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  • 生き残るための闘いに肉薄 「フツーの仕事がしたい」


     「フツーの仕事がしたい」=(c)映像グループ ローポジション

     規制緩和は経済を活性化するが、競争原理だけを優先してしまえば、産業を底辺で支える人々にしわ寄せがくる。このドキュメンタリーは、そんな現実を浮き彫りにする。

     セメント輸送の運転手として働く36歳の皆倉信和さんは、月552時間にも及ぶ労働時間ゆえに家に帰ることもままならず、赤字を理由に賃金も一方的に下がっていく。

     限界を感じた彼は、ユニオン(労働組合)に救いを求めるが、その先に待ち受けていたのは、会社ぐるみのユニオン脱退工作だった。

     脱退工作はすさまじい。会社に雇われた男たちは、皆倉さんの母親の葬儀にまで押しかけ、騒ぎを引き起こす。カメラは、生き残るための闘いの実態に肉薄していく。

     皆倉さんと作り手である土屋トカチ監督との距離も見逃せない。疲れきった皆倉さんが闘い続けられるのか半信半疑だった監督の視点は、やがて深い共感と連帯感に変わる。そこにこのドキュメンタリーの醍醐味がある。★★★★★(大場正明・筆)

     【データ】

    監督・撮影・編集:土屋トカチ

    出演:皆倉信和

    10月4日(土)から東京・ポレポレ東中野、11日(土)から横浜・シネマ ジャック&ベティで公開

      【共同通信】