体細胞の種類で安全性に差 iPSで京大と慶大確認さまざまな組織に成長する新型万能細胞(iPS細胞)は、もとになる体細胞の種類により、移植治療に用いた際に腫瘍ができる危険性が大きく異なることを、山中伸弥京都大教授と岡野栄之慶応大教授のチームがマウスの実験で突き止めた。 将来実施が期待されるiPS細胞を使った再生医療で、安全性の高い細胞の開発につながる成果という。岡野教授は「体細胞に組み込む遺伝子の種類や作製法が安全性に影響を与えると思われていたが、どの体細胞から作るかが最も重要なようだ」と話している。 成果は9日付の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジーに発表された。 チームは、マウスのさまざまな組織の体細胞からiPS細胞を作製。神経のもとになる細胞へ分化させ、別のマウスの脳に移植した。 その結果、おとなのしっぽから作ったiPS細胞では、移植した55匹中46匹が腫瘍で死んだり衰弱したりした。一方、胎児の皮膚からのiPS細胞では、100匹のうち腫瘍で死んだり衰弱したりしたのは8匹だけ。おとなの胃から作ったiPS細胞を移植した8匹に腫瘍はできず、体細胞により腫瘍の発生に大きな差があった。 また、iPS細胞を作る際に、がん遺伝子を使った場合と使わなかった場合を比較したが、腫瘍の発生に差は無かった。 チームは、もとになる体細胞の種類により分化能力に差があり、未分化のまま残った細胞から腫瘍ができたとみている。 【共同通信】
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