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【静岡新聞と高知新聞 コラム】 「この世界の片隅に」

【静岡新聞】<大自在>
■目をふさがれた国民に、惨禍は音もなく忍び寄る 


 ▼今年ヒットした邦画アニメで「君の名は。」と評価を二分する「この世界の片隅に」。県内でも上映が続く。主人公「すず」はのんびりした性格の女性だが、妹との何げない会話に「軍事機密」という単語が交じる


 ▼すずが生きた70数年前にはそれが当たり前の日常だった。舞台は陸海軍の拠点があった広島県。軍港沿いを走る列車は窓のよろい戸を下ろす。つつましく日々を過ごすだけのすずが憲兵に目を付けられる場面も出てくる


 ▼「特定秘密」の名で政府が国民に内容を知らせぬまま情報を保持し、機密と知らずに入手した民間人も処罰できる法律が施行されて2年が過ぎた。成立時に首相が強化を約束した運用監視態勢には、いまだ国会からも不満の声が上がる。その国会の監視機能も不十分なままだ


 ▼すずがいた時代、国が真実を国民から隠す方法は他にもあった。「敗走」を「転進」、「全滅」を「玉砕」と言い換えた大本営発表だ。………(2016年12月19日)<記事全文>

【高知新聞】<小社会>
■「防災隣組」も命をつなぐためには欠かせない 


 上映中のアニメ映画「この世界の片隅に」を見ていて、あの歌が頭に浮かんだ。〽とんとんとんからりと隣組 格子を開ければ顔なじみ 回してちょうだい回覧板 知らせられたり知らせたり。戦時中にはやった「隣組」。


 国民を戦争に協力させるため国がつくった組織。10軒前後を一つとし政府の通達や配給の窓口にした。昭和19年、18歳で広島県呉市に嫁いだアニメの主人公も、隣組に生活習慣や家事を教わりながら地域になじんでいく。


 むろん、楽しいことばかりではない。連帯責任制の下、国にそむく言動をした者がいれば警察に通報する相互監視の役割もあった。一方であの時代、手を差し伸べ合わなければ庶民は一日も暮らしてはいけなかったろう。


 がんじがらめで息が詰まるような組織はごめん被りたい。ただし南海トラフ地震に備えて、いざという時に助け合える現代の隣組は必要だ。………(2016年12月19日)<記事全文>

2016/12/19 11:00

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