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安彦良和さんが、「Gメン47」のためにオリジナルイラストを描きおろしてくださいました。要チェック!!

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オリジナルイラストを描く安彦良和さんのオリジナル動画。創作の様子を間近に見ることができます。

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2012.02.09

第8回 「翻弄される個人のドラマ」 大きな世界の小さな個人(過去編①)

©創通・サンライズ

©創通・サンライズ

―1990年代に神話、歴史を題材にした漫画を描き、そのキャリアを経てオリジンに取り組まれたことが、オリジナルストーリーの展開で役立ったのですか。

安彦 それはどうか分からないですね。うーん。

―ただ、少なくとも(漫画はアニメに比べると)年代的には広がっているわけですよね。

安彦 あり得ない話だけど、ガンダムのアニメが終わってすぐ漫画を描いていたら、(物語が)もっとやせたものになっただろうという気はしますけどね。

―オリジンでは、ある意味ガンダムを歴史として捉え直し、描き直したのですか。途中からオリジナルストーリーになって、安彦さんの漫画のおもしろさが全開になり、自由に描かれているなという印象を強く受けました。

安彦 年代記という言い方はだいぶ前からありましたんでね。あれは一つの架空の歴史なんだと、それは周りも僕も認識してたと思うんですけど。

―シャアやジオン・ダイクン、特にダイクンが象徴的なんでしょうけど、カリスマではなくて、ちょっと変わって思い詰めている人として人間らしく描くのが安彦さんの漫画のおもしろさ、特徴の一つだと感じました。

安彦 どのくらいの時点でか覚えてないんだけど、マニアの中ではおなじみだと思うんだけど、年表があるんですよね。誰が作ったのか、いつの間に出来たのかよく分からないのだけど、非常に長大な年表があって、それがガンダム年代記の年代記たるゆえんみたいに語られてきたと思うんだけど。年表があるというから「それを資料として見せてくれ」と言って、雑誌かなんかに載ってたのを見たんですけど、それを見て「なんじゃこりゃ」と正直思って、「こんなものは年表じゃない」と。

―どうして「なんじゃこりゃ」なのでしょう?

安彦 非常に何と言ったらいいのか、物事を断片的に並べて、特にミリタリーが非常に好きな人が作ったんだと思うんだけど、「兵器の開発がいつだとか、いつ何ができたとか、モビルスーツがいつから開発されていつできたとか、戦艦の何タイプがいつ竣工した」とか。そんなものは年表じゃないと、人間の歴史ではないじゃないかこれは。コロニーができて、それがまずくなって戦争に至るというふうな営みが全然見えない。「これは社会的関心を持っていないオタクが描いたんだな」と一目瞭然だったので、「この年表を無視する」って言った。逆にそういう年表で、年代記うんぬんなんて言われてるんじゃ富野氏が気の毒だっていう。
 ガンダムで描かれているある程度の時間の幅以外に、こう年代記ですから描かれている、特に過去に関して、それがいらないと。そうなると作んなきゃいけないわけですよね、それが主に過去編という形で、途中で年表を廃棄したのなら、自分で描かなきゃいけないという、最初はそれはなかったんですけど、年表に非常に抵抗を感じて、後で過去を描かなきゃいけない。過去がどうかということが、そのキャラクターの成り立ちを決めていくわけですからね、特にシャアというキーパーソンを決めていくわけですから。そうすると、それをやんなきゃいけない。

―オリジナルストーリーの「シャア・セイラ編」での幼いシャアとセイラは、脱出したり刺客に襲われたりと、これまで安彦さんが漫画で描かれてきた少数派で力のない主人公に重なる気がするのですが。

安彦 そんなに意識はしてないですけどね。個人が大きな状況に翻弄(ほんろう)されるというのは、それ自体「悲しいけどドラマなんだよな」というのは割とあるんですね。

―漫画全体に話を広げると、破れたり、最後に主人公が死んだりという話も多いと思うのですが、安彦さんがそのようなストーリーを描くきっかけがあるのですか。

安彦 これは資質なんじゃないかって気がするんですけどね。この間、漫画家のかわぐちかいじさんと対談していて「全くわれわれ違うタイプだね」と言ったんですけど、かわぐちさんはヒーロー、天才が大好き。彼の作品で日系人が大統領になるという話があって、僕だったら、大統領選挙で「勝つぞ」と思った時に殺されるか何かするんだけど。最後の最後まで「こいつ、きっと非業の死かなんか遂げるんだろう」と思って読んでいたら、かわぐちさんはそうはしないんですよね。勝ったと言って親子で握手して、「頑張る」「お父さん頑張って」で終わるんですよ。「これは資質だね」って言って。
 そこにドラマを見る、確かにいるし、天上天下って言っちゃうと本当に世の中がそうなっちゃう大天才とか、「すげえ」と思うのは爽快ですしね。読んだり見たりするのも。「また結末暗いな」というのは、どうもどっちかというと歓迎されない、売れないという。

―でも、安彦さんはあえて、ご自身の主義もあって、そういうような展開を描き続けてきたわけですよね。

安彦 やっぱりそうなるんですよね。なっちゃうんですよね。これはあの「クリエーターとしては損だな」と思いながら、「その方がドラマなんだよな」とつい思っちゃうんですよね。
―ドラマを求めている?

安彦 やっぱりドラマ作るんで、ドラマになってるかなと絶えず気にするんで。そのときのドラマがかわぐちかいじ的なポジティブなドラマであったり、僕みたいないじけたドラマだったりってのは、やっぱりタイプじゃないかなと思うんですけどね。なかなかそれは、「どうやったらどっちのが受けるか」みたいなことでは調整がつかない問題だと思いますね。

―純粋に受けようと思ったらハッピーエンド?

安彦 受けた方がいいわけです(笑)、受けたいんです。本も売れてほしい。

―でも安彦さん的には非業の死とか、悲しい方のドラマに走る。

安彦 そういう傾向ははっきりしてるみたいですね。

―それは主義があってどうこうという話ではない。

安彦 主義までいかないんだけど、あのただその、成功して世界を変えたような人でも、畳の上で死ねた人でも、基本的に大きな状況、世界の中での個人という小さな存在ではあると思うんですよね。その中で、人には知れない悲しい思いとか、つらい思いとかをして、人には「思いを遂げて幸せな人だ」と言われても、「遂げてねーよ、ばか野郎」っていうこともあったりするんじゃないかなと。

(つづく)

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 次回、ドズルも話題にのぼる過去編がさらに盛り上がります。第9回 年配キャラが大活躍「愛人連れたランバ・ラル」(過去編②)は、2月16日更新予定です。

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