2012/08/16 KAMEIDO

亀戸/レトロ商店街

常連さんの好みは全部頭に入ってる。「だから、顔みたらすぐ量り始めるの」と富永美代子さん

 東京都江東区で最も古い歴史を持つ亀戸香取・勝運商店街。同じ東京の下町出身の荒木経惟さんが、懐かしい街並みを散歩しながら、そこに集う人々を撮った。


 商店街は2011年3月、「昭和30年代」をキーワードにリニューアルオープン。通りの一角はレトロな造りの建物で統一され、スピーカーからはタンゴが流れる。

「街並みが素晴らしいね。生まれ育ったところがこういう感じでさ」


 「みその丸定」は明治創業。おかみの豊永美代子さんは、ねじり鉢巻きにあさぎ色の鼻緒の草履。風情あふれる姿にアラーキー「粋だねえ」
 

 客の好みに合わせた特製ブレンドが人気で、遠くから車で買いに来る常連も。「ありふれたみそを売らないところがミソなのよ。やっぱり、日本古来の安くて、バランスのいい栄養食品を後世に残したいじゃない」と豊永さん。アラーキーがうなずく。

「そういう気持ちを売ってるってのがいいね。こころをさ」


 買い物客が増え始めた夕暮れ前。花屋の前を自転車で通り掛かった男性が、顔なじみらしい店の女性に袋を渡していた。中から出てきたのは...真っ赤なリンゴひとつ。うれしそうにシャッターを切るアラーキー。「わざと余ったからって言うのが下町なの。ちゃんと買ってきてんだ。思いがあって」

レトロな造りの建物が並ぶ商店街

粋な服装としゃもじが決まってる豊永さん。商店街の名物おかみだ。

下町の人情が詰まったりんご