自然言語処理によるテキスト自動要約

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■構文解析・文脈解析・構造解析・意味解析処理結果(図をクリックすると拡大します)

【凡例】
複数枠:重要度
枠内(T):重要語スコア
枠内(R):参照連接数(係り受け数) 

赤枠:人名 
青枠:地名
緑枠:組織名 

太線:形態素ラティス(係り受け関係)の重み付け 
summary:文書のエッセンス 
:意見評価の特定
 

感情+、感情-主観的でかつ、感情的な評価表現
批評+、批評-物や人・組織などの特徴や特質について述べた評価表現。長所や欠点について記述された評価表現
メリット+、メリット-物や人・組織などの特徴や特質について述べた評価表現
採否+、採否-これまであまり行われていなかった行為や制度、およびこれまであまり使われていなかった物について、積極的に行為や利用を進めたり、促したりする行為を表す評価表現
出来事+、出来事-良い/悪い出来事や経験を表す文や経験を表す評価表現。
当為義務や提言を表す評価表現
  要望要望を表す評価表現
 

■要約解析結果

東京六大学野球秋季リーグは30日、神宮球場で最終週の早大—慶大3回戦があり、早大が斎藤(1年、早稲田実)の活躍で慶大に7—0で大勝し、3季連続40度目の優勝を果たした。勝ち点4で明大と並んだが、勝率で上回った。早大は11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。斎藤はスライダーやツーシームなどの変化球がさえ、リーグ戦初完封。打線は1回、松本(3年、千葉経大付)の適時打と本田(4年、智弁和歌山)の3点二塁打で4点を先取し、その後も加点した。慶大は3連投のエース加藤幹(4年、川和)が力尽きた。(248文字)

■重要語の解析結果

大学野球 4.41 連覇 4.00 東京 4.00 早大 4.00 斎藤 4.00 三振 4.00 完封 4.00 慶大 3.00 早大 3.00 斎藤 2.00 大学野球秋季リーグ 1.83 千葉経大付 1.68 リーグ戦 1.68 エース加藤幹 1.59 明治神宮大会 1.59 適時打 1.41 勝ち点 1.41 早稲田実 1.41 最終週 1.41

■人名の解析結果

加藤幹 本田 斎藤 松本

■地名の解析結果

東京 35.689499 139.691635 千葉 35.604561 140.123108 千葉県千葉 35.607719 140.106445 静岡県島田市千葉 34.891781 138.164413 群馬県多野郡上野村川和 36.074768 138.768005

■組織の解析結果

明大 慶大 早大 智弁和歌山 早稲田

■カテゴリーの解析結果

スポーツ-野球 教育-大学 経済・産業-製造業-自動車部品 経済・産業-運輸-空運 経済・産業-運輸

■意見評価の解析結果

[著者] 出来事+ 3季連続40度目の優勝を果たした。
[著者] 批評+ 勝率で上回った。
[著者] 採否+ 11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。

1. 単一テキストを対象にした重要箇所抽出による要約アルゴリズムについて

要約手法1 連接情報を使わずに複合名詞(専門用語)の頻度で重み付けによる重要箇所抽出
[抽出のアルゴリズムについて]
重要度計算において、複合語の重みを使わず、重要度を用語の出現頻度で 計算する。ただし、用語が他の用語の一部として現れた場合もカウントす る。 *Term Frequency(TF)による重要度計算
 *TF処理:重要語の頻度をより詳しく見る
 例えば、「大学 野球」の使用回数が2回だとして、 他に「大学 野球 秋季 リーグ」が1回 「大学 野球 リーグ」が 2回使われていると、「大学 野球」は「大学 野球 秋季 リーグ」 「大学 野球 リーグ」の一部を構成しているので、「大学 野球」 の2回の他「大学 野球 秋季 リーグ」1回、 「大学 野球 リーグ」 2回を足し頻度5とする

要約手法2 連接情報を使わずに名詞の頻度で重み付けによる重要箇所抽出
[抽出のアルゴリズムについて]
重要度計算において、複合語の重みを使わず、重要度を用語の出現頻度で計算する。
 *Frequencyによる重要度計算

要約手法3 連接情報+各単名詞の延べ数による重要箇所抽出
重要度計算において、連接語の重みを連接した単語の延べ数で計算する。 例えば、統計データで「大学」という語が「野球」の前に2回、「駅伝」 の前に3回連接したとすると。連接語の重みは次のとおり計算される。
 *「大学」:5回 (「大学野球」2回 + 「大学駅伝」3回)

要約手法4 連接情報+各単名詞の異なり数による重要箇所抽出

要約手法5 連接情報+各単名詞のエントロピーのべき乗の合計による重要箇所抽出
[抽出のアルゴリズムについて]
重要度計算において、複合語の重みをパープレキシティで計算する。 パープレキシティは情報理論で使われる指標で、本システムでは 各単名詞に「情報理論的に見ていくつの単名詞が連接可能か」を示して いる。これは、以下のようにして求まる単名詞のエントロピーを元に、 2のべき乗することで求められる。連接する語のそれぞれの出現確率を P1~Pnとおくと、エントロピーの計算は次のように示せる。なお対数の 底は2である。
 *(-1 * P1 * log(P1)) + (-1 * P2 * log(P2)) ....... + (-1 * Pn * log(Pn))

例えば、統計データで、「大学」という語が「野球」の前に2回、「駅伝」の 前に3回連接(あわせると計5回連接)したとすると。単名詞のエントロピーは 次のとおりになる。出現確率は「大学野球」が 2/5, 「大学駅伝」が 3/5 である。
 *(-2/5 * log(2/5)) + (-3/5 * log(3/5))
  「大学」13回  (「大学野球」2^2回 + 「大学駅伝」3^2回)

要約手法6 重要箇所(連接情報+各単名詞の延べ数)+人名・地名・組織名・係り受け関係のスコア・係り受け数・形態素ラティスの重み付けグラフ経路探索アルゴリズムによるオントロジーを用いた自動要約
[抽出のアルゴリズムについて]
  係り受けリストを組み合わせて作成できるすべての文章に対し、単語毎の重要度、係り受けの重要度、人名/地名/組織の重要度を合算する。
  これにより最も重要度の高い言葉がつながった文章が作成される。
  
  (1)単語毎の重要度:上記重要語の抽出アルゴリズムを用いて算出
  (2)人名/地名/組織/日付の重要度:単語毎に1を加算する
  (3)係り受けの数:オントロジー解析の結果より算出した単語毎に借り受けられた数を算出
  (4)係り受けの重要度:cabochaコマンドで出力されたものを用いる
  (5)タイトル、見出しを元にした重要度:タイトル、見出しより単語毎の重要度を加算する
  (6)文の位置情報による重要度:記事の前の方に出ている語の重要度を上げ、文の重要度を計算する
  (7)手がかり表現の重要度:主張、結論、評価など(評価表現)の特別な語を含む文の重要度を加算する
  (8)単語間のつながりと関係性情報の重要度:高い活性値を得た単語、句、文を重要と見なし加算する
  (9)テキスト構造の重要度:文間の関係を解析し、重要度を加算する
            

