札幌の裁判員ら会見要旨(1)札幌地裁が20日、強制わいせつ致傷罪などに問われた被告に懲役8年の判決を言い渡した裁判員裁判で、裁判員を務めた6人と補充裁判員だった2人の記者会見のやりとり要旨は次の通り。 裁判員は法壇に向かって左から順に1番が会社員の男性(42)、2番40代女性、3番会社員の40代男性、4番無職の60代男性、5番会社員の50代男性、6番会社員の男性(50)。補充裁判員はAが40代男性、Bは会社員の20代女性。 ―裁判が終わっての感想。 1番 ほっとしているところもある。被害者の方や被告人のことを今後も考えてしまうのかなと思い、頭がいっぱいの状態です。 2番 ほっとはしていません。これでわたしはよかったのかと、日にちがたつにつれて疑問が起きるのではと不安に思っています。 3番 事件を対岸の火事と思っていたので、道徳的に考えないと、と思いました。 4番 疲れた。北海道初で注目度が高く、どっと重みを感じました。 5番 報道の人がいっぱいいてプレッシャーを感じました。裁判が開かれたものになるなら、やってもいいと思います。 6番 裁くことや、被害に遭った人への配慮がどうやって伝えられるのかということに苦労を感じました。犯罪に重い、軽いはないのかなという印象です。 補充A 裁判員の方は真剣に意見を言ったり、考えられていて、取り組み方が素晴らしかったと思います。 ―もう一度裁判員をやりたいですか。 1番 進んでやりたいとは思いませんが、もし選ばれたら参加したい気持ちです。 2番 もっと自分を磨いて、自分はまだ未熟で、もっと成長してからでないと、と思います。 3番 1番の方と同じで、もし機会があればやります。 4番 やりたい、やりたくないではなく、機会があれば、またやるだろうと思います。 5番 選ばれるならやります。 補充B 裁判員に選ばれることがあれば、ぜひやらせてほしいです。 ―次に裁判員になる人へひと言。 1番 あまり構えなくていいのかなと思いました。 2番 一生懸命考え、前向きな姿勢を取ってもらいたいです。 3番 真剣に考える一場面として、ぜひ頑張ってもらいたいです。 5番 この経験は大きかったので、やってみた方がいいと思います。 補充B いままで一般市民の意見が反映されることがなかったので、いい機会だと思う。中立な立場で自分の意見を述べてもらいたいです。 -評議の雰囲気はどうでしたか。 1番 裁判長、裁判官の方々にいろいろと説明していただき、集中できる雰囲気をつくってくれました。 2番 本当に和やかな雰囲気をつくり出してくれ、意見を素直に出せる感じにしてくれました。言いたいことを残すことなく、小さなことも素直に出せてよかった。 3番 集中した審議ができました。 4番 裁判官がうまくリードしてくれた。わたしたちの疑問点を見つけて説明してくれた。裁判長からは社交辞令かもしれませんが、模擬裁判よりうまくいったという話をしてもらいました。 6番 即席で集まったが、すぐチームのような状態になり、どんどん進んでいきました。 ―4日間の集中審理というスケジュールについてはどうですか。 1番 終わってみれば疲れている印象ですが、4日間続けることに意味があるんじゃないかなと。納得のいく結果が出せたと思います。 2番 十分に話し合うことができ、良かったのではないかと思います。 3番 長さは今回に関しては良かったのでは。札幌だけでなく遠くからだと日程を集中させた方が、評議も途切れず集中できるのではないかと。 4番 わたしはリタイアしているが、有給休暇とかもう少し企業の援助が必要。特別休暇とかも提起しておいた方がいいんじゃないでしょうか。 5番 日程が集中していないと、会社員としては困ります。 6番 長いか短いかは分からない。2日目の被告人質問で被告との質疑があり、3日目の朝、家を出るのが重たい気持ちでした。 補充B 社会人は週一回とかよりも裁判の内容に集中でき、スケジュールの調整もできる。負担のかかりにくい期間だったと思います。 ―書面による意見陳述でしたが、被害者の苦悩は伝わりましたか。 1番 苦悩はぐっとくるものがありました。 2番 書面と実際に話を聞くのでは全く違うと思います。裁判所で聞くのは難しいでしょうが、別の日に録音するなどの方法もあるのではないかと思います。 3番 被害に遭われた方は確かにきついものがあると思いました。書面で問題ないと思います。 4番 書面では書ききれないものがあると思います。ビデオも良いだろうが、難しいのではないかと思います。質問されるうちにいろいろな感情が出てくるでしょうし。 5番 書面でも仕方がないと考えます。十分感じることができました。 6番 録音も方法の一つかなと。今回は十分伝わりました。 ―被害者のプライバシー保護で感心した点や不満はありましたか。 1番 プライバシーは守られていました。 4番 裁判員にしか見えないようにするなど、十分考慮されていたと思います。 6番 パーフェクトに保護されたと思います。 ―法律で守秘義務が定められていますが、不安やジレンマはありますか。 1番 負担だと思ったことはありません。守秘義務は生涯守れます。 2番 わたしたちは真剣に話し合いました。面白がってやったわけではありません。負担は感じません。 3番 秘密は守ることができます。 5番 全く負担はありません。 ―初日の証拠調べで検察官が約85分続けて話しました。集中して聞けましたか。 2番 今聞いてびっくりするぐらいです。聞き漏らさないように真剣に聞いていたので、長くは感じませんでした。 6番 初めての経験なので、長いのか短いのかという尺度を持ち合わせていません。 ―自分の意見がどの程度判決に反映されたと考えていますか。判決に込めた思いはありますか。 1番 良い意見を交換できたと思います。被告に更生してもらいたい。被害者には一日も早く回復してもらいたい。 2番 すごく重たい裁判でした。加害者は息子と、被害者は娘と同年代で親の気持ちになってしまいます。判決の前日、娘に会いました。夕食をしてたわいのない話をしました。朝になってどうしようかと考えました。被害者の両親には憎くて憎くてという気持ちがあり、それよりも一番強いのは被害者に立ち直ってもらいたいという気持ちではと、一生懸命考えました。評議では、思ったことをのみ込むことは絶対しないようにと、朝決めました。わたしなりに一生懸命考えたということを伝えたいです。 ―今回は性犯罪というデリケートなテーマでした。(裁判員の)男女比率は気になりませんでしたか。 6番 特に気になりませんでした。負担はなかったと思います。 補充B 激しい偏りや男女の溝は感じませんでした。 2番 今になってわたしが女1人なんだと思いました。真剣に考えていたため、評議の間は全く感じませんでした。 【共同通信】
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