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佃島/盆踊り(上)
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【試写コラム】唐沢寿明主演「不毛地帯」第1回(10月15日木曜午後9時~)

2009年10月13日

【試写コラム】唐沢寿明主演「不毛地帯」第1回(10月15日木曜午後9時~)
「不毛地帯」の一場面。唐沢寿明(左)と原田芳雄 (c)フジテレビ

 今回はフジテレビ開局50周年記念ドラマ「不毛地帯」の第1話を試写。エリート軍人の壹岐正が戦後、11年に渡るシベリア抑留を経て、商社の経済戦争に身を投じていく姿を描く。壹岐を演じるのは演技派俳優、唐沢寿明。共演は原田芳雄、柳葉敏郎、和久井映見、小雪、竹野内豊ら。

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 まだ日も昇らない早朝、木造の粗末な建物へと近づいていくソ連兵。ブーツで踏み締める雪がかさかさと乾いた音を立てる。カンカンカン!入り口に付けられた金属を打ち鳴らすと、ぼろぼろの服を身にまとった男たちがごそごそと起き出し、ふらつく体にむち打って外へと急ぐ。

 …と重々しくなってしまったが、これがこのドラマのオープニング。ここまで重厚な作風のドラマは久しぶりだ。
 原作はベストセラー作家、山崎豊子の同名小説で、山崎、唐沢コンビは大ヒットした「白い巨塔」以来。白い巨塔で演じた財前は野心でぎらぎらした感じだったが、壹岐は感情を内に秘めた、少し謎めいた印象。このピンと張り詰めた緊張感を出せる人はそうはいないだろう。

 真冬のニュージーランドで撮影した抑留のシーンは見ていて本当に〝しばれる〟。吹雪の中、整列させられた壹岐が言わされる自らの刑「重労働25年」には思わずあぜん。貧しい食料と過酷な労働で命を落とす者も続出し、抑留が歴史的事実であることに、今更ながら戦慄を覚えた。
 もしかしたら抑留の場面が少し長く感じる視聴者もいるかもしれないが、その後の壹岐の人生に鉛のようにのしかかっていく体験であることを考えたら長すぎることはないはずだ。

 共演者には主演級の面々が惜しげもなく登場するが、ただ豪華なだけではなく、それぞれがとっても〝はまり役〟。近畿商事社長役の原田はいかにも「えげつない大阪商人」という雰囲気だし、竹野内の無頼派な商社マン役もぴったり。自由奔放なクラブのママの娘、紅子役の天海祐希のつやっぽさもぐっときた。

 ここはかなり趣味が入るが、実は一番感動したのはエンディングテーマ。ストリングスのイントロの後、歌いだしたのは…おお、トム・ウェイツじゃないか! だみ声で歌う切ないメロディーが、ドラマの底流にある不器用な男たちの悲哀や〝業〟を優しく包み込む。このチョイスはすごい!

 最近、どういうドラマが東アジアを中心とした海外で受けるのかを考えさせられる機会があったが、海外では1クール半年という長さが一般的らしい。不毛地帯も日本では異例の半年間の放送。脚本をしっかり作り込んだ作品が評価される傾向にあるという。
 韓流に押されっぱなしの海外マーケットにもぜひ羽ばたいていってほしい、と勝手な期待を抱いてしまった。(瀬木広哉)


◆◆では、もう1人、お先にフジテレビ!↓↓ ◆◆


 主人公の壹岐正は、一昨年に95歳で亡くなった瀬島龍三氏がモデルとされている。旧日本軍大本営参謀で、戦後は伊藤忠商事の会長を務め、政界にも「影のキーマン」として大きな影響を与えた人物だ。

 わが共同通信の社会部がまとめたノンフィクション「沈黙のファイル」でもその足跡を生々しくたどっており、今回あらためて読み返すと彼の人生がまさに〝裏昭和史〟と重なって歩んできたことが分かる。

 その瀬島氏が晩年、笑福亭鶴瓶と南原清隆がMCを務める「新・平成日本のよふけ」というフジの深夜番組にゲスト出演し、自身の人生や戦中・戦後の出来事を振り返っている姿を偶然テレビで見たことがある。「こんなバラエティーチックな番組に出るんだ…」と少しびっくりした。

 番組では鶴瓶もナンチャンも鋭く切り込むような場面はそれほどなく、「へ~」と感心して聞いているだけだったように記憶しているが、それでも瀬島氏の話は、淡々とした語り口ながらも迫力のあるものだった。

 瀬島氏が番組にゲストで登場したのはほかにも数回あったらしい。もちろん墓場まで持っていった出来事もあっただろうし、保身からくる発言もあったかもしれない。また壹岐と瀬島氏では経歴は似ていても、イコールではないことは十分承知しているが、このドラマ放送開始をきっかけに、総集編でもいいから「新・平成―」の瀬島編をもう一度ちゃんと見てみたい。第1回を見て、そんな思いに無性に駆られた。

 ドラマ本編に話を戻せば、さすがフジテレビ開局50周年記念連続ドラマ企画の最後を飾るだけあって、キャストもセットも豪華。初回拡大版は見応えある内容だと太鼓判を押すが、課題は2クール半年という放送期間の長さ。 今後この作品が原作同様、名作として皆の記憶に残るかどうかは、男たちのせめぎ合いや葛藤だけでなく、小雪や天海祐希、和久井映見らが演じる女性たちのドラマもいかに魅力的に描けるかにかかっていると思う。(関口康雄)

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番組公式サイト→「不毛地帯