自然言語処理によるテキスト自動要約

  
一般社団法人 共同通信社 メディアラボ 鈴木 維一郎
 要旨: Webで必要な情報を見つけるという作業は悪夢である。Webで特定の情報を検索していると、膨大な無関係の資料に途方に暮れ、肝心の検索している事項を見落としてしまう事がよくある。検索は不正確で、多くの場合、何千ものページへのポインタが返される。さらに求める情報を得るためには、検索された文書全体を読まなければならない。本当に関連のあるWebページを見つける事ができたとしても、ページ内の検索が難しかったり、情報が明確でなかったりする場合がある。  インターネットに情報が溢れる現在、膨大なWebから必要とする情報を効率よく探し出したり、Web上に分散した情報を組み合わせ集約し、自動的に処理したりするための技術が求められている。こうしたセマンティックWebの世界では、人工知能分野で研究されてきたオントロジーの研究を取り入れている。こうした技術によりWebは巨大な知識ベースとなり、様々な問題に対して推論を行い、有益な結論を導く事ができるようになる。  Webは機械が理解可能な情報であり、標準によってきちんと定義され、人と情報の世界においてある種の均衡状態となり、共有知識を介したコミュニケーションのための媒体でなければならない。そのためには情報の把握を手助けしてくれる、情報に関する情報「メタデータ」が必要である。  文書内からメタデータを効率良く抽出することで、機械が文書の構造および意味的定義を理解し、行間の感情表現を特定し、文書の文脈を理解し、要旨を自動生成する事が可能となる。  要旨抽出(以降機械要約)の技術は、自然言語処理(NLP Natural Language Proccession)とも言われ、「言語解析」「重要箇所の特定」「言語生成」技術に区分する事が出来る。  言語解析は次の四つの要素技術に細分化できる  1.形態素解析 テキストを品詞に分解する。(chasen/mecab)  2.構文解析 単語間の構文的関係を決定し、その文の構造を決定する。(KNP/Cabocha)    3.意味解析 単語の語彙(意味)を決定する  4.文脈解析 テキストの構造の決定、照応の解析、省略の補完を行う。  形態素解析技術により文中の単語は品詞に分解され、それらは一般に文法に基づき、互いに関係を持ち、文にはその結果として構文的な構造が与えられるとされている。たとえば英語の場合、動詞と目的語の名詞句から動詞句が構成され、主語の名詞句と動詞句から文が形成されるという具合である。これら構造を得る処理が構文解析技術である。  テキスト中の文は、互いに関係づけられており、テキスト全体は構造を持っていると考えられる。その文間の関係を解析し、テキスト全体の構造を得る処理を文脈解析技術という。照応とは、代名詞、定名詞句、「こそあど」と言われる指示詞などが文脈中の別の単語と同じ対象を指示する言語対照である。一般にこの指示対象が何であるかは表層の情報からは明かではないため、指示対象を同定する照応解析は重要な問題となる。  重要文抽出による要約  1.何らかの情報を本にして、各文の重要度を計算する。  2.重要度が上位の文から順に、指定された要約率に達するまで文を選択する。  おおよそ「なんらからの情報」とは以下の六つが考えられる  (1)テキスト中の単語の重要度を利用する。(1950-ベイズ)<実装済み>     出現頻度(Term Frequency:tf)     単語が出現するテキスト数(Document furequency:df)     上記二つの掛け合わせ(tf* idf)など様々な単語の重み付け技法が利用できる。  (2)テキスト中のあるいは段落中での文の位置情報を利用する。(リード)<実装済み>     たとえば論文には、序論、本論、結論、新聞は、見出し、小見出しのあと、本文が来る事が多い。     このようなジャンルにより決まったテキストの構造を重要文抽出に利用する。  (3)テキストのタイトルなどの情報を利用する。<実装済み>     テキストに付与されたタイトルを持つ場合、このタイトル、見出しは、ある意味でテキスト本文の非常に簡潔な要約となっていると考えられる。そこで、タイトル、見出しに現れる内容語を含む文が重要であると考え、タイトル、見出し中の単語を重要文抽出に利用する手法が考えられる。  (4)テキスト中の手がかり表現を利用する。     テキスト中では、重要な文を直接明示する手がかり語が存在すると考えられる。論文などでは、「本研究では」「とめると」「我々は」などの表現を含む文は、主題を表すと考えられる。  (5)テキスト中の文あるいは単語間のつながりの情報を利用する<実装済み> 。     テキスト中の他の多くの文と強い関連がある文は、テキスト中で比較的中心的な役割を果たしていると考える事が出来る。テキスト中の多くの文と強い関連がある文を重要な文として抽出する手法が考えられる。     関連度は、二つの文中の意味的に関連がある単語(引きあいの多い単語)の出現頻度を解析する事が多い、または類義語や同義語などの「川」と「橋」などといった意味的な関連制を利用する事が多い。  (6)テキスト中の文間の関係を解析したテキスト構造を利用する。<実装済み> 。     まず、利点として、長さに応じた要約を、得られた構造木のそれぞれのレベルで作成できる。テキスト構造に基づいて重要文を抽出しているので、単語の出現頻度などを用いた手法に比べ、一貫性の高い要約が出来る。などである。     文の構造が得られたとして、どうやって重要な文を選ぶのか。文間の関係、それらは大きく分類するなら、分銅しがたい媼関係、片方が片方よりも重要である関係に分ける事が出来る。例えば、しかしなどが出てくる場合の「対比」、例えば等の「例示」、したがってなどの「理由」、そのほかに、譲歩、正当化、証拠などの文章の意見を抽出し、それら情報の値を要約文抽出の重要度に加えるなどの手法が考えられる。        文単位で抽出する事でテキストを短くする重要文抽出手法について説明、実装してきたが、一文ごとに重要でない箇所を削り、あるいは重要な箇所を抽出し、情報をなるべく減らさずに、テキストを短く表現し直す要約手法「文短縮手法」が今後の研究課題である。  不要と思われる文字列を削除したり、表現をより簡潔な別の表現に言い換えるなど、利用用途に応じた文字数、内容に置き換える技術が期待されている。  こうした技術発展の先には、機械が複数の文書をひとつの文書に再編成したり、文書のトピックを特定し、同一のトピック群から正当と判断しうる同一テーマを持つ文書を抽出し、文書内の疑問に対する理由を見つけ、応答する事さえも可能となると考える。  キーワードマッチングに変わるインテリジェントな検索、情報検索に変わる問い合わせ応答、オントロジーマッピングを介した部門間の文書交換や、機械による文書の自動校正・校閲、再編成、さらにはSNSなどの話題や一般市民の意見をモデル化し、さまざまな問題を解決する糸口を導き出すといったこれまでと全く異なる新しい可能性の実現は私たちのすぐ目の前まできている。  暖かくてファジーな右脳化された自分たちと、この明確に定義された左脳の世界を統合しうる最良の方法を見つけなければならない。  キーワード:自然言語処理、形態素解析、重要語抽出、構文解析、意味解析、自動要約、オントロジー、意見評価、感情表現抽出、カテゴリ分類、クラスタリング分類、セマンティックWeb、自由作成要約、複数テキスト要約、セマンティクスの抽出と応用開発、質問応答システム 目次   0. セマンティックスの抽出   1. 単一テキストを対象にした重要箇所抽出による要約   2. 複数テキストを対象にした重要文抽出による要約   3. 単一テキスト、同一トピックの抽象化、言い換えによる要約作成   4. 複数テキスト、同一トピックの抽象化、言い換えによる要約作成   5. アルゴリズムについて   6. APIによる取得方法   7. 縦書き表示の充実  我々は、新聞を読むとき、まず記事の見出しを見て、その記事の内容を推測し、その記事を読むかどうか決めていると思われる。 これは、見出しが、記事の内容を簡潔に示す「要約」になっているからだと言える。研究者の場合、タイトルで当たりをつけた後、論文のアブストラクトを読み、おもしろそうな論文を探す事は日常当たり前に行っているのではないだろうか。このように、要約はわれわれの身近でずっと前から役に立っていたという事ができる。  近年検索エンジンが広く利用されるようになってきているが、システムが提示する検索結果には、Webページの内容を短く紹介したものが併せて提示される場合もあるようである。これは、リンク先のページがユーザーの欲しいものかどうかを要約を見て判断してもらおうという趣旨でつけられていると思われる.  