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後絶たない「北投石」盗難 玉川温泉の効能背景に
がんに効く温泉としてマスコミに紹介され、年間約14万5000人が訪れる秋田県田沢湖町の玉川温泉で、国の特別天然記念物「北投石(ほくとうせき)」が盗まれる事件が後を絶たない。「万病に効く」とインターネットで取引されたり、ただの石を高値で売り付けたりするなど、病に悩む患者や家族の気持ちにつけ込む行為に、関係者は怒りを隠さない。
▽1グラム1300円
年末年始もたくさんの湯治客が滞在した玉川温泉は、温度98度、pH(ペーハー)1・2という非常に強い酸性の湯が、毎分約9000リットルゆう出している。塩酸が多く含まれ、世界的にも特異な泉質で知られる。
北投石は、温泉の成分が長い年月をかけて結晶した鉱物で、ラジウムなど微量の放射線を発する。台湾の北投温泉と玉川温泉の2カ所でしか採れないとされる。
秋田県警は昨年10月に北投石約7.7キロをハンマーで砕くなどして盗んだとして、文化財保護法違反(現状変更、損傷)などの疑いで、青森県弘前市などの無職の男3人を逮捕。男らは「インターネットで売られているのを知り、もうかると思った」と供述した。
採取が禁止される以前の北投石を扱っているという業者によると、相場は1グラム300-1300円。がんやリウマチに効くという口コミで、腰巻きや風呂に入れる人が多いという。3人が盗掘した量を高値でさばけば1000万円を超す計算になる。
▽放射線は微量
秋田県文化財保護室は1995年以降、8件の盗掘を確認したが、うち6件は未解決のまま。現在も自然公園管理員がパトロールしているが「一般の人の監視に期待するしかない」のが現状だ。
玉川温泉研究会理事で医師の杉江忠之助さん(78)は「北投石そのものが出す放射線はごく微量で、人体に及ぼす影響はほとんどない」とするが、湯治を通じ体力が回復するケースは少なくない。
肺がんを患い、6年間通っているという男性(75)は「息が切れなくなった。友人の女性も乳がんが小さくなった」と話した。
【共同通信】
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