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行ってみよう!歌舞伎へ

爪先鼠の奇跡

NEW2014.07.02

(爪先鼠の奇跡)四代目中村雀右衛門の雪姫(松竹提供)

  「爪先鼠(つまさきねずみ)」の故事をご存じでしょうか? 室町時代の水墨画家、雪舟が少年時代、修行に入った寺で絵ばかり描いて経を読まないので、僧が仏堂の柱にしばりつけたところ、涙を足の親指に付けて床にネズミの絵を描き、感心した僧が絵の勉強を許したという逸話です。  この話は、雪舟を神格化するために江戸時代に創作されたという説もありますが、芝居に取り入れられたのが時代物の名作「金閣寺」です。とはいっても、雪舟が出てくるわけではありません。縄でしばられたヒロインの雪姫が、爪先で桜の花びらを集めて描…

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とざい、とうざい~

一座高うはござりまするが、ご免をこうむりまして、口上なもって申し上げ奉りまする。
いずれもさまにはご健勝なる体と拝察いたし、恐悦至極に存じまする。

このたび、関係各位のおすすめ、ご支援を賜りまして、新しきコラム「行ってみよう!歌舞伎」を
開設させていただく運びと相成りました。

出雲の阿国の昔より舞台に花を咲かせ、ご見物に夢を与えてきたお芝居の数々。
それらの面白さを、皆さまに分かりやすくご紹介いたしまして、少しでも劇場に
お運びいただけるようになりますれば、私儀にとりましても望外の幸せと存じまする。

この後とも、いずれもさまのごひいきお引き立てのほどを
隅から隅まで、ずずずいーっと
請い願い上げ奉りまする。

過去記事一覧

2014.06.25

(ガマの妖術)市川猿之助の天竺徳兵衛(松竹提供)

ガマの妖術

 映画やテレビ、ましてインターネットなどなかった江戸時代、芝居見物は庶民にとって最高の楽しみでした。娯楽のあふれる現在でも、歌舞伎の舞台を見ていると、究極のエンターテインメントを目指した当時の芝居関係者の心意気を感じることができます。超常現象を舞台上でどう見せて客をあっと言わせるか、作者や裏方たちは、日夜工夫に明け暮れていたのです。  「東海道四谷怪談」で知られる四世鶴屋南北は遅咲きの狂言作者でした。50歳で書いた出世作「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべいいこくばなし)」の初演は1804(文化元)…

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2014.06.18

(女形舞踊の花)尾上菊之助の白拍子花子(松竹提供)

女形舞踊の花

 歌舞伎の出し物には、大きく分けて時代物、世話物、所作事(舞踊)の三つがあり、1日の狂言立てでこれらをバランス良く配置し、観客の気分を変えるように工夫されています。その中で、所作事は時代物、世話物の間の中幕や「追い出し」として1日の最後に上演されることが多く、芝居に比べると上演時間も短く、長いもので30分くらい。フルコースでいうなら、デザートのような役割を果たしています。  しかし、中には1時間を超える大曲もあります。所作事の中で最も大がかりで、華やかな演目といえば、「京鹿子娘道成寺(きょうがの…

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2014.06.11

(殺し場)片岡愛之助の団七九郎兵衛(松竹提供)

殺し場

 映画やテレビで殺しの場面はあっという間に終わってしまいますが、歌舞伎の「殺し場」は音楽や見得(みえ)を多用し、美しく、様式的に見せるのが特徴。その中で、殺し場を大きな見せ場としているのが上方の世話物「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」です。  殺し場が出るのは芝居後半の「長町裏」。高津神社の夏祭りを背景に、主人公の団七九郎兵衛がしゅうとの義平次を惨殺します。舞台の田んぼには本物の泥が仕込まれ、泥まみれになって立ち回りを見せるところから「泥場」とも呼ばれています。団七が水をかぶって体を洗い流…

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2014.06.05

(初鰹の値段)十八代目中村勘三郎の髪結新三(松竹提供)

初鰹の値段

 「目には青葉山ほととぎす初鰹」。素堂の句が描いたように、新緑が深まる初夏になると、江戸っ子は初鰹(はつがつお)が恋しくなるものです。そんな季節感と庶民の生活を描いた芝居に河竹黙阿弥の「髪結新三」があります。初演は明治6年中村座。芝居の外題は「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)」ですが、「髪結新三」として親しまれ、今も盛んに上演される江戸世話物の傑作です。  主人公の新三は店を持たず、得意先を回る流しの髪結い。生まれは上総(千葉県)の木更津で、腕に墨の入ったならず者です。新三が出入りす…

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2014.05.28

(王朝復活夢見た英雄)尾上松緑の和藤内(松竹提供)

王朝復活夢見た英雄

 厳しい鎖国のもと、江戸時代の人々にとって、異国はあまりにも遠いかなたの存在でした。長崎・出島でオランダ、清(中国)との貿易は行われていましたが、日本人が国外に出ることはご法度、外国の情報はほとんど伝わりません。古代から交流の盛んであった中国にも、江戸時代の人々は行けませんでした。その中で、中国大陸を舞台にした芝居が人々の心をとらえました。近松門左衛門の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」です。  主人公は長崎・平戸で中国人の父と日本人の母の間に生まれた鄭成功。明王朝の再興を目指して中国に渡って…

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2014.05.21

(子役の演技)七代目中村芝翫の重の井(右)と中村国生の三吉(松竹提供)

子役の演技

 最近のテレビドラマには、芸達者な子役がよく出てきます。大人顔負けの演技で、芝居だけでなくバラエティー番組などでタレントとしても活躍する子供たちも多いようです。しかし、彼らが大人になって俳優として大成するかというと、必ずしもそうではありません。子役の間はかわいいと言われても、大人になってからの実力はまた別ものなのです。  歌舞伎にも子役の出る芝居はたくさんあります。歌舞伎の子役は現代劇やドラマのようなリアルな演技をしません。「かかさまいのう」などと抑揚を付けず、棒読みのように話す歌舞伎独特の子役…

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