ニュースの文字放送では、ニュースの原文自体ではなく、その要約と言えるような形でニュースが配信されている。 ユーザーが大量の関連情報の中から必要な情報に効率的にアクセスするのを支援する技術が求められている。さらに、アクセスした文書から必要としている内容を効率的に特定するために、自動要約技術によって読み手の文書の量を制御し、短い時間で的確に内容を把握する必要性が高くなっている。  テキスト自動要約とは、元のテキスト原文の内容をより短いテキストで簡潔にまとめる処理、あるいは、その処理の結果のテキストの事を言う。  テキスト情報から重要な情報のみを選択して提供し、要点の迅速把握を支援する技術であり、読み手が読むテキストの量を制御できる事を目標としている。 1.extract(抽出)とabstract(それ以外) ===============================  テキスト自動要約は時に、情報抽出と対で(あるいは対比して)述べられる事がある。どちらもテキスト中の重要な情報を抜き出すという点では共通するが、情報抽出は、あらかじめ決められた「枠」を埋める形で必要な情報を抜き出す。  情報検索結果のテキストを自動要約したものをユーザーに提示し、ユーザーは、システムの提示した結果が適切なものであるかどうかを要約を見て判断する。同様に、テキスト分類あるいはテキストクラスタリングにより、分類、グループ化されたテキスト集合を入力として、テキスト集合の要約を作成するテキスト自動要約もあり得る。質問応答はある意味で「究極の」情報アクセス技術であり、情報検索、情報抽出、テキスト自動要約など、現在研究されている他の情報アクセス技術は、質問応答技術の要素技術と位置づけられないわけではない。 重要文抽出による要約  1.何らかの情報を元にして、各文の重要度を計算する  2.重要度が上位の文から順に、指定された要約率に達するまで文を選択する。 アプローチ 1.テキスト中の単語の重要度を利用する★  テキスト中による出現する内容語はテキストの主題を示す傾向があるという仮説が情報検索の分野などではしばしば用いられている。  テキスト中での出現頻度(Term frequency : tf法 )  出現頻度に加えてk単語が出現するテキスト数(document fequency : tf*idf法)  要約対象の文書中に現れる単語の頻度を計算し、その順に重要語を定義する方法。頻度が多い語は、その文章の主題に大きく関係していいる後であるとする仮定の下に、主に名詞の頻度を計算し、その語が多く含まれる文を重要文として抽出する方法がとられている。  重要文抽出法のデメリット   テキストが複数の話題を含む場合に問題が生じる事が指摘されている。 2.テキスト中あるいは段落中での文の位置情報を利用する★★★★  テキストは、そのジャンルに依存して、ある程度構造に規則性があると通常考えられている。論文には、序論、本論結論、新聞は、見出し、小見出し、本文。テキスト中で重要な文が出現する位置は、ある程度予測可能であると仮定して、テキスト中での文の位置を元に、その文の重要度を計算する手法が考えられている。新聞の記事は、「見出し」「小見出し」「本文」などのような、ある程度決まった構造を持っている。また、内容のジャンルによって何らかの構造上の特等がある場合がある。新聞を要約するときはタイトルや、記事の前の方に出ている語の重要度を上げ、文の重要度を計算する。 3.見出し、タイトルなどの情報を利用する★★  タイトル、見出しは、ある意味でテキスト本文の時報に簡潔な要約となっていると考えられる。そこで、タイトル、見出しに現れる内容語を含む文が重要であると考え、タイトル、見出し中の単語を重要文抽出に利用する手法が考えられている。 4.テキスト中の手がかり表現を利用する★★★  論文では、「本研究では」「まとめると」「われわれは」などの表現を含む文は論文の主題を表すと考えられる。主張、結論、評価などの特別な語を含む文を重要分とする。「欲しい」「望ましい」「要するに」「まとめると」等が考えられる。このような文書の重要な記述部分を示す語を含む文や、その文に含まれる単語の重要度を他の単語より上げる方法がある。 5.テキスト中の文あるいは単語間のつながりと関係性情報を利用する。  テキスト中の他の多くの文と強い関連がある文は、テキスト中で中心的な役割を果たしていると考える事ができそうである。テキスト中の多くの文と強い関連がある文を中ような文として抽出する手法。意味的に関連があるというのは、類義語(synonym)や連想により意味的な関連があると思われるような場合を言う。類義語の情報を得るにはシソーラス(類語辞典)を利用する事が多い。接続詞、照応関係などから文間・単語間のつながりと、その関係の解析を行ってい要約する方法。文書を意味ネットワーク化して、その上でコネクショニスト・モデルを用いて、接点の活性値の収束値を重要度として計算する要約方法。  Skorokhod'ko は文をノード、文間の関係をリンクするとするグラフをテキストから構成し、多くの文と関係のある文が重要であるという考えに基づき、重要文を抽出する手法を示している。文中の単語が同一概念を参照しているような文間にリンクがあるとしている。  マニラは、テキスト中の単語などがノードであり、その間の隣接制、構文的関係、共参照関係、語彙的類似性などの関係をアークで表現したグラフでテキストを表現し、このグラフ中での活性値の伝搬により、高い活性値を得た単語、句、文を重要と見なす重要文抽出手法を示している。  ・他の多くのノードとリンクで結ばれているノードは(段落は)、複数の段落に渡る主題について議論していると考え抽出する。  ・最初のノード(先頭段落)あるいは、他のノードとのリンクが多いノードから開始し、それよりもテキスト中で後ろにある。もっとも類似するノードを再帰的に抽出する。  ・テキストがセグメント(ある話題のまとまり)に分割できるのであれば、セグメントからまんべんなく段落を抽出するのがテキスト全体をカバーする要約を作る上でよいと考えられている。  ・新しい話題が始まると、通常その先頭の段落で、その主題について述べる事が多い。セグメントの先頭の段落を抽出すると良い事になる。   6.テキスト中の文間の関係を解析したテキスト構造を利用する。  文同士が対等な関係、または片方が片方よりも重要である関係  「例示」たとえば  「理由」したがってなどの意味的な表現はより重要である。 7.オントロジー  システムは内容を理解した上で、重要な部分を要約しているわけではない。内容の理解そのものが、現在のコンピュータで難しい事が原因である。構文解析や意味解析の手法が不足しているだけでなく、人間の持っている常識や当該分野の知識などが不足しているのである。このような知識の不足に対して、オントロジーの研究が進められている。これは概念辞書とも言われるもので、人間の持っている知識を構造化してコンピュータで扱えるよう電子化したデータベースである。<いまここ> 2.単一テキスト←→複数テキスト ========================= 9.単一テキストではなく、複数テキストを対象にした要約手法。 10.統計的手法あるいは、機械学習に基づく予約手法   近年の自然言語処理研究全般における統計的手法、機械学習に基づく手法の隆盛の一端ともいえる   要約タグ付きコーパスを用意する事で自動要約システムを比較的容易に構築できる事から、有望視される手法 3.文抽出←→文短縮 ================ 11.言い換えや書き換えを用いた要約手法   より自然な要約作成に向けての動き 12.冗長性の少ない要約を目指す要約手法   より自然な要約作成に向けての動き  4.generic←→特定query-biased ============================= 13.ユーザーに適応した要約を動的に作成する要約手法 未定 5.質問←→応答(Question Answering ) ===============================      未定 過去、47ニュース(http://www.47news.jp)の開発当初2006年から、 47都道府県の地方新聞社の記事をくまなくクロールし、記事ごとに形態素解析、重要語抽出、人名抽出、 地名抽出、GEOコード付与、組織名抽出、地図上にプロットなどを積極的に行ってきた。 以下のページは、10分おきに解析を繰り返し、日本のトピックの今がわかる「今日のオントロジー」。 記事の重要語や人名・地名・組織名をクラスタリングし動的にカテゴリを生成する試作。 現在開発しているプロトタイプ開発を2006年に着手していた。 こちらは2006年プロトタイプ。興味のある人はどうぞ。 以下、現在開発中のイメージ
形態素解析
(済み)
構文解析
(済み)
文脈解析
(済み)
構造解析
(済み)
オントロジー解析


