2013/01/22 HIGASHIMURAYAMA

東村山市/酒蔵

日本酒が静かに眠る巨大なタンクと田中孝治さん

寒い季節ほどキリリとおいしく醸造される日本酒。写真家の荒木経惟さんが、1年で最も忙しい時期を迎えた東京の酒蔵で働く人々を撮った。

 東村山市で70年以上の歴史を誇る「豊島屋酒造」。前日に降った雪が屋根に残る酒蔵からは、米を蒸す際に出る蒸気がもくもくと上がっている。

 酒造りとともに営業部長も務める田中孝治さんは「日本酒は生きもの。米の蒸し具合も発酵具合も、五感をフル活用してチェックします」。

 

 

「セクシーじゃん。女性と同じ。日本酒も艶なんだよ。よし、テーマは『日本酒は女である』で決まり! ハハハ」

白濁した発酵段階のものが入った大きなタンクを楷でかき回す田中さん。発酵で出るガスが充満した屋内での撮影に「いるだけで酔っちゃうな」アラーキー「今日も美人だよって感じで...オッケー、いけてる」

 高温、高湿度が保たれた室で、上半身裸で蒸し米と向き合っていたのは酒造りの責任者、杜氏の石井治幸さん。この道約20年だが「正解のない世界なので毎回毎回、試されている気がする」。

田中さんによると東京でもここ数年で、不景気のためいくつかの蔵が操業をやめたという。

「やっぱり支えているのは職人さんだよ。伝えなきゃな、東京の蔵も頑張ってるぞって!」

豊島屋酒造の正面には、主力銘柄「金婚」の2文字が躍る

蒸し米をならす杜氏の石井治幸さん