う彼らもきっと、「冒険野郎」を内心ではうらやんでいたはず。男なんて、いつの時代も、いくつになっても「いつかはオレも大冒険」なんて願望を、本気で抱いている動物なのだ。
自分の足で自分の道をしっかりと歩んでいこうとする泰樹と由梨香。このドラマは、ちょっと人生に臆病になっている人たちに送るエールなのである。(山下修)
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番組公式サイト→4夜連続ドラマ「卒うた」