6. APIによる取得方法

CGI POSTによる投入記事を解析しメタデータを抽出する方法
変数 title に記事タイトルを代入して下さい。
変数 body に記事本文を代入して下さい。
変数 enc には入出力文字コードを指定することが出来ます。指定しない場合はUTF-8として解釈します。
値の指定方法:
 シフトJISなら sjis
 EUC-JPなら euc-jp
 JIS(ISO-2022-JP)なら jis
 UTF-8なら utf-8
のいずれかを指定してください。
変数 debug はPOSTの場合は0を代入して下さい。

要約圧縮率を指定できます permax=50(50%の圧縮率)

【Perlの場合】
#!/usr/bin/perl
use LWP::UserAgent;
$ua = LWP::UserAgent->new;
$ua->timeout(5); # 5秒以内に取得できなければタイムアウトする
$response = $ua->post('http://www.47news.jp/cgi-bin/ra/meta_ex.cgi',
  {
    'title' => '早大3連覇 斎藤が15奪三振、初完封 東京六大学野球',
    'body' => '東京六大学野球秋季リーグは30日、神宮球場で最終週の早大—慶大3回戦があり、早大が斎藤(1年、早稲田実)の活躍で慶大に7—0で大勝し、3季連続40度目の優勝を果たした。勝ち点4で明大と並んだが、勝率で上回った。早大は11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。斎藤はスライダーやツーシームなどの変化球がさえ、リーグ戦初完封。被安打4で15奪三振の力投で今季4勝目を挙げた。打線は1回、松本(3年、千葉経大付)の適時打と本田(4年、智弁和歌山)の3点二塁打で4点を先取し、その後も加点した。慶大は3連投のエース加藤幹(4年、川和)が力尽きた。',
    'enc'  => 'utf-8', # 入出力文字コードがUTF-8
    'debug' => '0' # 0:false 1:true
    'permax' => '50' #要約圧縮率
    # 'summaxlength' => '300' # 要約最大文字数 permaxとどちらかを選んで下さい
  }
);

if ($response->code == 200) { # 成功
  print $response->content;
} else { # タイムアウトなどのエラー発生
  # エラーの場合の処理を記述
}
          

【PHPの場合】
<?php
if(!function_exists('http_build_query')) {
  function http_build_query($data,$prefix=null,$sep='',$key='') {
    $ret = array();
    foreach((array)$data as $k => $v) {
      $k = urlencode($k);
      if(is_int($k) && $prefix != null) {
	  $k = $prefix.$k;
      }
      if(!empty($key)) {
	  $k = $key."[".$k."]";
      }
      if(is_array($v) || is_object($v)) {
	  array_push($ret,http_build_query($v,"",$sep,$k));
      } else {
	  array_push($ret,$k."=".urlencode($v));
      }
    }
    if(empty($sep)) {
    $sep = ini_get("arg_separator.output");
    }
    return implode($sep, $ret);
  }
}
$query = array(
  'title' => '早大3連覇 斎藤が15奪三振、初完封 東京六大学野球',
  'body' => '東京六大学野球秋季リーグは30日、神宮球場で最終週の早大—慶大3回戦があり、早大が斎藤(1年、早稲田実)の活躍で慶大に7—0で大勝し、3季連続40度目の優勝を果たした。勝ち点4で明大と並んだが、勝率で上回った。早大は11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。斎藤はスライダーやツーシームなどの変化球がさえ、リーグ戦初完封。被安打4で15奪三振の力投で今季4勝目を挙げた。打線は1回、松本(3年、千葉経大付)の適時打と本田(4年、智弁和歌山)の3点二塁打で4点を先取し、その後も加点した。慶大は3連投のエース加藤幹(4年、川和)が力尽きた。',
  'permax' => '50' // 要約圧縮率
  // 'summaxlength' => '300' // 要約最大文字数(要約圧縮率とどちらかを使って下さい)

);
$ch = curl_init();
curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, 'http://www.47news.jp/cgi-bin/ra/meta_ex.cgi');
curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true);
curl_setopt($ch, CURLOPT_TIMEOUT, 5); //5秒でタイムアウト
curl_setopt($ch, CURLOPT_POSTFIELDS, http_build_query($query));
$data = curl_exec($ch); //$dataに関連記事出力結果が入ります
curl_close($ch);
echo $data;
?>
          

【解析結果】
Content-Type: text/html;charset=utf-8

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<result>
<TITLE>早大3連覇 斎藤が15奪三振、初完封 東京六大学野球</TITLE>
<DESCRIPTION>東京六大学野球秋季リーグは30日、神宮球場で最終週の早大—慶大3回戦があり、早大が斎藤(1年、早稲田実)の活躍で慶大に7—0で大勝し、3季連続40度目の優勝を果たした。勝ち点4で明大と並んだが、勝率で上回った。早大は11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。  斎藤はスライダーやツーシームなどの変化球がさえ、リーグ戦初完封。被安打4で15奪三振の力投で今季4勝目を挙げた。打線は1回、松本(3年、千葉経大付)の適時打と本田(4年、智弁和歌山)の3点二塁打で4点を先取し、その後も加点した。慶大は3連投のエース加藤幹(4年、川和)が力尽きた。</DESCRIPTION>
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<SUMMARY>東京六大学野球秋季リーグは30日、神宮球場で最終週の早大—慶大3回戦があり、早大が斎藤(1年、早稲田実)の活躍で慶大に7—0で大勝し、3季連続40度目の優勝を果たした。</SUMMARY><SUMMARY_RATIO>30.77%</SUMMARY_RATIO>
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<EX_OPINIONS><![CDATA[[著者]	批評+	勝率で上回った。
[著者]	採否+	11月10日開幕の明治神宮大会への出場も決めた。]]></EX_OPINIONS>
<TATEGAKI>
<style type="text/css">p.tategaki { font-family: "MS ゴシック","MS Gothic",monospace,osaka; }</style>
<TT>
<pre>
<p class=tategaki>

                         幹  の  弁  年  今  グ  ダ  宮  上  た  |  が  場  東     京  早 
                        ┌┐ 後  和   ` 季  戦  |  大  回  し  0  斎  で  京     六  大 
                         4  も  歌  千  4  初  や  会  っ  た  で  藤  最  六     大  3 
                         年  加  山  葉  勝  完  ツ  へ  た   ° 大 ┌┐ 終  大     学  連 
                          ` 点 └┘ 経  目  封  |  の   ° 勝  勝  1  週  学     野  覇 
                         川  し  の  大  を   ° シ  出  早  ち  し  年  の  野     球    
                         和  た  3  付  挙  被  |  場  大  点   `  ` 早  球        斎 
                        └┘  ° 点 └┘ げ  安  ム  も  は  4  3  早  大  秋        藤 
                         が  慶  二  の  た  打  な  決  1  で  季  稲  |  季        が 
                         力  大  塁  適   ° 4  ど  め  1  明  連  田  慶  リ        1 
                         尽  は  打  時  打  で  の  た  月  大  続  実  大  |        5 
                         き  3  で  打  線  1  変   ° 1  と  4 └┘ 3  グ        奪 
                         た  連  4  と  は  5  化     0  並  0  の  回  は        三 
                          ° 投  点  本  1  奪  球     日  ん  度  活  戦  3        振 
                            の  を  田  回  三  が  斎  開  だ  目  躍  が  0         `
                            エ  先 ┌┐  ` 振  さ  藤  幕  が  の  で  あ  日        初 
                            |  取  4  松  の  え  は  の   ` 優  慶  り   `       完 
                            ス  し  年  本  力   ` ス  明  勝  勝  大   ` 神        封 
                            加   `  `┌┐ 投  リ  ラ  治  率  を  に  早  宮          
                            藤  そ  智  3  で  |  イ  神  で  果  7  大  球        東 
                                                                           
