愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が、ハワイ沖で米原子力潜水艦に衝突され、沈没してからきょうで11年だ。実習生ら9人が亡くなった痛ましい事故をご記憶の方も多いだろう▼原潜は緊急浮上の訓練中だった。最新鋭艦である。頭上の実習船をなぜ察知できないのか、解せなかった。事故時、客として乗っていた民間人が操舵(そうだ)席の一つに座り、かじを握っていたことが判明した。装備は最高でも、モラルは最低だった▼遺族や関係者の怒りは今も収まるまい。犠牲者を悼み、悲劇を繰り返させまいと、2月10日は「海の安全祈念日」となった。全国水産高等学校長協会が、2003年に制定したものだ▼新潟東港であわや大惨事の船舶衝突事故が起き、貨物船が沈没した。港内とはいえ、真冬の海である。乗組員17人のうち2人が軽いけがをしただけで済み、胸をなで下ろした。原因究明はこれからだ。新潟海上保安部に逮捕された両船長は、事実をきちんと話さねばならない。それが、再発防止のための船乗りの責任といえよう▼11年に国の運輸安全委員会が調査した船舶同士の衝突は254件、単独で堤防などにぶつかった事故は132件、死傷者は132人に上る。10年に比べ、やや減ってはいるものの、海の安全を守るのは容易でないことを物語る数字だ▼7月の第3月曜日「海の日」は、海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う記念日として定着しつつあるが、きょうという日も忘れずにおきたい。安全は日々心掛けなければならないのは、もちろんだが。新潟日報2012年2月10日
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