2013/02/10 KOTOKU

江東区/町工場

「清水機会」の山崎秀雄社長。「女優じゃないし、写真は苦手」。いえいえ、ビシッと決まってます

小惑星の微粒子を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」。その「人類初のプロジェクト」の成功を、舞台裏で支えた小さな町工場がある。写真家の荒木経惟さんが、東京の下町と宇宙をつなぐ職人たちの仕事を撮った。

江東区の細い路地の一角にある「清水機械」。年季の入った機械、小さな部品や道具が雑然と並ぶ。「むさ苦しいところで悪いねえ」と社長の山崎秀雄さん。18歳で新潟から上京、職人歴は半世紀だ。 

「どうしても会いたくてね。素晴らしいですよ」アラーキー

プロジェクトで手掛けたのは、地球に帰還したカプセルや試料採取用のボックスの試作。映画「はやぶさ 遥かなる帰還」では、山崎さんがモデルの社長が登場、実際に工場で撮影も行われた。「たいしたことやってないんだけどね」と山崎さん。だが、その熟練の技は、今も日本の最先端技術の土台にある。 「ノーベル賞もんだからね」アラーキーが笑う。


 2階の畳の部屋では、松尾朋之さんが裸電球の下で図面を描いていた。「ロケット切り離しの基礎実験で使う装置の図面です」とさらり。

「立ちポーズが決まってる。いいぞ、孤高のアーティストみたいだ」

下町育ちのアラーキーにとって、町工場の職人は子どものころにかわいがってもらい、路上で「縁台将棋」を指した仲間だ。

「な、下町のおとっつあんはすごいんだよ」

裸電球の下で図面と向き合っていた松尾朋之さん。「図面は今でも手書きです」

宇宙へとつながる小さな部品を作る。真剣なまなざし