                                                                           


</p>
</pre>
</TT>
</TATEGAKI>
</result>


          

7. 縦書き表示の充実

                4 も 歌 千 4 初 や 宮 上 た | が 場 東   京 早                 年 加 山 葉 勝 完 ツ 大 回 し 0 斎 で 京   六 大                 ` 点 └┘ 経 目 封 | 会 っ た で 藤 最 六   大 3                 川 し の 大 を ° シ へ た ° 大 ┌┐ 終 大   学 連                 和 た 3 付 挙 被 | の ° 勝 勝 1 週 学   野 覇                 └┘ ° 点 └┘ げ 安 ム 出 早 ち し 年 の 野   球                   が 慶 二 の た 打 な 場 大 点 ` ` 早 球     斎                 力 大 塁 適 ° 4 ど も は 4 3 早 大 秋     藤                 尽 は 打 時 打 で の 決 1 で 季 稲 | 季     が                 き 3 で 打 線 1 変 め 1 明 連 田 慶 リ     1                 た 連 4 と は 5 化 た 月 大 続 実 大 |     5                 ° 投 点 本 1 奪 球 ° 1 と 4 └┘ 3 グ     奪                   の を 田 回 三 が 斎 0 並 0 の 回 は     三                   エ 先 ┌┐ ` 振 さ 藤 日 ん 度 活 戦 3     振                   | 取 4 松 の え は 開 だ 目 躍 が 0     `                   ス し 年 本 力 ` ス 幕 が の で あ 日     初                   加 ` `┌┐ 投 リ ラ の ` 優 慶 り `     完                   藤 そ 智 3 で | イ 明 勝 勝 大 ` 神     封                   幹 の 弁 年 今 グ ダ 治 率 を に 早 宮                         ┌┐ 後 和 ` 季 戦 | 神 で 果 7 大 球     東                                                                                                    

事典

大学野球
連覇
東京
早大
斎藤
三振
完封
慶大
早大
斎藤
大学野球秋季リーグ
千葉経大付
リーグ戦
エース加藤幹
明治神宮大会
適時打
勝ち点
早稲田実
最終週

杜子春(25%圧縮版)

 或春の日暮れです。唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。名を杜子春と言って、元は金持ちの息子でしたが、今は財産を使い尽くして、その日の暮らしにも困る位、憐れな身分になっているのです。一人の老人が彼の前で足を止め、「お前は何を考えているのだ。」と、横柄に言葉をかけました。「私は今夜寝るところもないので、どうしたものかと考えているのです。」と、杜子春が答えると、老人は往来にさしている夕日を指さしながら、「おれが好いことを教えてやろう。お前の陰の頭に当たる所を夜中に掘ってみるが好い。きっと車一ぱいの黄金が埋まっている筈だから。」「ほんとうですか。」杜子春が驚いて眼を挙げた時、老人の姿は消えていました。その老人の言葉通り、大きな車に余る位、黄金が出て来て、杜子春は一日の内に洛陽一の大金持ちになりました。すぐに立派な家を買って、玄宗皇帝にも負けない位、贅沢な暮らしを始めました。ところが三年目の春、杜子春は以前の通り、一文無しになって、あの洛陽の西の門の下に立っていました。すると、一人の老人があらわれ、「お前は何を考えているのだ。」と、声をかけるではありませんか。そして、陰の胸に当たる所を掘れば、車一杯の黄金が埋まっていると言って消えました。杜子春は忽ち天下第一の金持ちに返りましたが、三年で黄金はすっかりなくなってしまいました。「お前は何を考えているのだ。」又もや老人があらわれ「お前の陰の腹に。」と言いかけると、杜子春はその言葉を遮りました。「お金はもういらないのです。薄情な人間というものに愛想がつきましたあなたの弟子になって、仙術の修行をしたいと思うのです。」「おれは峨眉山に棲む、鉄冠子という仙人だ。おれの弟子にとり立ててやろう。」鉄冠子は青竹を一本拾い上げ、呪文を唱えながら杜子春とそれに跨って、峨眉山に舞い下りました。深い谷に臨んだ一枚岩の上でした。「おれはこれから天上へ行って来るが、どんなことが起ころうとも、決して声を出すのではないぞ。もし一言でも口を利いたら、仙人にはなれないものだと覚悟をしろ。」「決して声を出しはしません。命がなくなっても黙っています。」杜子春はたった一人、岩の上に坐ったまま、静に星を眺めていました。すると、突然、空中に「そこにいるのは何者だ。」と声がしました。杜子春が黙っていると、「返事をしないと、命はないものと覚悟しろ。」と脅しつけるのです。なおも黙っていると、虎と大きな白蛇が杜子春に飛びかかってきました。しかしその一瞬、虎と蛇は霧の如く消え失せ、今度は、金の鎧の、身の丈三丈もあろうという神将が現れ、「どうしても返事をしなければ、命はとってやるぞ。」と、三つ叉の矛で杜子春を突き殺しました。地獄の底へ下りていった杜子春の魂は、剣の山や血の池、焦熱地獄、極寒地獄など、あらゆる責苦に遇わされましたが、一言も口を利きませんでした。さすがの閻魔大王も眉をひそめ、「畜生道に落ちている、この男の父母を引き立てて来い。」と命じました。「打て。鬼ども。その二匹の畜生を肉も骨も打ち砕いてしまえ。」と、閻魔大王は凄まじい声で喚きました。鬼どもは鉄の鞭で四方八方から未練未釈なく打ちのめしました。馬は苦しそうに身をもだえ、眼に血の涙を浮べ、嘶き立てました。杜子春は仙人の戒めも忘れ、半死の馬の首を抱いて「お母さん。」と一声叫びました。その声に気がついて見ると、杜子春はやはり夕日を浴びて、洛陽の西の門の下にぼんやり佇んでいるのでした。老人は微笑みながら言いました。「どうだな。とても仙人にはなれはすまい。もしお前が黙っていたら、即座にお前の命を絶ってしまおうと思っていたのだ。お前はこれから何になったら好いと思うな 。」「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをするつもりです。」「その言葉を忘れるなよ。今日限り、二度とお前には遇わないから。」歩きかけた鉄冠子は足を止めて、さも愉快そうに付け加えました。「おお、幸い、今思い出したが、おれは泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速言って住まうが好い。今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう。」

杜子春(原文)

