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【岩手日報 論説】 平泉世界遺産5年 価値共有へ発信さらに

【岩手日報】<論説>
■混迷する現代にあって重みを増す 


 奥州藤原氏が築いた「平泉の文化遺産」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録され、29日で満5年を迎える。戦乱の悲惨さから現世浄土を希求した平泉の平和思想は、われわれの針路を照らし、混迷する現代にあって重みを増す。その理念の発信や遺産の価値共有に向け、関係機関の不断の取り組みが欠かせない。

 「平泉」は仏国土(浄土)を表す建築・庭園、考古学的遺跡群として中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の各資産で構成。建造物だけでなく、池を備えた浄土庭園も重要な要素を占めるのが特徴だ。保護はもちろん、資産の「顕著で普遍的な価値」を分かりやすく伝えることが求められている。

 町はユネスコ世界遺産委員会、国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告に基づき、池が失われている無量光院跡、中尊寺大池伽藍(がらん)跡の発掘調査、庭園修復を進める。先行する無量光院跡は池底が整備され、水を入れて4月から11月まで暫定開園している。

 水をたたえた浄土庭園は美しい。無量光院跡の西方に位置し頂上に経塚がある金鶏山との一体的な景観は、西方浄土の世界観を感じさせる。遺跡の価値を発信する意味でも厳密に再現する意義は大きい。時間はかかるが、早い時期によみがえらせてほしい。

 無量光院の本堂は、京都・宇治の平等院鳳凰(ほうおう)堂を模して造営されており、将来的には復元も夢物語ではないかもしれない。当面は、立体画像を投影するプロジェクションマッピングなどの作製を通し、失われた建築物の「見える化」を期待したい。………(2016年6月29日)<記事全文>

2016/06/29 14:36

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