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【被災者支援】一人一人の困難に寄り添う

【神戸新聞】<社説>
■平等に大事にする


 災害に遭う。昨日まで当たり前のように思われた営みが奪われ、困難の中に放り込まれる。どうやって日常を取り戻せばいいのか、どう生きればいいのか、分からない。

 個人だけでなく、大災害は地域全体を破壊してしまう。過去の被災地がそうであったように、阪神・淡路大震災でも人々は途方に暮れるばかりだった。

 20年前のことだ。被災地の神戸市長田区をドイツの市民団体が訪れた。滞在経験がある作家の小田実さんが招いた。

 小田さんは被災者への公的支援を求める運動に取り組んでいた。一人一人の住まいや生活を再建することが被災地の復興につながる。国は支援金を支給すべきだと訴えた。

 国はかたくなだった。「支援金を支給すれば震災で失われた個人財産を国が補償することになる。それはできない。阪神・淡路の被災者だけ救済すれば平等の原則にも反する」

 国の主張について説明を受けたドイツ人たちは言った。「私たちは神の目から見て平等と言えるのかと考える。地震で被災者は不平等な状態に陥った。支給は当然だ」

 キリスト教社会には、人間を超越した「神」という存在がある。私たちの社会ではどうだろう。

 居合わせた被災者は語り合った。そして一つの結論を導き出す。

 「私たちには憲法がある」
………(2017年1月6日)<記事全文>

2017/01/06 11:04

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