サービス精神「いけ面」。近寄りがたい「二枚目」
こちらは「一計メン」
【いけ面】若い男性の顔かたちがすぐれていること。
【二枚目】色男。美男。
女性でいっぱいの店に、とかくかっこいい男性店員がつきもの。女の子たちは彼らを「いけ面」と呼ぶ。今や古くさいイメージもある「二枚目」とは、サービス精神があるか、無いかの違いがありそうだ。
広辞苑第六版によると、「いけ面」は「『いけている』の略『いけ』と顔を表す『面』とをあわせた俗語か」とあり、たいてい「イケメン」と書くと説明している。「二枚目」は若い色男役の俳優が「劇場表の看板の二枚目に名前が出た」ことに由来する。いずれもハンサムな男性に向けられる言葉であるには違いない。
かつてあるテレビ番組のイケメン店員を紹介するコーナーで視聴者投票で第一位に選ばれたヘアデザイナーが、「顔を褒められるのには戸惑いがあるけれど、『思いやりがありそう』なんて声が多かったようで、心を見ていただいたのは正直うれしい」と語っていた。だから、イケメンは顔だけでなく心もいけている男ではないか、というのだ。
調べてみると実際、「いけているMEN(男)」を語源とする説もある。「女性に『いけている』と思ってもらうには、もてなしの気遣いがなければ不可欠です」とその店員さんは解説してくれた。対する二枚目は映画スターのようにやや近寄りがたい存在で、コミュニケーションのしやすさとは要するに無関係。だとしたら、サービス業界にイケメンの店員や料理人は多くても、"二枚目"が生き残るのは至難の業だろう。
「いけ面」には同音異義語があり、その一つが「逝け面」だ。意味は「逝ってほしいほど、いけていない顔」らしく、言われる男性にはかなり気の毒な話だ。掛け言葉、駄じゃれといった言葉遊びが日本語を活性化させ、豊かにするのは確かだが、だったら心を基準にした「いけメン(タル)」とか、味わいのある「畏敬面」などもっと男性に優しい言葉がはやってもよさそうなものだが...。