 或春の日暮です。 唐の都洛陽らくやうの西の門の下に、ぼんやり空を仰いでゐる、一人の若者がありました。  若者は名は杜子春とししゆんといつて、元は金持の息子でしたが、今は財産を費つかひ尽つくして、その日の暮しにも困る位、憐あはれな身分になつてゐるのです。  何しろその頃洛陽といへば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来わうらいにはまだしつきりなく、人や車が通つてゐました。門一ぱいに当つてゐる、油のやうな夕日の光の中に、老人のかぶつた紗しやの帽子や、土耳古トルコの女の金の耳環や、白馬に飾つた色糸の手綱たづなが、絶えず流れて行く容子ようすは、まるで画のやうな美しさです。  しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭もたせて、ぼんやり空ばかり眺めてゐました。空には、もう細い月が、うらうらと靡なびいた霞の中に、まるで爪の痕あとかと思ふ程、かすかに白く浮んでゐるのです。 「日は暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行つても、泊めてくれる所はなささうだし――こんな思ひをして生きてゐる位なら、一そ川へでも身を投げて、死んでしまつた方がましかも知れない。」  杜子春はひとりさつきから、こんな取りとめもないことを思ひめぐらしてゐたのです。  するとどこからやつて来たか、突然彼の前へ足を止めた、片目眇すがめの老人があります。それが夕日の光を浴びて、大きな影を門へ落すと、ぢつと杜子春の顔を見ながら、 「お前は何を考へてゐるのだ。」と、横柄わうへいに言葉をかけました。 「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」  老人の尋ね方が急でしたから、杜子春はさすがに眼を伏せて、思はず正直な答をしました。 「さうか。それは可哀さうだな。」  老人は暫しばらく何事か考へてゐるやうでしたが、やがて、往来にさしてゐる夕日の光を指さしながら、 「ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つて、お前の影が地に映つたら、その頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」 「ほんたうですか。」  杜子春は驚いて、伏せてゐた眼を挙げました。所が更に不思議なことには、あの老人はどこへ行つたか、もうあたりにはそれらしい、影も形も見当りません。その代り空の月の色は前よりも猶なほ白くなつて、休みない往来の人通りの上には、もう気の早い蝙蝠かうもりが二三匹ひらひら舞つてゐました。  杜子春とししゆんは一日の内に、洛陽の都でも唯一人といふ大金持になりました。あの老人の言葉通り、夕日に影を映して見て、その頭に当る所を、夜中にそつと掘つて見たら、大きな車にも余る位、黄金が一山出て来たのです。  大金持になつた杜子春は、すぐに立派な家を買つて、玄宗げんそう皇帝にも負けない位、贅沢ぜいたくな暮しをし始めました。蘭陵らんりようの酒を買はせるやら、桂州の竜眼肉りゆうがんにくをとりよせるやら、日に四度色の変る牡丹ぼたんを庭に植ゑさせるやら、白孔雀しろくじやくを何羽も放し飼ひにするやら、玉を集めるやら、錦を縫はせるやら、香木かうぼくの車を造らせるやら、象牙の椅子を誂あつらへるやら、その贅沢を一々書いてゐては、いつになつてもこの話がおしまひにならない位です。  するとかういふ噂うはさを聞いて、今までは路で行き合つても、挨拶さへしなかつた友だちなどが、朝夕遊びにやつて来ました。それも一日毎に数が増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春の家へ来ないものは、一人もない位になつてしまつたのです。杜子春はこの御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。その酒盛りの又盛なことは、中々口には尽されません。極ごくかいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、天竺てんぢく生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれてゐると、そのまはりには二十人の女たちが、十人は翡翠ひすゐの蓮の花を、十人は瑪瑙めなうの牡丹の花を、いづれも髪に飾りながら、笛や琴を節面白く奏してゐるといふ景色なのです。  しかしいくら大金持でも、御金には際限がありますから、さすがに贅沢家ぜいたくやの杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。さうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通つてさへ、挨拶一つして行きません。ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文無しになつて見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸さうといふ家は、一軒もなくなつてしまひました。いや、宿を貸す所か、今では椀に一杯の水も、恵んでくれるものはないのです。  そこで彼は或日の夕方、もう一度あの洛陽の西の門の下へ行つて、ぼんやり空を眺めながら、途方に暮れて立つてゐました。するとやはり昔のやうに、片目眇すがめの老人が、どこからか姿を現して、 「お前は何を考へてゐるのだ。」と、声をかけるではありませんか。  杜子春は老人の顔を見ると、恥しさうに下を向いた儘まま、暫しばらくは返事もしませんでした。が、老人はその日も親切さうに、同じ言葉を繰返しますから、こちらも前と同じやうに、 「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」と、恐る恐る返事をしました。 「さうか。それは可哀さうだな、ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その胸に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」   老人はかう言つたと思ふと、今度も亦また人ごみの中へ、掻き消すやうに隠れてしまひました。  杜子春はその翌日から、忽たちまち天下第一の大金持に返りました。と同時に相変らず、仕放題しはうだいな贅沢をし始めました。庭に咲いてゐる牡丹の花、その中に眠つてゐる白孔雀、それから刀を呑んで見せる、天竺から来た魔法使――すべてが昔の通りなのです。  ですから車に一ぱいあつた、あの夥おびただしい黄金も、又三年ばかり経たつ内には、すつかりなくなつてしまひました。 「お前は何を考へてゐるのだ。」  片目眇の老人は、三度杜子春の前へ来て、同じことを問ひかけました。勿論彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破つてゐる三日月の光を眺めながら、ぼんやり佇たたずんでゐたのです。 「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしようかと思つてゐるのです。」 「さうか。それは可哀さうだな。ではおれが好いことを教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その腹に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの――」  老人がここまで言ひかけると、杜子春は急に手を挙げて、その言葉を遮さへぎりました。 「いや、お金はもう入らないのです。」 「金はもう入らない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう飽きてしまつたと見えるな。」  老人は審いぶかしさうな眼つきをしながら、ぢつと杜子春の顔を見つめました。 「何、贅沢に飽きたのぢやありません。人間といふものに愛想がつきたのです。」  杜子春は不平さうな顔をしながら、突慳貪つつけんどんにかう言ひました。 「それは面白いな。どうして又人間に愛想が尽きたのだ?」 