移植数増か、脳死限定か 2案の立場に隔たり臓器移植法改正は26日、参院での論戦が始まった。「脳死は一般に人の死」と位置付ける衆院案(A案)が臓器提供数の増加を目指すのに対し、「子ども脳死臨調」を設置する参院野党有志の対案は、脳死の定義などは現行法のままで、立場の隔たりは大きい。早期衆院解散が取りざたされる中、十分な審議日程が確保できるか不透明だ。 衆院案提出者の冨岡勉衆院議員(自民)は26日の参院本会議で、日本の脳死移植件数に関し「欧米諸国の数十分の一に過ぎない」と指摘。本人が生前に拒否表明していなければ家族の同意で臓器提供を可能にする改正内容については「諸外国と要件をそろえる」と強調した。対案提出者の川田龍平参院議員(無所属)は「臓器移植は人間の尊厳保持に重大な影響を与える可能性がある」と脳死を限定的にとらえるべきとの考え。 川田氏は、子どもの脳死判定については「専門家の間でも意見が異なる。対応策を確立しないまま移植を開始すると、社会問題が生じる」と述べ、子ども脳死臨調で慎重に検討を進めるべきとの認識を示した。冨岡氏は子どもの脳死判定に関し「難しくない」と指摘。ただ大人よりも厳しい基準を設けるなど一定の配慮を検討するとした。 参院厚生労働委員会は同日の理事懇談会で、30日の委員会で実質審議入りし、7月2日に参考人質疑する日程で合意した。さらに2日程度の審議が行われるとの見方が強く、麻生太郎首相が衆院選の8月上旬投票を決断した場合、解散までに採決が間に合わず、2案とも廃案の可能性も出てくる。 【共同通信】
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