ウーマンアイ 刀剣人気 歴女が進化、居合や殺陣に魅了![]() 居合道のけいこで刀を振り下ろす深谷真紀さん=東京都千代田区の体育館 女性たちが刀剣に魅入られている。居合や殺陣を学ぶ女性も増えてきた。戦国時代や幕末の歴史が好きな「歴女」たちが史跡めぐりなどに飽き足らず、さらに一歩踏み込んで自ら刀を振りたくなったようだ。 「敵の肩に刀が入ったら、斜めに切り下ろします」。師範の指導で、はかま姿の剣士たちが一斉に刀を振り下ろす。 首都圏で居合道を教える「居想会」(本部東京)が2010年1月中旬、都内の体育館で開いたけいこには男性に交じって5人の女性の姿があった。目の前の仮想敵を見据える彼女たちのまなざしは鋭い。 約170人の会員の4分の1が女性。関戸光賀代表は「凜とした武士にあこがれて入会する20代、30代の歴女が増えています」と話す。 3年余り前に入会した東京の会社員、深谷真紀さん(36)も歴女。「人斬り以蔵」と恐れられた幕末の暗殺者、岡田以蔵が好きだという。「当時の剣術は命を懸けた戦い。私もポーズだけの居合ではなく、リアルな動きを追求したい」 けいこで使うのは重さが1キロ近い合金製の模擬刀。女性は腕力では男性にかなわないが「体の使い方が分かると、男性よりスピーディーに動く人もいます」と関戸さん。 全日本剣道連盟によると、09年の全国の同連盟居合道初段取得者1270人のうち女性は約3割を占める。同連盟居合道委員長の岸本千尋さん(76)は「大学の居合道クラブにもどんどん女性が入っている。昔からは想像もできませんね」と話す。 プロの殺陣を一般に教える名古屋市の殺陣教室「ジャパンエンターテイメント」。夜のけいこ場に「死ねー」と、物騒な女性の声が響き渡った。 木に銀紙を張った偽の刃物で男性に切りかかったスポーツウエア姿の女性は忍者役。通り掛かった若殿の一行を、仲間の悪者とともに襲うというシナリオだ。女性たちは、死闘の果てに切られては顔をゆがめ、うめき声とともに床に倒れる。 悪役に扮した中尾雅美さん(43)は、三重県鈴鹿市の自宅から約1時間半かけて週1回のけいこに欠かさず通う。時代劇ファンで「いつか立ち回りをしたかった。最初は切る方がカッコよく見えたけど、切られる快感に目覚めました」と笑う。 女性の生徒は21人中15人と7割。代表の後藤利文さんが教える名古屋市内の別の教室は9割が女性だという。 美術品としての刀剣の人気も、女性の間で上昇中だ。岡山県瀬戸内市にある備前長船(びぜんおさふね)刀剣博物館の片山工館長は「以前は圧倒的に男性入場者が多かったが、ここ2年ほどで女性が増え、今は4割もいます」と言う。 女性たちはなぜ刀剣に魅了されるのか。岸本さんはこうみる。「今の女性は昔の女性のようにか弱くない。いざとなれば自分も敵と戦うという気概が、居合や殺陣に向かわせるのではないか」 【共同通信】
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