「人間は皆薄情です。私が大金持になつた時には、世辞も追従つゐしようもしますけれど、一旦貧乏になつて御覧なさい。柔やさしい顔さへもして見せはしません。そんなことを考へると、たとひもう一度大金持になつた所が、何にもならないやうな気がするのです。」 老人は杜子春の言葉を聞くと、急ににやにや笑ひ出しました。 「さうか。いや、お前は若い者に似合はず、感心に物のわかる男だ。ではこれからは貧乏をしても、安らかに暮して行くつもりか。」  杜子春はちよいとためらひました。が、すぐに思ひ切つた眼を挙げると、訴へるやうに老人の顔を見ながら、 「それも今の私には出来ません。ですから私はあなたの弟子になつて、仙術の修業をしたいと思ふのです。いいえ、隠してはいけません。あなたは道徳の高い仙人でせう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすることは出来ない筈です。どうか私の先生になつて、不思議な仙術を教へて下さい。」  老人は眉をひそめた儘、暫くは黙つて、何事か考へてゐるやうでしたが、やがて又につこり笑ひながら、 「いかにもおれは峨眉山がびさんに棲すんでゐる、鉄冠子てつくわんしといふ仙人だ。始めお前の顔を見た時、どこか物わかりが好ささうだつたから、二度まで大金持にしてやつたのだが、それ程仙人になりたければ、おれの弟子にとり立ててやらう。」と、快く願を容いれてくれました。  杜子春は喜んだの、喜ばないのではありません。老人の言葉がまだ終らない内に、彼は大地に額をつけて、何度も鉄冠子に御時宜おじぎをしました。 「いや、さう御礼などは言つて貰ふまい。いくらおれの弟子にした所で、立派な仙人になれるかなれないかは、お前次第できまることだからな。――が、兎も角もまづおれと一しよに、峨眉山の奥へ来て見るが好い。おお、幸さいはひ、ここに竹杖が一本落ちてゐる。では早速これへ乗つて、一飛びに空を渡るとしよう。」  鉄冠子はそこにあつた青竹を一本拾ひ上げると、口の中に呪文じゆもんを唱へながら、杜子春と一しよにその竹へ、馬にでも乗るやうに跨またがりました。すると不思議ではありませんか。竹杖は忽たちまち竜のやうに、勢よく大空へ舞ひ上つて、晴れ渡つた春の夕空を峨眉山の方角へ飛んで行きました。  杜子春は胆きもをつぶしながら、恐る恐る下を見下しました。が、下には唯青い山々が夕明りの底に見えるばかりで、あの洛陽の都の西の門は、(とうに霞に紛まぎれたのでせう。)どこを探しても見当りません。その内に鉄冠子は、白い鬢びんの毛を風に吹かせて、高らかに歌を唱ひ出しました。 朝あしたに北海に遊び、暮には蒼梧さうご。 袖裏しうりの青蛇せいだ、胆気たんき粗そなり。 三たび嶽陽がくやうに入れども、人識らず。 朗吟して、飛過ひくわす洞庭湖。  二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞ひ下りました。  そこは深い谷に臨んだ、幅の広い一枚岩の上でしたが、よくよく高い所だと見えて、中空に垂れた北斗の星が、茶碗程の大きさに光つてゐました。元より人跡の絶えた山ですから、あたりはしんと静まり返つて、やつと耳にはひるものは、後の絶壁に生えてゐる、曲りくねつた一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけです。  二人がこの岩の上に来ると、鉄冠子は杜子春を絶壁の下に坐らせて、「おれはこれから天上へ行つて、西王母せいわうぼに御眼にかかつて来るから、お前はその間ここに坐つて、おれの帰るのを待つてゐるが好い。多分おれがゐなくなると、いろいろな魔性ましやうが現れて、お前をたぶらかさうとするだらうが、たとひどんなことが起らうとも、決して声を出すのではないぞ。もし一言でも口を利いたら、お前は到底仙人にはなれないものだと覚悟をしろ。好いか。天地が裂けても、黙つてゐるのだぞ。」と言ひました。 「大丈夫です。決して声なぞは出しはしません。命がなくなつても、黙つてゐます。」 「さうか。それを聞いて、おれも安心した。ではおれは行つて来るから。」  老人は杜子春に別れを告げると、又あの竹杖に跨またがつて、夜目にも削つたやうな山々の空へ、一文字に消えてしまひました。  杜子春はたつた一人、岩の上に坐つた儘、静に星を眺めてゐました。すると彼是かれこれ半時ばかり経つて、深山の夜気が肌寒く薄い着物に透とほり出した頃、突然空中に声があつて、 「そこにゐるのは何者だ。」と叱りつけるではありませんか。  しかし杜子春は仙人の教通り、何とも返事をしずにゐました。  所が又暫くすると、やはり同じ声が響いて、 「返事をしないと立ち所に、命はないものと覚悟しろ。」と、いかめしく嚇おどしつけるのです。  杜子春は勿論黙つてゐました。  と、どこから登つて来たか、爛々らんらんと眼を光らせた虎が一匹、忽然こつぜんと岩の上に躍り上つて、杜子春の姿を睨みながら、一声高く哮たけりました。のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈しくざわざわ揺れたと思ふと、後の絶壁の頂からは、四斗樽程の白蛇はくだが一匹、炎のやうな舌を吐いて、見る見る近くへ下りて来るのです。  杜子春はしかし平然と、眉毛も動かさずに坐つてゐました。  虎と蛇とは、一つ餌食を狙つて、互に隙でも窺うかがふのか、暫くは睨合ひの体でしたが、やがてどちらが先ともなく、一時に杜子春に飛びかかりました。が、虎の牙に噛まれるか、蛇の舌に呑まれるか、杜子春の命は瞬またたく内に、なくなつてしまふと思つた時、虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて、後には唯、絶壁の松が、さつきの通りこうこうと枝を鳴らしてゐるばかりなのです。杜子春はほつと一息しながら、今度はどんなことが起るかと、心待ちに待つてゐました。  すると一陣の風が吹き起つて、墨のやうな黒雲が一面にあたりをとざすや否や、うす紫の稲妻がやにはに闇を二つに裂いて、凄じく雷らいが鳴り出しました。いや、雷ばかりではありません。それと一しよに瀑たきのやうな雨も、いきなりどうどうと降り出したのです。杜子春はこの天変の中に、恐れ気もなく坐つてゐました。風の音、雨のしぶき、それから絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山がびさんも、覆くつがへるかと思ふ位でしたが、その内に耳をもつんざく程、大きな雷鳴が轟とどろいたと思ふと、空に渦巻いた黒雲の中から、まつ赤な一本の火柱が、杜子春の頭へ落ちかかりました。  杜子春は思はず耳を抑へて、一枚岩の上へひれ伏しました。が、すぐに眼を開いて見ると、空は以前の通り晴れ渡つて、向うに聳そびえた山山の上にも、茶碗程の北斗の星が、やはりきらきら輝いてゐます。して見れば今の大あらしも、あの虎や白蛇と同じやうに、鉄冠子てつくわんしの留守をつけこんだ、魔性の悪戯いたづらに違ひありません。杜子春は漸やうやく安心して、額の冷汗を拭ひながら、又岩の上に坐り直しました。  が、そのため息がまだ消えない内に、今度は彼の坐つてゐる前へ、金の鎧よろひを着下きくだした、身の丈三丈もあらうといふ、厳かな神将が現れました。神将は手に三叉みつまたの戟ほこを持つてゐましたが、いきなりその戟の切先を杜子春の胸もとへ向けながら、眼を嗔いからせて叱りつけるのを聞けば、 「こら、その方は一体何物だ。この峨眉山といふ山は、天地開闢かいびやくの昔から、おれが住居すまひをしてゐる所だぞ。それも憚はばからずたつた一人、ここへ足を踏み入れるとは、よもや唯の人間ではあるまい。さあ命が惜しかつたら、一刻も早く返答しろ。」と言ふのです。  しかし杜子春は老人の言葉通り、黙然もくねんと口を噤つぐんでゐました。 「返事をしないか。――しないな。好し。しなければ、しないで勝手にしろ。その代りおれの眷属けんぞくたちが、その方をずたずたに斬つてしまふぞ。」  神将は戟ほこを高く挙げて、向うの山の空を招きました。その途端に闇がさつと裂けると、驚いたことには無数の神兵が、雲の如く空に充満みちみちて、それが皆槍や刀をきらめかせながら、今にもここへ一なだれに攻め寄せようとしてゐるのです。  この景色を見た杜子春は、思はずあつと叫びさうにしましたが、すぐに又鉄冠子の言葉を思ひ出して、一生懸命に黙つてゐました。