47NEWS >  47トピックス >  超おすすめ

47トピックス

【デーリー東北 時評】 近海の海底資源 着実調査で将来の土台を

【デーリー東北】<時評>■人類の手が届かなかった未知の世界に


 深くて暗い海の底。人類の手が届かなかった未知の世界に、豊富な資源が眠っていることが徐々に分かってきた。国土の12倍に及ぶ排他的経済水域(EEZ)を有する日本が豊かな海を活用できれば、資源小国の不利を覆せるかもしれない。


 近海の海底資源の分布や生成過程(成因)を明らかにしたのは、海洋研究開発機構(JAMSTEC、神奈川県横須賀市)などの調査。八戸沖を2度掘削した地球深部探査船「ちきゅう」、関根浜港(むつ市)が母港の海洋地球観測船「みらい」も調査の一翼を担っている。


 最も商業化が有望なのはエネルギー資源のメタンハイドレート。メタンと海水が結晶化したドライアイスのような物質で「燃える氷」とも呼ばれる。


 八戸沖でも存在が知られ、研究者は日本近海にほぼ満遍なく分布すると考えている。全体の資源量は不明ながらも、静岡~和歌山県の沖合「東部南海トラフ」だけで日本のガス消費量11年分が眠るとの推計がある。


 4~6月には経済産業省がちきゅうを使い、同トラフで産出試験を実施。一定量の生産に成功したものの、掘削井戸に砂が入るトラブルに見舞われるなど課題を残す形となった。政府は平成30年代の商業化を目標に、取り組みを進める構えだ。


 一方、希少金属を含む鉱物資源として有望なのは「海底熱水鉱床」。煙突状の「チムニー」から噴出した海水に溶け込んだ金属成分が、海底に沈殿して形成されている。ちきゅうが開けた穴を人工のチムニーとし〝資源養殖〟する試みもある。


 他に、コバルトリッチクラスト、レアアース泥などが知られている。こうした鉱物にはコバルト、マンガン、ニッケル、アルミニウム、金、銀、銅などが含まれており、資源量は少なくとも国内消費の数百年分に相当するとみられている。


 資源小国の日本にとって国産資源の獲得は悲願であり、外部要因に左右されない供給体制を確立する意義は大きい。原油価格の下落で開発の緊急性は薄らいでいるとはいえ、資源を「いつでも取り出せる状態」にしておく必要性に変わりはない。………(2017年8月10日)<記事全文>

2017/08/10 15:00

ロード中 関連記事を取得中...