47NEWS >  共同ニュース  > 記事詳細
  •  ニュース詳細     
  • 昭和基地の廃棄物に心痛 還暦迎える越冬隊医師


     第51次南極観測隊に越冬隊として参加している医師の吉田二教さん=1月23日、昭和基地(南極観測隊同行記者撮影)

     【南極観測隊同行記者】第51次南極観測隊に越冬隊として参加している横浜市の医師吉田二教さん(59)=盛岡市出身=は6月、昭和基地で還暦を迎える。歴代越冬隊員で最高齢となる医師は、基地周辺に残る大量の廃棄物に心を痛めている。

     大学を卒業後、大学病院の外科で昼夜を問わず働き続けた。そんな毎日に疑問を感じ、50代になって病院を飛び出した。その後は豪華客船「飛鳥2」の船医を6年間務め、世界を6周した。

     幼いころに見たマナスルの記録映画を見て「いつかあんな場所に行ってみたい」と目指した南極。大学病院時代を含め越冬経験は3回目だ。「医者は仕事がないのが一番いい」と吉田さん。空いた時間は重機を操り、荷物運搬や観測隊全体の総務役もこなす。

     基地には燃料を除き約500トンの物資が毎年持ち込まれる。しかし廃棄物として持ち帰れるのは約300トンだけ。日本で処理する予算が決められているためで、残りは南極の廃棄物となり、増え続ける。

     「わたしを待っていたんだ。持ち帰ってあげよう」。吉田さんは、処理予算が増えるのを願いながら、日本から遠く離れた南極で廃棄物を拾い集めている。

      【共同通信】