47NEWS >  日めくり >  05月16日の日めくり
日めくり

同盟国も懸念していたトランプ氏の「無神経さ」

ホワイトハウスで10日会談したトランプ米大統領(左)とロシアのラブロフ外相(ロシア外務省提供・AP=共同) ホワイトハウスで10日会談したトランプ米大統領(左)とロシアのラブロフ外相(ロシア外務省提供・AP=共同)

 もし報道が事実とすれば、米国の情報機関はトランプ大統領に対して怒り心頭に発しているだろう。トランプ氏が先週、ホワイトハウスを訪れたロシアのラブロフ外相とキスリャク駐米大使に、過激派組織「イスラム国」(IS)に関する機密情報を漏らしたと報じられた。米紙ワシントン・ポストのスクープだ。

 機密情報は航空機に持ち込んだパソコンを使ったISのテロ計画などだが、米国の情報機関が独自に入手したものではなく、情報共有合意に基づき同盟国の情報機関からもたらされた。当該の同盟国の了承なしにロシアに伝えられたという。同盟国がどこの国かは明らかになっていないが、英国にせよイスラエルにせよ、自分たちが得た機密情報が勝手にロシアに流されるとすれば、もう米国と協力しようという気は起きないだろう。

 ポスト紙に情報をリークした米政府高官によると、最も懸念されるのは、トランプ氏が同盟国が情報を入手した場所をロシア側に伝えたことだという。その場所はISの支配地域の一都市だが、この都市名を明らかにしたことで、ロシアは同盟国がどの国で、その情報収集能力がどの程度であるかを容易に知ることができ、その情報をシリアでの活動などに利用できるとされる。

 情報共有合意は米国が主要同盟国と結んでいるが、イスラエルメディアによると、過去15年間にわたって最高機密を共有してきた同国の情報機関はトランプ氏の大統領就任前から、情報がロシアやイランに漏洩される可能性について米側に懸念を伝えていたという。まさに今回、こうした懸念が的中した形となった。

 トランプ氏はラブロフ外相らとの会談で、「すごい機密情報がある。毎日、すごい情報を報告させているんだ」と自慢した。機密を伝えられたラブロフ、キスリャク両氏は沈黙していたというが、唖然としていたのかもしれない。トランプ氏の発言は日々機密保持に腐心する米情報機関からすれば、あまりに無神経だ。同氏は、9日にはこれまでの米国の長年の慣例を無視し、独立性が求められる連邦捜査局(FBI)長官を解任しており、FBI側からの反発を呼んでいた。度重なる無神経な行動で、今後はマスコミのみならず、情報機関も敵に回してしまうのではないか。  (47NEWS編集部 太田清)