2012/09/14 SANGENJAYA

三軒茶屋/かき氷屋

年代物のかき氷機と店主の石橋久美子さん

 猛暑が続き、節電の心掛けも必要な夏。日々の暮らしに涼しさを届けてくれるのは、やっぱり日本ならではのかき氷だ。写真家の荒木経惟さんが、老舗かき氷屋に集う人々を撮った。

 東京・三軒茶屋の「氷工房 石ばし」。本業は約50年の歴史を持つ氷問屋だが、夏季はかき氷屋として親しまれる。カウンターには年季の入った鉄製のかき氷機。「これすごいよ。今、なかなかないよな」と感心しきりのアラーキー。「古道具店で見つけ、20年以上使ってます。気温が32度以上だと粗く、涼しいと薄くふわふわにするんです」と店主の石橋久美子さん。アラーキー「これはもうアートだよ」

 

 この日、小倉有子さんは、国際結婚で米サンディエゴに住み、今は夏休みで帰省中の娘や孫たちと立ち寄った。3世代家族5人で食べるかき氷。「孫が毎日食べたいって言うんです。私も懐かしくって」
 

 「ノスタルジーはただの郷愁だけじゃない。そこに家族が集まったり、未来とつながってるんだ」
 

 店内を見上げると古いブラウン管のテレビが。その横の柱時計は2時49分を指していた。「震災直後に止まっちゃって。被災地の復旧が進んだら、動かそうと思うの」と石橋さん。ノスタルジーの先に未来が見える。

毎日でも食べたい!

涼しさと一緒に、家族の笑顔も広がる

ノスタルジックな店内。その写真に未来が映る