神将は彼が恐れないのを見ると、怒つたの怒らないのではありません。 「この剛情者め。どうしても返事をしなければ、約束通り命はとつてやるぞ。」  神将はかう喚わめくが早いか、三叉みつまたの戟ほこを閃ひらめかせて、一突きに杜子春を突き殺しました。さうして峨眉山もどよむ程、からからと高く笑ひながら、どこともなく消えてしまひました。勿論この時はもう無数の神兵も、吹き渡る夜風の音と一しよに、夢のやうに消え失せた後だつたのです。  北斗の星は又寒さうに、一枚岩の上を照らし始めました。絶壁の松も前に変らず、こうこうと枝を鳴らせてゐます。が、杜子春はとうに息が絶えて、仰向あふむけにそこへ倒れてゐました。  杜子春の体は岩の上へ、仰向けに倒れてゐましたが、杜子春の魂は、静に体から抜け出して、地獄の底へ下りて行きました。  この世と地獄との間には、闇穴道あんけつだうといふ道があつて、そこは年中暗い空に、氷のやうな冷たい風がぴゆうぴゆう吹き荒すさんでゐるのです。杜子春はその風に吹かれながら、暫くは唯ただ木の葉のやうに、空を漂つて行きましたが、やがて森羅殿しんらでんといふ額の懸つた立派な御殿の前へ出ました。  御殿の前にゐた大勢の鬼は、杜子春の姿を見るや否や、すぐにそのまはりを取り捲いて、階きざはしの前へ引き据ゑました。階の上には一人の王様が、まつ黒な袍きものに金の冠かんむりをかぶつて、いかめしくあたりを睨んでゐます。これは兼ねて噂うはさに聞いた、閻魔えんま大王に違ひありません。杜子春はどうなることかと思ひながら、恐る恐るそこへ跪ひざまづいてゐました。 「こら、その方は何の為に、峨眉山の上へ坐つてゐた?」  閻魔大王の声は雷のやうに、階の上から響きました。杜子春は早速その問に答へようとしましたが、ふと又思ひ出したのは、「決して口を利くな。」といふ鉄冠子の戒めの言葉です。そこで唯頭を垂れた儘、唖おしのやうに黙つてゐました。すると閻魔大王は、持つてゐた鉄の笏しやくを挙げて、顔中の鬚ひげを逆立てながら、 「その方はここをどこだと思ふ? 速すみやかに返答をすれば好し、さもなければ時を移さず、地獄の呵責かしやくに遇あはせてくれるぞ。」と、威丈高ゐたけだかに罵ののしりました。  が、杜子春は相変らず唇くちびる一つ動かしません。それを見た閻魔大王は、すぐに鬼どもの方を向いて、荒々しく何か言ひつけると、鬼どもは一度に畏かしこまつて、忽ち杜子春を引き立てながら、森羅殿の空へ舞ひ上りました。  地獄には誰でも知つてゐる通り、剣つるぎの山や血の池の外にも、焦熱せうねつ地獄といふ焔の谷や極寒ごくかん地獄といふ氷の海が、真暗な空の下に並んでゐます。鬼どもはさういふ地獄の中へ、代る代る杜子春を抛はふりこみました。ですから杜子春は無残にも、剣に胸を貫かれるやら、焔に顔を焼かれるやら、舌を抜かれるやら、皮を剥がれるやら、鉄の杵きねに撞つかれるやら、油の鍋に煮られるやら、毒蛇に脳味噌を吸はれるやら、熊鷹に眼を食はれるやら、――その苦しみを数へ立ててゐては、到底際限がない位、あらゆる責苦せめくに遇はされたのです。それでも杜子春は我慢強く、ぢつと歯を食ひしばつた儘、一言も口を利きませんでした。  これにはさすがの鬼どもも、呆れ返つてしまつたのでせう。もう一度夜のやうな空を飛んで、森羅殿の前へ帰つて来ると、さつきの通り杜子春を階きざはしの下に引き据ゑながら、御殿の上の閻魔大王に、 「この罪人はどうしても、ものを言ふ気色けしきがございません。」と、口を揃へて言上ごんじやうしました。  閻魔大王は眉をひそめて、暫く思案に暮れてゐましたが、やがて何か思ひついたと見えて、 「この男の父母ちちははは、畜生道に落ちてゐる筈だから、早速ここへ引き立てて来い。」と、一匹の鬼に云ひつけました。  鬼は忽ち風に乗つて、地獄の空へ舞ひ上りました。と思ふと、又星が流れるやうに、二匹の獣を駆り立てながら、さつと森羅殿の前へ下りて来ました。その獣を見た杜子春は、驚いたの驚かないのではありません。なぜかといへばそれは二匹とも、形は見すぼらしい痩せ馬でしたが、顔は夢にも忘れない、死んだ父母の通りでしたから。 「こら、その方は何のために、峨眉山の上に坐つてゐたか、まつすぐに白状しなければ、今度はその方の父母に痛い思ひをさせてやるぞ。」  杜子春はかう嚇おどされても、やはり返答をしずにゐました。 「この不孝者めが。その方は父母が苦しんでも、その方さへ都合が好ければ、好いと思つてゐるのだな。」  閻魔大王は森羅殿も崩れる程、凄じい声で喚きました。 「打て。鬼ども。その二匹の畜生を、肉も骨も打ち砕いてしまへ。」  鬼どもは一斉に「はつ」と答へながら、鉄の鞭むちをとつて立ち上ると、四方八方から二匹の馬を、未練未釈みれんみしやくなく打ちのめしました。鞭はりうりうと風を切つて、所嫌はず雨のやうに、馬の皮肉を打ち破るのです。馬は、――畜生になつた父母は、苦しさうに身を悶もだえて、眼には血の涙を浮べた儘、見てもゐられない程嘶いななき立てました。 「どうだ。まだその方は白状しないか。」  閻魔大王は鬼どもに、暫く鞭の手をやめさせて、もう一度杜子春の答を促しました。もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階きざはしの前へ、倒れ伏してゐたのです。  杜子春は必死になつて、鉄冠子の言葉を思ひ出しながら、緊かたく眼をつぶつてゐました。するとその時彼の耳には、殆ほとんど声とはいへない位、かすかな声が伝はつて来ました。 「心配をおしでない。私たちはどうなつても、お前さへ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王が何と仰おつしやつても、言ひたくないことは黙つて御出おいで。」  それは確に懐しい、母親の声に違ひありません。杜子春は思はず、眼をあきました。さうして馬の一匹が、力なく地上に倒れた儘、悲しさうに彼の顔へ、ぢつと眼をやつてゐるのを見ました。母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思ひやつて、鬼どもの鞭に打たれたことを、怨む気色けしきさへも見せないのです。大金持になれば御世辞を言ひ、貧乏人になれば口も利かない世間の人たちに比べると、何といふ有難い志でせう。何といふ健気な決心でせう。杜子春は老人の戒めも忘れて、転まろぶやうにその側へ走りよると、両手に半死の馬の頸を抱いて、はらはらと涙を落しながら、「お母さん。」と一声を叫びました。……  その声に気がついて見ると、杜子春はやはり夕日を浴びて、洛陽の西の門の下に、ぼんやり佇んでゐるのでした。霞んだ空、白い三日月、絶え間ない人や車の波、――すべてがまだ峨眉山へ、行かない前と同じことです。 「どうだな。おれの弟子になつた所が、とても仙人にはなれはすまい。」 片目眇すがめの老人は微笑を含みながら言ひました。 「なれません。なれませんが、しかし私はなれなかつたことも、反かへつて嬉しい気がするのです。」  杜子春はまだ眼に涙を浮べた儘、思はず老人の手を握りました。 「いくら仙人になれた所が、私はあの地獄の森羅殿の前に、鞭を受けてゐる父母を見ては、黙つてゐる訳には行きません。」 「もしお前が黙つてゐたら――」と鉄冠子は急に厳おごそかな顔になつて、ぢつと杜子春を見つめました。 「もしお前が黙つてゐたら、おれは即座にお前の命を絶つてしまはうと思つてゐたのだ。――お前はもう仙人になりたいといふ望も持つてゐまい。大金持になることは、元より愛想がつきた筈だ。ではお前はこれから後、何になつたら好いと思ふな。」 「何になつても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです。」  杜子春の声には今までにない晴れ晴れした調子が罩こもつてゐました。 「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、二度とお前には遇はないから。」  鉄冠子はかう言ふ内に、もう歩き出してゐましたが、急に又足を止めて、杜子春の方を振り返ると、 「おお、幸さいはひ、今思ひ出したが、おれは泰山の南の麓ふもとに一軒の家を持つてゐる。その家を畑ごとお前にやるから、早速行つて住まふが好い。今頃は丁度家のまはりに、桃の花が一面に咲いてゐるだらう。」と、さも愉快さうにつけ加へました。