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日めくり

復興応援の橋渡し

川口駅近くにオープンした復興応援ショップ「みちのく社中」=埼玉県川口市栄町 川口駅近くにオープンした復興応援ショップ「みちのく社中」=埼玉県川口市栄町

 新しく着任した吉野正芳復興相が福島県、宮城県に続いて5月1日に岩手県を訪問し、今村雅弘前復興相の発言について知事らに謝罪した。東日本大震災の被害について「まだ東北で良かった」との発言は被災した人々に寄り添う気持ちを感じさせず、多くの人をがっかりさせた。ちょうどそんなときに、被災地に寄り添った活動を、震災の後から6年間にわたり続けているNPO法人「遠野まごころネット」(岩手県遠野市)が復興応援ショップ「みちのく社中」を埼玉県川口市にオープンさせた。

 川口駅近くの商店街の一角で、海産物やサケなどの水産加工品、菓子などの食品が生産者の顔写真とともに並べられている。岩手県産品だけでなく、熊本地震で被災した熊本県の業者の食品なども扱っている。「善意に甘えるのでなく商品として魅力のあるものを紹介していく」コンセプトだ。

 東日本大震災の後、取材で泊まることになった遠野を拠点に、全国から集まってくるボランティアの受け入れをしていたのが同ネットだった。支援物資の配布などの当初の活動から、この6年余りの間に必要な支援は刻々と変わっていった。現在はコミュニティーの再建と並んで経済の再生が課題という。首都圏に販路を持たない中小企業の再生を応援しようと、縁があった川口の商店街に常設の店舗を開設するにいたった。

 同ネットの臼沢良一理事長は「被災地で苦しんでいる事業主がこのショップの後ろにたくさんいます。その期待に添えるよう首都圏のお客さんに橋渡ししていきたい」と話す。

 店をのぞいてみると、並んでいる商品は首都圏でよく行われている復興支援の東北物産展では見かけないものも多かった。臼沢さんいわく「膝を交えて事業主と話をして集めてきた」品々だ。まだまだ首都圏の消費者である私たちからは見えない被災地の顔があるのだ。商店街の小さな店から今後も「買って応援」しつつ、「被災者に寄り添い、復興を加速させたい」と所信表明した新しい大臣がどんな橋をかけてくれるのかも、橋の向こう側とこちら側それぞれが注視していかないといけないのだろう。

(47ニュース編集部 木村啓子)