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【老人ホーム転落死】 背景には介護現場の深刻な人材難

【岩手日報】<論説>
■老人ホーム転落死 介護職の質向上が急務 
 安住の地で悲劇は起きた。川崎市の老人ホームで2014年、入所者の男女3人が転落死した事件で、神奈川県警は元職員の23歳の男を殺人容疑で逮捕した。逮捕容疑は男性1人の殺害だが、男は残る2人の殺害も認めている。

 「言うことを聞いてくれなかった」「殺すつもりで部屋に行った」。男の供述からは、介護職としての自覚はおろか、常軌を逸した残虐な人間性が浮かび上がる。

 全国の介護施設関係者をはじめ、入所者や家族の衝撃、不安は大きい。介護施設職員による虐待も年々増加している中、特異な事件として片付けず、背景の介護現場の構造的問題にもメスを入れない限り、安心は取り戻せまい。

 県警は当初、一連の転落死を、事件か事故か判別できない変死として処理。「連続転落死」に気づいたのは3人目の死後だったという。

 だがベランダの手すりは高さ約120センチで、3人の身長は150~160センチ。自力で乗り越えるのは困難だ。もっと早く気づけなかったのか。初動捜査の検証が必要だ。

 そもそもなぜ、高度な専門性が求められる介護現場で、容疑者のような人物が働いていたのか。この施設では、別の職員による入所者の虐待なども続発していた。

 厚生労働省によると、14年度の介護施設職員による虐待は300件で、12年度から2年間で倍増。虐待した職員は30歳未満が最多の22%で、原因(複数回答)の62・6%が「職員の教育・知識・介護技術の問題」だった。

 虐待の深刻化は、職員の「質」と関連し、その背景には介護現場の深刻な人材難がある。重労働な割に給与は低く、離職率は高い。経験不足の職員が心身ともに疲弊し、はけ口を求め虐待に走ってしまう-という構図だ。

 安倍政権は「介護離職ゼロ」を掲げ、介護の受け皿を50万人分増やすとしている。だが、人材育成をおろそかにしてハコものだけ増やしても意味がないことを知るべきだ………(2016年2月21日)<記事全文>

2016/02/21 17:51

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