各省庁の主な税制改正要望各省庁が提出した2010年度税制改正に関する主な要望は次の通り。 【厚生労働省】来年度から支給する方針の「子ども手当」について、子育ての経済的負担の軽減効果を損なわないよう非課税とすることを要望。10年度予算の概算要求に、児童扶養手当の父子家庭への支給を盛り込んだことを踏まえ、実現した場合には同手当も非課税とするよう求めた。 一方、喫煙率を減少させることを目的に、たばこ税の税率引き上げを盛り込んだが、具体的な増税額の明示は見送った。 【環境省】温室効果ガスの排出量を25%削減する新目標に対応するため、ガソリンや石炭などすべての化石燃料を対象にした地球温暖化対策税の創設が柱。省エネルギー家電の購入を促すエコポイント制度などの財源として2兆円の確保を目指す。原油や石炭などの輸入業者らには石油石炭税、ガソリンなどの使用者には揮発油税などの徴税システムを使い課税する。エコカー減税の延長・拡充、住宅の省エネ改修などの減税の延長も盛り込んだ。このほか環境保全事業に投融資するファンドへの投資優遇制度、地元木材を使った新築建築物への固定資産税減税も新設するとしている。 【文部科学省】教育、文化の振興を図るため、奨学金団体や研究機関などに寄付をした際の所得税や法人税の優遇措置を要望。民間による図書館開設などの非課税措置を含め、国税と地方税で計13億円強の減収を見込んでいる。公立高校の実質無償化に伴い、控除額の見直しが検討されている所得税の特定扶養控除は維持を要望。増収につながる既存の租税特別措置の廃止や縮減は提案しなかった。 【国土交通省】親などから援助を受けた住宅購入資金にかかる贈与税の非課税枠を年最大610万円から2110万円に広げる。減税規模は508億円で、住宅の新規着工の促進を目指す。一方で、サラリーマンが社内で低利住宅融資を受けた場合の所得税などの軽減措置は廃止し52億円の増税となる。 このほか地方の航空ネットワークを維持するため、主に地方路線に就航する航空機に対する固定資産税の減免措置を拡充・延長。歩いて暮らせる「エコ・コンパクトシティ」づくりを進めるため、郊外から対象区域に移転してきた病院や保育所など生活関連施設の運営者に対する所得税や法人税の減免措置を新たに創設するとした。 【経済産業省】不況で経営が厳しい中小企業の法人税の軽減税率を18%から11%に引き下げるよう要望。減収額は2229億円(国税・地方税合計)。連結納税制度の改善や、一部のオーナー会社の役員給与に対する損金不算入措置の廃止を要望した。 租税特別措置の見直しでは、エネルギー関連の設備投資減税などの縮小・廃止で330億円の増収を見込む。阪神・淡路大震災の被災者の代替家屋に対する固定資産税などの軽減措置も廃止。8月に提出した減税要望の189億円を差し引くと141億円の財源を捻出した形となる。 【総務省】市町村税の税率が異なる自治体が合併した場合に、5年間は旧市町村ごとに税率を個別に設定できる激変緩和措置を、現行合併特例法の期限が切れる来年4月以降も継続するよう要望。自治会や町内会に対する不動産取得税などの一部非課税措置の新設も求めた。 【農林水産省】農水省が主管する租税特別措置で09年度末に期限を迎える16件のうち、10件の打ち切りを決めた。増収見込みは約8億円。農協などが国の補助を受けて共同利用施設を取得した際の不動産取得税約6億円が打ち切りの柱。一方、農林漁業用A重油の石油石炭税減免措置などは延長を要望した。新規要望は初めて見送った。 【金融庁】家計の「貯蓄から投資へ」の流れを促進するため、さまざまな金融商品についてもうけや損失を合算して課税する「損益通算」の範囲拡大が柱。現在は上場株式などで認められているが、債券や預金にも適用するよう求めた。ほかに、毎年一定額までの小口の株式投資などについて配当金や譲渡益を非課税にする制度の新設や、生命保険料控除制度で介護・医療保障を新たな枠として設ける変更に伴う法制上の措置を要望。 【外務省】途上国支援などに活用する「国際開発連帯税」の新設を要望した。具体的な課税対象や使い道は今後、政府内で議論する。連帯税は、国を越える人や資金の移動に課税し、途上国支援や温暖化対策に活用するというもの。すでに導入したフランス、韓国は航空券に課税し感染症対策に利用。為替や株取引に課税する案も各国で検討されている。 【共同通信】
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