47NEWS >  共同ニュース  > 記事詳細
  •  ニュース詳細     
  • ギリシャ神話に登場する巨人神に、プロメテウスとエピメテウスの兄弟がいる。兄はゼウスが隠した火を人類に与え、弟はパンドラと結婚し人類に災いをもたらしたことで知られる。2人の名に共通するメテウスはギリシャ語で「考える者」の意。プロは「先に」、エピは「後で」という意味だから、熟慮し先見の明がある兄、思慮が浅く後悔ばかりしている弟となる。神話の世界ゆえに対照的に描かれたのだろう。同じ欧州の古い言葉のラテン語で「先に」「〜に先だって」は「プリウス」。トヨタ自動車は1997年に発売した世界初のハイブリッド量産車にその名をつけた。環境に配慮した車の先駆けという強い自負があったからに違いない。原油高などを背にしたここ数年の快走ぶりは「先見の明」をうかがわせるが、新型プリウスのブレーキ問題をめぐる対応は後手の連続。遅ればせながらの社長会見も陳謝に終始し、リコール(無料の回収・修理)に追い込まれた形だ。リコールは製造業にとって大きな傷ではある。品質の高さが売りのトヨタだけに、何とか避けたいとの思いが強かったのだろう。ただし、そのためらいが傷をさらに深くすることは自明の理。どことなくエピメテウスのようにも映る。激しい販売競争の中で、消費者からいったん張られたレッテルをはがすのは簡単ではない。これから流す汗の量が賢者と愚者を分けるのだろう。
    [記事全文]
      【高知新聞】